「BBQの野菜はいらない?」Twitterでの激アツ論争を日本バーベキュー協会に聞いた

  • 「結局焦がしてしまうならバーベキューの野菜はいらない」
  • 『肉のみ派』vs『野菜あり派」で13万いいねの激論!
  • 担当者「日本人は美味しい野菜の焼き方を知らない」

夏といえばアウトドアで「バーベキュー」を楽しむ方も多いのではないだろうか。
日常を離れた大自然の中で、ビール片手に食べる焼きたての肉の味は格別!
ところが今Twitterでは、こんな意見が大論争を呼んでいる。

「バーベキューのときに野菜買うのやめませんか?」

発端は、16日に投稿された「需要を考えずに何となしに買った野菜(特に人参)を、結局焦がしてしまい美味しく食べられなくしてしまうくらいならば、肉のみのバーベキューの方がいいのでは?」という主旨のツイート。

投稿者のてしまさんは、野菜を否定している訳ではないとしているが、この問いかけをきっかけにたちまち「肉のみ派」と「野菜あり派」の論争となり、なんと約13万6000「いいね!」がつくほどにヒートアップ。(18日現在)

「肉のみ派 」vs 「野菜あり派 」 13万いいねの論争!

投稿者の革新的な考えに賛同する「肉のみ派」の意見を見てみると、「野菜は焦がして捨ててしまう」「なかなか火が通らない」「玉ねぎがバラバラになる」など、どれもバーベキューをしたときに覚えのあるコメントが並ぶ。
一方、旧来からある保守的な「野菜あり派」の声は「野菜めっちゃ欲しい」「肉と野菜交互に食べたほうがうまい」「焦がす前に食え」など、こちらもごもっともな意見が見られる。

はたして、あなたの意見はどちらだろうか。
ネット上では決着がつきそうにないが、誰も食べない黒焦げ野菜問題について、バーベキューのプロはどう思っているのか。
バーベキュー検定を取り仕切っている日本バーベキュー協会の担当者に聞いてみた。

「日本人は美味しい野菜の焼き方を知らない」

――協会としてはどちらの立場?

前提として、バーベキューだからといって肉ばかりを食べるということはないです。
どっちがおいしいかというと人それぞれで、日本人は美味しい野菜の焼き方を知らないんですよ。
それが分かるとみんな一気に野菜を焼くようになります。

――つまり野菜はバーベキューに重要だということか?

そうですね。
ちゃんと調理できるようになると、場合によっては肉より野菜を食べるようになります。
ただ、肉がないと盛り上がらないということは間違いなくあります。
肉がないバーベキューだったらあまり人が来ないでしょう。

――では、どうしたら野菜がうまく焼けるのか?

焼いた野菜がカスカスになって焦げておいしくなくなるのは、水分が抜けて乾燥してしまうのが原因です。
この乾燥を防げば、美味しい焼き野菜ができるんです。

野菜は皮の中に水分を閉じ込めていて、切ったところからどんどん水分が逃げてしまいます。
だからなるべく皮を切らないようにすることが重要です。
ピーマンや、時間があれば玉ねぎも丸ごと焼きましょう

さらに水分を保つためには、オリーブオイルを塗って水分を閉じ込める膜を作ってあげます。
百均などで売っているシリコン刷毛を使って塗れば焼くと明らかにジューシーに焼きあがります

茄子とかニンジンなど火が通りにくい野菜は、あまり細かく切らないようにします。
例えばニンジンは縦に真っ二つに割って、切り口にオリーブオイルを塗ります。
こうすると確実に野菜が美味しく焼きあがります。

バーベキューの野菜をもっと楽しむ方法

実は、協会の公式サイトでは日本をバーベキュー後進国だとしている。
さらに、河川敷や海岸・公園など十分な施設のない場所に大勢が押し寄せて行うバーベキューを「バーベキュー公害」と称して、本来のバーベキュー文化育成の必要性を訴えている。

――日本で広まっているバーベキューと欧米のバーベキューは何が違うのか?

日本のバーベキューは、屋外で焼き肉をするイメージがありますが、実はバーベキューというのはアウトドア料理でもなければ焼き肉でもなくて、パーティー料理の一つなんですよ。
屋外でパーティーをしましょうという、コミュニケーションを楽しむ場なんです。

コミュニケーションを楽しみに来ているのに、準備に手間取ったり火がつかなかったりイライラすると台無しです。
バーベキューは火が起きるまで10~20分はかかってしまうので、前菜のように野菜スティックやサラダ、ピンチョス(小さなパンに食べ物を載せた軽食)などを用意しておけば、間が持つし喜ばれます。
日本バーベキュー協会では、これを「焼ける前の一品」と呼んでいます。
やっぱりパーティーはオシャレにしたいので、するめの盛り合わせとかではなく、ちょっとオシャレな料理を用意して、その雰囲気も楽しむことがバーベキューの醍醐味です。


――他にも肉以外を使って楽しめる料理はあるのか?

シェラカップなどの耐熱容器に、オリーブオイル、チューブにんにく、チューブのアンチョビペーストを入れて火にかけると「バーニャカウダソース」が出来上がります。
バーニャカウダソースは生野菜を付けてもおいしいので、レタスやきゅうり、スティック野菜のダイコンも一味違った料理になります。
同じ野菜を食べることでも、そういう一工夫で料理の幅が広がります。

パーティーの最後はデザートが出てきますが、同じような役割でパイナップル、オレンジ、キウイ、バナナなどを焼く「デザート・バーベキュー」というものがあります。
フルーツを焼くことは、バーベキューの終わりを雰囲気でお知らせする役目もあるんですよ。
甘い香りが漂うと「もう焼きそばは出ないだろう」という雰囲気になるじゃないですか。

さらに焼いた果物を二次利用することもできるんですよ。
例えば、焼いたパイナップルとかオレンジを赤ワインなどに漬けると「グリル・ド・サングリア」の出来上がりです。
普通のサングリアは、どこのお店でも飲めますけど、せっかくのバーベキューの場ならではの飲み物の方が特別な感じがするでしょう。

なぜオシャレな食べ物や飲み物を用意するのかというと、すべてはコミュニケーションのきっかけを作るためなんです。
最近はバーベキューで大きな塊のお肉を焼く方が増えてきましたが、これも同じです。
普通の焼き肉ではなく、大きなお肉が登場すると、みんなすごく盛り上がりますよね。
それが一緒の空間にいる人たちと同じ意識を共有して話をするきっかけになるんです。
バーベキューは、このようなエンターテイメント性もある催しなんです。


日本バーベキュー協会の人からは、「肉のみ派」と「野菜あり派」という対極的な見方ではなく、野菜の美味しい焼き方から、肉以外の楽しみ方についてまで教えてもらった。
ただ、今回の論争について言えば、バーベキューでの野菜の存在について何かしら感じたことがある人が多かったので、これだけ盛り上がったということだけは確かだろう。