昼休みのくたびれたおじさん?連日の暑さにマンドリル「ケンシロウ」のポーズが話題

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  • 「くたびれたサラリーマン?」暑さに辟易したマンドリル
  • アフリカ生息でも暑さには強くない…「扇風機・エアコン・よしず 」で対策
  • このポーズをとるのは珍しいのか?飼育員に聞いてみた

連日の暑さ、それに加えて2018FIFAワールドカップ深夜のTV観戦。
昼休みに公園でぐったりとしたサラリーマンの姿をちらほら見かけるのではないだろうか。

そんな姿を動物界でも体現しているマンドリルをご存知だろうか?

茨城県日立市にある「日立市かみね動物園」の人気者、マンドリルのケンシロウくん(オス・12歳)。

6月28日、蒸し暑さに耐えかねて哀愁漂う姿を披露。
飼育員がこれを激写し、動物園の公式ツイッターアカウントに投稿すると、「まるで人間のようだ」と注目を集めた。
そのポーズがこちら!



くたびれたサラリーマン?



壁際に設置された平板の上に手をついて腰かけ、深くうなだれるケンシロウくん。
顔を覆う毛で表情はわからないが、目を閉じてぐったりとしているように見える。
丸まった背と投げ出された足が、どこか寂し気な雰囲気を醸し出している。

「絵に描いたようなうんざり感」
「暑さで疲れた東京のサラリーマン」


親近感を抱くケンシロウくんのポーズは多くの共感を呼び、5万超の“いいね”を獲得している。(7月2日現在)

マンドリルは赤い鼻とその両側に盛り上がった青い筋を持つカラフルな顔をしていて、青紫がかった赤の鮮やかなお尻を上げて悠然と歩く姿から、普段は森の王者のような風格を感じさせる。

ただ、動物園がある茨城県日立市のこの日の最高気温は30.9℃で、平均観測値の26.5℃と比べると、約4℃も高かった。(日立市役所による観測結果より)
ケンシロウくんが“うんざり”するのも納得の暑さだが、対策はとられているのか? 暑くなるといつもこのポーズをとるのか?


また、どこかの主人公のような名前も気になる…飼育員の木村加奈子さんに話を聞くことができた。

うんざり感を全身で表現するケンシロウくん

「憂鬱そうだなと思った」

ーーすごくツラそうに見えますが、体調に変化は?

現在のところ、異常はなく大丈夫です。
マンドリルは25年くらい生きるので、12歳のケンシロウは青年期の元気な年代ですが、高齢個体はこの暑さに負けてしまいます。
食欲が落ちてしまわないように、真夏を迎える前から暑さ対策をはじめています。


ーーマンドリルは暑さに弱い?

カメルーン、赤道ギニア、ガボン、コンゴといった中部アフリカに生息しているマンドリルですが、暑さに強いわけではありません。
アフリカに行ったことのある人によると、気温は日中もそこまで高いというわけではなく、夜はぐっと下がるそうです。
何より風がなく、じめっとした湿度の高い状態が苦手なようです。うなだれるケンシロウの様子を見て、憂鬱そうだなと思いました。
野生では、灼熱の太陽を避けて涼しい場所へ移動しています。
動物園の限られたスペースでも、暑さによって体調を崩さないような環境づくりをしています。

ーー対策は「水浴び」など?

水は基本的に苦手です。前任の飼育員がプール置いてみたそうなのですが、利用しなかったと聞いています。
多くの方が、ツイッター上でケンシロウを心配するコメントを寄せてくださったので、29日には暑さ対策をご紹介しました。
「サルの楽園」エリアでは、扇風機やエアコン、よしずなどを駆使しています。

マンドリルは果実や種子、昆虫、小動物などを探して1日の大半を陸上で過ごし、夜はヒョウなどの外敵から身を守るため、安全な木の上に移ります。
夜間過ごす室内にエアコンをかけ、その冷気が日中過ごす運動場にもれ出すように、外に向けて扇風機を回しています。
小さな扇風機は、天井から垂らすように設置した板に固定するなどして高さを調整するなど工夫しています。

扇風機をじっと見つめるケンシロウくん(手前)

ーーこのポーズは珍しい?

マンドリルは木の上も移動するので、運動場には本物の木の他に、止まり木となる平板を設置しています。
ケンシロウは、風の当たる壁際のこの場所へやってきて、尻ダコ(お尻の硬くなった部分)をそこに付けて座り、手足を投げ出して涼んでいます。
よく見られる光景です。


ーーカラフルな顔の理由は?

鮮やかな体色は、実はオスだけの特徴で、メスは少しくすんだ顔色をしています。
一説では、色は強さを示し、オス同士の闘いにおいて勝敗が決まる指標だといいます。きれいなほど強いです。


左:ケンシロウくん(オス) 右:リエルちゃん(メス) 

ーーケンシロウくんの性格は? あの主人公のように強い?

名付けたのは、以前暮らしていた動物園なのですが、『北斗の拳』のキャラクターの名前の両親にちなんで「ケンシロウ」となったと聞いています。

野生では1頭から数頭のオスが大きな群れを成して生活します。当園の場合は、仲良しな奥さんのリエルちゃんと、息子のシンゴくんの3頭家族で暮らしています。
ケンシロウは、気弱でデリケートな面がありましたが、昨年子供がうまれてからは逞しくなった印象です。
止まり木が1本増えただけでも敏感だったのに反応がやわらかくなり、シンゴくんが鳴くと駆けつけます。
群れのオスらしく、家族を守ろうとする姿には成長を感じます。



7月2日の日立市の最高気温は31℃。ケンシロウくんは、お気に入りの扇風機に当たってご満悦だったという。
愛する家族を守っているケンシロウくん、好物だというさつまいも煮で体力をつけて、虫歯予防の葉っぱでの歯磨きも忘れず、健康で夏を乗り切ってほしい。

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