南北戦争の再燃? 揺れるアメリカの選択【木村太郎のNon Fake News#3】  

南北の思想的な違いは解消されていない

カテゴリ:話題

  • 南北戦争当時から南北の違いは変わっていない
  •  思想的な違いが解消されないまま対立がくすぶり続けていた
  • 「分裂」の構図は「南北戦争」の対立と重なって見える

南北の基本的な思想の違いは無くなってない

「我々は第二の南北戦争に向かっているのだろうか?」(ロサンゼルス・タイムズ紙電子版20日)

先に、バージニア州シャーロッツビルで南軍司令官のリー将軍の銅像を撤去することをめぐって白人至上主義者たちのグループと左翼過激派「アンチファ」などのグループが衝突した事件をきっかけに、旧南部を象徴する銅像や記念碑を撤去する動きが全米に広がり、152年前に終結したはずの南北戦争が再開したのかと思わせるような事態になっている。

南北戦争は奴隷解放をめぐって戦われたとされるが、その底流には資本主義経済が進む北部と農本主義経済の南部との基本的な思想の違いがあったと考えられている。

それは、秩序を重視する北部と自由放任を重んずる南部とも言えるが、今でも政府による統制を旨とする現在の民主党がかつての北部を地盤としているのに対して、小さい政府を主張する現在の共和党には南部での支持が根強い

くすぶっていた対立がトランプによって炎上した

大統領選挙戦でも共和党候補が南部州を、民主党候補が北部州を基本的な地盤にして中間州を取りあう形で戦われているが、昨年は共和党のトランプ候補が中間州だけでなくペンシルバニア州やミシガン州など民主党支持の北部州をも獲得し大勝利に結びつけた。

これは北部的思考のリベラルな知識人やマスコミにはとうてい許容できないことだったようで、かつて北部が南部を糾弾したようにトランプ大統領を「白人至上主義者」「人種差別的」と就任以来批判してきた。

つまり、米国では南北間の思想的な違いが解消されないまま感情的な対立がくすぶり続けていたのではないだろうか。そこにトランプ大統領という刺激的な人物が登場して、くすぶっていた火種がいっきに炎上したように思える。

シャーロッツビル事件についてトランプ大統領が「白人至上主義者グループと反対派双方に責任がある」と言ったことを共和党支持者の67%が支持、民主党支持者は10%しか同意していない(CBS放送)。

今米国では「社会の分裂」が諸悪の根源のように言われるが、その「分裂」の構図はかつての「南北戦争」の対立と重なって見えるのだ。

そうであれば、事態は単に銅像を引き倒すことの是非を論じているだけでは解決しないだろう。

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