DACA打ち切りはオバマ前大統領にも責任がある?【木村太郎のNon Fake News#6】  

不法移民の子供への永住権付与打ち切りは本当に「非人道的」?

カテゴリ:話題

  • トランプ大統領のDACA打ち切りが批判されている
  • しかしDACAはそもそも合衆国憲法に抵触しかねない
  •  事態を2012年6月以前の状態に戻しただけ

DACAは合衆国憲法に抵触しかねない

トランプ米大統領が「不法移民子弟強制送還猶予措置(DACA)」を打ち切ったことに対してオバマ前大統領は「冷酷だ」と非難し、トランプ政権が「非人道的」な措置をとっように伝えられるが、本当にそうなのだろうか

不法移民の子弟でも米国で教育を受けたり軍役に服したものには米国籍や永住権を与えるというDACAは、2012年6月当時のオバマ大統領が司法省と国土安全保障省に送った「大統領覚書」で実施されることになったが、当時からこの手続きは憲法違反だと指摘されていた。

米国の大統領が発する指令には「行政命令」と「大統領覚書」という方法があるが、「大統領覚書」法は「行政命令」と異なり官報に掲載する必要がなくまたその法的根拠を示さずともよくて、言ってみれば簡便な行政上の手続きだ。

一方、不法入国したものに国籍を与えるDACAは合衆国憲法に抵触しかねない問題なので、当然連邦議会による立法措置で実施されるべきものという解釈が支配的だ。

つまり、オバマ前大統領は簡便な手続きで議会の権限を超えるような行政措置を実施したと共和党側から非難されていたのだ。

「打ち切り」ではなく「ご破算」

DACA打ち切り反対デモ

このDACAに対する風当たりはトランプ大統領の登場を機にさらに強まり、テキサス州を始め11州の共和党系の州司法長官が連邦議会が再開される9月5日までにDACAが廃止されない場合は行政府を訴えると警告を発していた。

その期限の5日、トランプ政権のセッションズ司法長官が「オバマ前政権の決定は行政府による憲法違反の行為であり無効とする」と発表した。またこの問題は本来連邦議会で検討すべき問題だったとして、猶予期間6ヶ月を設けて不法滞在者になるかもしれない80万人の処遇などを決めるよう議会に求めたのだった。

ある意味でトランプ政権は、DACAを「打ち切った」と言うよりは、前政権の手続き上の過ちを改めるため、DACAを「ご破算」にして事態を2012年6月以前の状態に戻したということではなかったのか。

その結果、いったんは米国に定住することを許されて明るい将来を夢見た「ドリーマー(夢見るもの)」たちは、最悪の場合国外退去ということにもなりかねない。オバマ前大統領が「冷酷」と言うのも分からぬでもないが、もともと同前大統領が「果たせぬ夢」を見させたことにも責任があるのではなかろうか。

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