加藤剛さん闘病の「胆のうがん」 検査や病院選びは、ここをチェック!

カテゴリ:暮らし

  • 日本は発生数が多い
  • 進行すると大手術に!
  • 治療チームの熟練度が重要

日本などアジアで多い胆のうがん

映画「砂の器」や時代劇「大岡越前」などで知られた俳優の加藤剛さんが、「胆のうがん」のため亡くなりました。80歳でした。

お酒も飲まず、タバコも吸わず、人一倍健康に気を遣っていた加藤さんが患った「胆のうがん」。
実は、消化器がんの中で治療が困難ながんの一つです。

また、日本を含むアジアやチリで発生数が多いことが分かっています。
とりわけ、日本は症例数が多いこともあり、「胆のうがん」の研究が非常に進んでいます。

「ふくろ」状だから初期症状が出ない

胆のうは、肝臓の下にある、ナスのような形をした臓器で、胆汁という消化液をいったんためておく、「ふくろ」のような臓器です。
実はその形状のために、「胆のうがん」は、早期には無症状で経過するのです。
ふくろ状の臓器であるため、中でポリープが大きくなっても直ちに症状が出ることはないからです。

このことが、「胆のうがん」をやっかいなものにしています。
症状が出るのは、がんが進行して胆管や肝臓にまで広がってからです。
主な症状は、腹痛・悪心嘔吐・黄疸・体重減少などです。

早期なら手術でほぼ完治 病院選びのポイントは…?

「胆のうがん」では、手術が唯一、治癒の期待ができる治療です。
早期であれば、切除するだけの1時間程度の簡単な手術で済み、ほとんど完治します。

一方、進行している場合は、胆のうだけでなく周りの肝臓や胆管やリンパ節を切除しなければなりません。
長時間の大手術となるため、患者さんにとっては、想像以上に負担が大きくなります。
だからこそ、「胆のうがん」の手術は、外科医とそのチームが、安全性と根治性を熟慮して、治療に慣れていることが重要です。

そうしたこともあって、症例数の多い施設の方が、治療成績が良い傾向があります。
胆道がん(胆のうがん+胆管がん)の手術を、毎年20例~30例以上実施している病院で手術を受けたほうが良いでしょう。

抗がん剤の効果は限定的

ただし、がんの形態や進行の度合いはさまざまなので、実際に手術で切除できる割合は60〜70%です。
手術ができない場合は、抗がん剤治療や放射線治療を行います。

ただ、「胆のうがん」は非常に抗がん剤治療が効きにくいがんで、治療を行ったとしても、がんを縮小させる効果や長期の延命効果が得られることはそれほど多くありません。
さらに、「胆のうがん」に対する放射線療法は、有効性は確立されていないといわれています。

エコー検査は新しい機材で!

「胆のうがん」は、早期に手術すればほぼ治完治するとはいえ、進行がんも含めた全体でみると予後の悪さ(完治せず亡くなってしまう割合)では、すい臓がんの次に難しいがんです。
このことからも、「胆のうがん」は早期発見が非常に大切であることがわかります。

「胆のうがん」を早期に見つけるためには、人間ドックなどで広く一般的に行われている超音波(エコー)検査を積極的に受けることが大変有効です。
日本で「胆のうがん」の治療成績が高いのは、超音波検査が広く普及していることが大きいのです。
40代になったら、年に一回は、腹部超音波検査による定期検診を心がけましょう。
ただ、エコーはその機材によって精度に大きな差が出ます。
率直に言って、高価な機材の方が精度が高い。ですから、新しいエコー機材を置いている医療機関で受診するほうが良いでしょう。

残念なことに、再検査や定期的な経過観察が必要とされても、再検査を受けずにそれっきりになってしまう方がかなり多いという現実があります。
要再検査の結果が出た場合は、先延ばししないこと。また、再検査は同じ施設で受けて、前回と比較するということも非常に重要です。

かなまち慈優クリニック 院長
高山 哲朗(医学博士)

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