【副業儲かってますか?】ビジネスマンの“相棒” の靴磨き講座

カテゴリ:国内

  •  転職を機に履くようになった革靴。お金も時間もないから独学で磨いてみた
  • 休日だけの副業 5つの道具を使って90分でピカピカにする方法
  • 教えることを主体にした方が自分の成長にもつながる

休日だけの副業

本業で得た“気付き”を学びに変え、専門技術を身に付けて副業をはじめる。そんな副業の形もある。

福岡市在住の岡元直哉さん(31歳)は、生命保険株式会社で営業職として勤務する傍ら、会社公認の副業として、ビジネスマンの相棒である靴の手入れ方法をレクチャーしている。

Webデザインや料理、語学など、あらゆるジャンルでの知識・スキルを持つ人と教わりたい人とをつなぐサービス「ストアカ」を利用し、2014年12月から靴磨き講座を開催。
1週間のスケジュールを聞くと、「平日は本業、副業は休日だけ」というメリハリのある生活を送っていた。

平日は、6時30分に起きて朝の支度を終えると、子供を保育園に送ってから通勤する。
9時から18時まで本業勤務をして、帰宅後は家事や子供の面倒を見たりと仕事と家庭を両立しているが、そんな中でも、SNSでの靴磨き講座の情報発信は欠かさない。毎週月・木曜日にフェイスブックで、参加者たちの靴の悩みとその解決策を紹介している。

開講されるのは主に土曜日。
靴磨きに使用する道具や靴の素材である革の基礎知識を学び、参加者が持参した靴を指導を受けながら磨き上げる。

2時間の講座を月に2回ほど開催し、平均月収は1万円ほど。

今年で4年目となる副業のきっかけは、転職だった。

前職はアパレル業界の営業で、スーツ着用の規定はなかったという。
2013年に父親が事故に遭い、身体が不自由になったことを受け、自分の人生を見つめ直した。
両親を支えるためにより高い収入を求めて保険業界へ足を踏み入れ、同じ営業職でも、スーツを着て仕事をするようになり、身だしなみに気を遣うようになったという。

なぜ靴磨きを学び、それを人に教えようと思ったのか? 岡元さんに聞いた。

「靴は自分でケアしないとすぐ汚れる」

靴磨き講師・岡元さん

ーー営業マンにとって身だしなみは重要なポイントですが、その中でも靴に興味を持った理由は?

「外見よりも内面が大事」とよく言われますが、私は外見と内面はイコールだと考えています。
内面の乱れは、外見の乱れとして表れます。仕事でスーツを着るようになってから、身だしなみには気を遣ってきました。
スーツやネクタイ、シャツはクリーニングでキレイになりますが、靴は自分でこまめにケアしないとすぐに汚れるということに気が付きました。
かといって、靴磨きをしてくれる店に通うほどのお金も時間もない。それなら自分でやってみようと思いました。

ーー靴磨きの技術はどうやって習得した?

ウェブサイトや雑誌で取り上げられている靴磨きグッズを買って、紹介されている方法を試しました。
でも、何度やっても本やネットにあるお手本写真のようにピカピカにならない。
独学で始めてから3か月ほど経った頃、ツイッターでの靴磨きに関する私の投稿を見て、プロの靴修理職人の方がアドバイスをしてくれました。
教えてもらった道具や靴クリームについての知識や磨き方のポイントをもとに、見よう見まねで練習をしていくうちに、靴を輝かせられるようになっていきました。
講座を始めたことを告げると、靴業界のことも聞かせてくれました。その靴修理職人さんとは、今でも連絡を取り合っています。

輝きが持続する靴の磨き方

岡元さんが教える靴磨きの道具と手順を簡単にご紹介。

【使用するもの】
・ブラシ(豚毛または化繊)
・綿100%の布
・水道水
・油性クリーム
・固形ワックス

これらの道具はすべて岡元さんが用意してくれる。参加者が持参するのは、磨きたい靴だけ。
油性クリームで汚れ落としから油分補給、コーティングして靴を輝かせる工程を行い、時間のかかる仕上げだけは、固形ワックスを使う。


【手順】
(1)汚れを落とす
(2)クリームで全体を磨いて革にうるおいを与える
やさしく素早く「つま先→側面→かかと→側面→つま先」と磨いていく。
これを靴が輝くまで繰り返す。徐々にクリームを少なく、力もやさしくしていくのがコツ。

(3)仕上げにワックスでピカピカに

磨き上げるまでの所要時間は、90分ほどだという。

左:磨いた後  右:磨いていない

ーー磨いた後にもケアが必要?

靴を履く前と履いた後に、馬毛などの柔らかいブラシで15秒ほど軽くブラッシングするか、布で乾拭きしてあげることが効果的です。
そうすることで、磨いた輝きが1~2か月間持続します。


ーー靴磨きのポイントは?

講座では実践に入る前に解説しているのですが、「革の性質」や「靴磨きの目的」について仕組みを理解することです。
これらを知らないまま靴磨きに取り組むと、「磨いてるけど光らない」という問題が発生したときに正しい対応ができません。
「光らないと」いうのは「光が反射していない」ということなんですが、その理由は「革表面の凸凹がクリームで埋められていない」 「凸凹は埋まっているが表面に余分なクリームが付着して反射を阻害している」 の2通りのケースが考えられます。
前者であればクリームを足さなければ光らないし、後者は逆に余分なクリームを拭き取る必要があります。

「試行錯誤することが本業にも役立つ」

「ビジネスマンのための講座」というが、参加者の年齢層は20代~70代までと幅広い(メインは30代と40代)。
現在は、博多マルイで開催していることもあってか女性客も多く、男女比はほぼ半分だという。
岡元さんは、参加者同士がコミュニケーションを取りやすい場づくりを心掛けていて、講座の雰囲気は、お互いに進捗状況などを確認しながら進む和気あいあいとしたもの。質問も頻繁に飛び合うという。

ーー靴磨きを「教える」ことを副業に選んだのはなぜ?

自分で満足のいく靴磨きができるようになると、周囲から「靴キレイですね」と声を掛けてもらえるようになりました。
SNSでも反響を得て、情報はあっても実際に教えてもらう機会がなくて断念している人に、靴磨きのやり方を伝えていこうと思いました。
靴磨きそのものを副業にするのは、自分だけで完結してしまうので、教えることを主体にした方が、自分の成長にもつながると考えました。
参加者の方とのコミュニケーションや、情報をどう整理して伝えれば理解してもらえるかなど、試行錯誤することが本業にも役立っています。


ーー参加者の感想・印象的なエピソードを教えてください。

みなさんが一番よろこんでくれるのは、「こんなに簡単に輝くんだ!」ということです。
靴磨きの基本的な流れは、多くのウェブサイトや雑誌で書いてありますが、「クリームやワックスを塗りすぎてはいけない」ということや「それを除去する手段」については、講座ではじめて知ったという方が多いです。

また、みなさん靴に対してさまざまな思いを持っているんだなと驚きます。
「おばあちゃんから買ってもらった靴だから大切に履きたい」
「足が小さすぎてなかなか合うサイズがない中、やっと巡り合えたので大切にしたい」といった話を聞くと、うれしい気持ちになります。
私も結納で義父からいただいた思い入れのある生涯使っていきたい靴があります。

副業をする上での苦労はないのか聞いてみると、特にないという回答が。
「強いて言うなら、情報発信だったり作業だったりの時間が必要なことくらいでしょうか。好きなことだから続けられるのだと思います」
 参加者が楽しそうに作業して、自分で磨いた靴を見て笑顔になっている姿を見るのが励みになるそうだ。

今後の目標は、個人向け講座だけでなく、企業や団体の身だしなみ研修・イベントにも積極的に取り組んでいくこと。
過去にも区役所や専門学校からの依頼で、靴磨き講座を開催したことがあり、ビジネススキルとしての「靴磨き」をさらに広く伝えていきたいという。


最後に、夏本番を迎えるこれからの季節の靴の手入れについて、アドバイスをしてもらった。
「気温が上がると体温も上昇して、靴の中が蒸れやすくなります。傷みの原因になるので、同じ靴を連続で使用しないことでしょうか」

また、汗をかく夏に気になるのは、靴のニオイだ。
「ニオイの原因は、雑菌の繁殖です。 靴の中は半密閉状態なので、湿度100%といわれています。対策としては、靴を乾かす、清潔な靴下を履く、殺菌するの3点が大切です」
詳しい方法は、フェイスブックページ「ビジネスマンのための靴磨き講座 福岡」で公開されているので、チェックしてみてほしい。

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