今後、被災地で注意すべき「破傷風」「アトピー悪化」…!

カテゴリ:テクノロジー

  • 被災地では今後、衛生管理が大きな課題 
  • 破傷風ワクチン接種時期のチェックを!
  • アトピーへの対処は? 

災害発生から1週間で感染症増加!

西日本を中心とした豪雨の被災地では今後、細菌感染や避難所での衛生管理に気をつける必要があります。
過去の例を見ても、災害発生から1週間程度で感染症が増え始めるとされています。
東日本大震災では、破傷風やレジオネラ症やなど、日頃はあまり耳にしない感染症がみられました。

破傷風は、罹患すると亡くなる割合が非常に高い病気です。
原因は、けがをしたときに傷口から入る破傷風菌です。破傷風菌は、世界中の土のなかに存在しています。
体内に入り込んだ菌は、感染を起こし毒素を通して、さまざまな神経に作用します。

3日から3週間の潜伏期間後、口を開けにくい、首筋が張る、体が痛いなどの症状があらわれます。
その後、体のしびれや痛みが体全体に広がり、歩行や排尿・排便の障害などを経て、最後には全身を弓なりに反らせる姿勢や呼吸困難が現れます。死亡することも珍しくありません。

ワクチン接種から10年超なら追加接種を!

破傷風は、正しい方法でワクチン接種を行うと免疫が10年間持続します。
昭和43年から乳幼児への三種混合ワクチン(DTP)が一般的に接種されていますが、接種から10年以上経過している場合、またそれ以前に生まれた未接種の方も、ワクチンの追加接種をお勧めします。
また、副反応のため予防接種が一時期中断されていた経緯もあり、昭和50年前後に出生の方は、母子手帳や医療機関などで接種の有無を確認してください。

水害のあとには、土壌の環境がかき回されているため、破傷風菌に接触しやすい状態になっています。
ボランティアの方を含め、がれき撤去などの作業時には、丈夫な靴や手袋を身につけることを心がけて下さい。

アトピーを悪化させないためには

避難所では水が十分に使えなかったり、毎日入浴出来ないといったこともあるでしょう。
アトピー性皮膚炎のお子さんがいらっしゃる場合、本人やご家族は大変なご苦労をされていると思います。

アトピー性皮膚炎は、肌を清潔に保つことや、症状にもよりますが、肌を乾燥させないことが大変に重要です。
シャワーや入浴が出来ない場合は、熱すぎないお湯で濡らしたタオルで、全身の汗やほこりを優しく拭ったり、押し拭きしてあげてください。
ただし、市販のウエットティッシュ等だと、香料やアルコール等の成分でかえって肌が荒れる場合もあります。
まず肌の一部で試してから使ってください。

全身を拭いた後は、肌はどんどん乾燥しますので、早めに塗り薬(ステロイド剤や保湿剤)をつけましょう。

アトピー性皮膚炎が悪化すると、他の感染症になる危険性が高まります。
ひどくかきむしって眠れない状態が続いたり、皮ふがじくじくして出血しているような場合は、入院治療が望ましいでしょう。
あまり遠慮せず、受け入れ先の病院の手配をお願いしてください。


ボランティアの方も配慮と注意を

日本環境感染学会では、豪雨の被災地で注意すべき衛生面の対策をまとめて公表しています。

http://www.kankyokansen.org/modules/news/index.php?content_id=237

被災者を支援するボランティアの方々にも、これらのことを知って頂ければと思います。。

医師 小林 晶子(医学博士)

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