文科省の前局長を逮捕。『裏口入学』は今も横行?

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  • 佐野容疑者は「政治家とつながりを持ちたがる人」
  • 私立大学の医学部と医療系の私立大学で「裏口入学」の話を聞くことがある
  • 「私立大学研究ブランディング事業」に選ばれるメリット

文部科学省のエリート官僚が、東京医科大学に支援事業で便宜を図る見返りに、息子を「裏口入学」させていたという事件。

4日、受託収賄の疑いで文科省の前局長・佐野太容疑者(58)が逮捕された。

大学の理事長も関与を認める供述

佐野容疑者について元文科省審議官の寺脇研氏は「優秀ですが非常に政治家とつながりを持ちたがる人。事務次官になることが既定路線のようになっている。他ならぬ、文部科学省がしたわけですから、最低な犯罪ですよ。もう本当に腹が立ちますよね」と憤りをみせた。

また、佐野容疑者の息子が大学受験した際に、大学側の理事長と学長が入試の点数加算に関与していた疑いも判明し、理事長は関与を認める供述をしているという。

今回の問題の発端は、2017年5月で、東京医科大の関係者が私立大に補助金を出す支援事業の対象校にするよう、佐野容疑者に要請。

すると、佐野容疑者は対象校に選ぶ見返りとして、2018年2月に受験した息子を合格させてもらったという。

大学側が受け取った補助金は約3500万円で、佐野容疑者は税金を使って息子を東京医科大に合格させた疑いがある。

「裏口入学」よく聞くのは医療系

「裏口入学」は世の中で横行しているのか。

学校問題に詳しいレイ法律事務所の高橋知典弁護士は「今でも裏口入学の話自体は、学校案件を扱っているとよく聞きます。傾向として多いのは"私立大の医学部"や、今回の東京医科大学もそうですが、"医療系の学校"で多い」と話した。

2002年と2004年にも私立大学の医学部と医療系の私立大学で、それぞれ多額の金銭を見返りとした裏口入学疑惑が発覚している。

この背景について高橋弁護士は「開業医の医師が自分の子どもたちに地盤を引き継ぎたいというときに、医療系の学校の倍率が非常に高いため、そういった場合に多額の寄付金を学校に出してまで、なんとか入れたいという要望が強いのは事実としてある」という。

実際、単純に偏差値のみを比較すると、東京医科大医学部医学科は京都大学理学部理学科などより高い偏差値「67.5」(河合塾2019年度入試難易予想より)。

東京医科大学では、今年は3500人以上が受験するも、合格者はわずか214人と狭き門なのがわかる。

東京医科大を2度受験して不合格となった予備校生は「朝は7時、8時に起きて夜11時まで勉強して、真面目にやっている中で、そういったことがあるのは悔しい」と話した。

また、子どもを持つ父親に「裏口入学」について聞くと、「機会とチャンスがあれば…父親として多少理解します」という声もある一方で、「国立大学に出た優秀な人はいっぱいいるけれど、仕事できない人もいる」と複雑な心境ものぞかせた。

裏口入学に応じた2つの背景

では、東京医科大はなぜ「裏口入学」に応じたのか。

引き金となったのは文科省が2016年度から始めた「私立大学研究ブランディング事業」。

独自色を打ち出す研究に取り組む私立大学に補助金を出すという支援事業で、東京医科大は2016年度に落選している。

しかし、佐野容疑者に働きかけた2017年度に初めて選ばれ、約3500万円の補助金を受けている。

この制度は元文科省官僚・寺脇さんによると、補助金の使い方が自由であることが大きなメリットだという。

また、裏口入学に応じたもう一つの背景について高橋弁護士は「支援事業対象校に前年度、落ちているという事があり、今年度もということになると大学のブランディング、名誉に傷がつくんじゃないかという焦りが背景にあるのではないかと考えられます」と話した。

さらに、医学部受験予備校「Windom」代表の三輪伸之氏は「私立大の医学部は学費下げ競争が起きていて収入が減っている」という背景もあるのではと指摘した。

(「めざましテレビ」7月6日放送分より)

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