W杯決勝に水差した男女4人の乱入…動機は「プーチン政権」に対する不満?

  • 政治的パフォーマンスで知られるロックバンドメンバー男女4人が乱入
  • ロシアの企業は経営難…30歳以下にプーチン大統領への不満が増えてきている
  • ロシアの警察官の制服を着ていたため、ピッチに乱入できた?

4点を奪い、20年ぶり2度目の優勝を果たしたフランス。

世界中が注目したFIFAワールドカップの決勝、フランス対クロアチア戦で"前代未聞の騒動"が起きた。

乱入者は選手とハイタッチという大胆な行動まで…

試合中にロシア人男性1人と女性3人がピッチに乱入。

黄色いビブスを着た警備員が乱入者を追いかけ、選手たちは突然の出来事にあ然としていた。

乱入者は、ロシアの警察官の制服を着た満面の笑みを浮かべた女性や、選手とハイタッチするという大胆な行動に出る人まで。また、クロアチアの選手が乱入者につかみかかってピッチになぎ倒す姿もあった。

乱入したのは政治的パフォーマンスで知られるロックバンド「プッシー・ライオット」のメンバーとみられ、乱入前には自身のSNSで犯行の動機も明かしていた。

2011年に結成した「プッシー・ライオット」が、ロシア国内で一躍有名になったのは2012年。

モスクワの教会に覆面姿で侵入して、聖職者しか入ることができない場所で行ったゲリラライブがきっかけ。

歌の大部分は、ロシアのプーチン大統領に対する批判で、地元の報道によると、この一件で3人はフーリガン行為の疑いで逮捕。そのうち2人は禁固2年の実刑判決を受けたという。

そして、6年後の2018年にはW杯決勝戦に乱入し、バンドメンバーら4人は再び世間を騒がせることとなった。

ロックバンドメンバーの犯行予告とみられる動画には、「我々は要求する。デモ参加者の違法逮捕を止めなさい。国内における政治的な競争を許すべきだ」といった音声が残されている。

プーチン大統領が観戦する「決勝」をあえて選ぶ

今回も「プーチン政権」に対する不満が乱入騒動の動機とみられている。

ロシア情勢に詳しい筑波大学の中村逸郎教授は「今、ロシアの企業は大変な経営難に陥っている。就職先がなかなか見つからない。30歳以下の人たちの中に、プーチン大統領に対する不満がずっと増えてきている」と話した。

また、W杯の決勝戦の場を選んだのにも理由があり、「プーチン政権に対する不満を世界が注目しているW杯の決勝戦で見せたい思惑が込められていた。プーチン大統領もいる前で乱入したわけですが、まさにプーチンの顔に泥を塗った」という。

決勝戦は、プーチン大統領もスタジアムで観戦していたため、あえて本人がいる場を選んだと中村教授は推測した。

なぜ、ピッチに入ることができたのか

では、4人はどうやって試合中のピッチに乱入することができたのか。

ロシアのスポーツ紙「スポーツ・エクスプレス」が公開した乱入直前の一部始終を捉えた写真。

4人がいるとみられるスタンドの先にあるピッチのそばには、30人を超える黄色いビブスを着た警備隊がいる。

乱入できそうにない厳重な雰囲気だが、ピッチの近くに降りてくる4人の様子が写真に収められていた。

さらに、警備隊をすり抜けた4人はピッチのすぐ脇まで進んでいく。

この時、警備隊も4人を警戒する様子は見られない。

一部報道では、4人が着ていたのはロシアの警察官の制服。そのため警備隊は4人を「警察関係者」だとみなして素通りさせてしまったのだろうか。

(乱入後に「プッシー・ライオット」がYoutubeに公開した声明文と乱入動画)


後半6分過ぎ、2対1でフランスがリードという状況での乱入。

この時の心境をクロアチアのDF・ロヴレン選手は「あの時、僕らは良い流れでプレーしていたから、本当に頭にきてしまったんだ。スタジアムの外へ放り投げたいとさえ思ったよ」とイギリスの「デイリー・ミラー」紙に明かしている。

ロシアの一部メディアによると、4人に対する処分は、罰金と社会奉仕活動が命じられるのではないとかいわれている。

(「めざましテレビ」7月17日放送分より)

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