【7月豪雨】捨てないで!泥で汚れた写真を蘇らせる応急処置法に注目

カテゴリ:国内

  • まだ間に合う!泥水に浸かった写真の応急処置法を紹介
  • 菌の繁殖を抑えるため「乾燥」「冷凍」で保存
  • 水没したネガも救済が可能 

西日本を中心に、土砂崩れや浸水などの甚大な被害をもたらした「平成30年7月豪雨」。
各地で懸命の作業が続く中、自宅が浸水被害にあい、思い出の写真が水や泥をかぶってしまった被災者のために、富士フイルムが公式サイトで公開している「被害を受けた写真・アルバムに関する対処法」が改めて注目されている。

捨てないで!写真は「洗える」

2011年の東日本大震災をきっかけに「写真救済プロジェクト」を立ち上げ、汚れてしまった写真を回収・洗浄し、持ち主に返却する活動の支援を実施している富士フイルムは「もし、写真やフィルムが水や泥をかぶってもあきらめないでください」と呼びかけている。

写真が水に浸かった時点で「滲んでしまう」「ふやけてしまう」というイメージがあり、諦めてしまう人は多いかもしれないが、店舗で現像した写真の大半は「銀塩写真」という、丈夫な写真用紙の上に塗った薬品を化学変化させて発色させているもの。
紙の表面にインクを乗せているわけではないので、水に濡れてもすぐに溶けてしまうことはないのだ。

ただ、写真が単に水に浸かってしまった場合はよく乾燥させればいいが、災害時は不純物の混じった泥水が問題になってくる。きれいな水で洗い流すことが必要だが、現在は水が不足している地域も多く、洗浄作業を行うことが難しい場合もある。
そこで、大切な思い出の詰まった写真を守るために、水が使えるようになるまでにやっておきたい応急処置を、富士フイルムの担当者にお話を伺いつつ、まとめた。

乾燥させる

(1)表面についた泥や水草をできるだけ取り除く。

(2)陰干しする。
アルバムごと水没した場合は、洗濯ばさみをアルバムのページに挟み、隣のページとくっつかないようにしたり、もしくは新聞紙などをページごとに挟み込んで水分を吸収させる。アルバムを分解することができる場合は、ばらして1枚ずつ陰干しにし、乾燥させる。

(3)乾燥後はできるだけ低温で暗所に保存する。

(画像:富士フイルム)

応急処置の一つは、写真を乾燥させること。
泥に浸かった写真で一番気にしたいのが、カビやバクテリアの繁殖だ。
写真本体やアルバムを生乾きのままにしておくとカビやバクテリアが繁殖し、写真の表面のゼラチンや色素が劣化して画像が失われてしまう。
できるだけ泥を落とした状態で写真を乾燥させることで、劣化を遅らせることができるのだ。

生乾きのアルバムから無理に写真を取り出そうとするとかえって傷めてしまうことがあるので、注意してほしい。
また、急いで乾燥させようとしてドライヤーなどを使うのは、写真が反ってしまう可能性があるためNGだ。

冷凍する

(1)写真やアルバムの泥をできるだけ取り除く

(2)チャック付きポリ袋などに収納して、冷凍庫内で保管する。



もう一つの応急処置としては、写真を冷凍すること。
完全に凍らせることができれば、カビやバクテリアの繁殖が抑えられるのだという。
「濡れた状態のまま保存はNG」といったが、もし冷凍できる環境がある場合は、乾燥を待つよりも凍らせた方がダメージが少なくて済む。

もちろん、冷凍設備を使うためには電源の確保・衛生面・食料保存の優先などさまざまな問題があるので、あくまで参考としてほしい。

水が使えるようになったら…

「乾燥」「冷凍」は劣化を抑えることはできるが、あくまで応急処置のため、水を使える環境が整い次第、以下の手順で写真の洗浄を行ってほしい。


(1)写真の表面の泥を筆や刷毛などで取ってから、室温の水に浸し、表面を優しくなでるように泥や砂などを落としていく。

(2)洗浄が終わったらきれいな水ですすぎ、陰干しする。


アルバムごと乾燥・冷凍させておいた場合、写真の表面にアルバムの保護ビニールがくっついてしまっていることがあるため、水に浸けた状態でゆっくりと剥がしていくのが良い。
ポケットタイプのアルバムは、写真をスライドさせて取り出すと傷めてしまう可能性があるので、ビニールをカットして写真を取り出す。
また、冷凍させておいた写真を洗う時は、洗浄できる分だけを出して解凍や乾燥をせずそのまま水に浸けて洗浄するのがポイントだという。

写真を洗う際は、表面の状態を感触で把握するため、また衛生面からも、必ず薄手のゴム手袋を着用してほしい。

※動画内の「20~30度のぬるま湯」は室温の水で対応可能(動画提供:富士フイルム)

ただ、残念だが、保存しておいた写真が、洗浄する前からすでに絵の具を溶かしたように滲んでしまっている場合や、水に浸けた時に表面がヌルッとした場合は、それ以上洗浄しようとすると画像が流れてしまう恐れがあるため、無理に洗浄しない方がいい。
その場合は写真自体をデジタルカメラで撮影するなどして、保存してほしい。

ネガも水洗いOK あきらめずに保管を

写真だけでなく、現像済みのネガフィルムもほぼ同じように水洗いできるので、こちらもあきらめないでほしい。
ネガフィルムはプラスチック樹脂製で写真よりも丈夫な上、ネガケースと呼ばれる半透明の保護袋に入れて保管されていることが多いため、損傷が少なければ再び写真をプリントすることができる。

また、チェキプリントも同じように洗ってOK。

1970年以前の白黒写真は、耐水性のない印刷紙にプリントされているため、洗浄には注意が必要だという。
また、顔料・染料のインクジェットプリントは、汚れがひどい場合には短時間で洗浄することを推奨しているが、インクの種類によって対処が変わってくるので、インクジェットプリンターメーカーに問い合わせてほしいという。


詳しくは、富士フイルムの公式サイトを参考にしてほしいが、大切な思い出の詰まった写真が水や泥をかぶってしまっても蘇らせる方法があるということは知っておいてほしい。

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