アメリカが「イラン原油の輸入停止要求」各国の対応は?中国の“思惑”に警戒

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  • トランプ政権が、イラン原油の輸入を11月4日までに停止するよう各国に要求
  • 「長期的には日本への影響は限定的。OPECも供給緩和の方向」
  • 中国の動きに警戒。“人民元の国際化”の思惑も

アメリカ国務省の高官は26日、トランプ政権が日本など各国に対し、イランからの原油の輸入を11月4日までに完全に停止するよう求めたことを明らかにした。

トランプ大統領は5月、「アメリカはイランの核合意から離脱する」と述べ、対イラン制裁を再び発動すると表明していた。

今回、その制裁の一環として、イランとの原油の取引停止を各国に求めた形となる。

11月6日の中間選挙の前に停止を

こうした対イラン強硬姿勢の背景には、今、トランプ政権が抱えるいら立ちがあるという。

フジテレビ・風間 晋解説委員は「EU(ヨーロッパ連合)などは、トランプ大統領の合意破棄のやり方には抵抗している。EUとの貿易も中国ともいろいろ問題があり、このままでは示しがつかない。11月6日のアメリカの中間選挙までに、なんとか自分の思う通りの方向に持っていきたいという考えが表れているんじゃないかと思う」と話す。

アメリカの要請に対し、菅官房長官は「わが国としては、米国の措置が及ぼす影響について、注意深く分析をしており、日本企業に悪影響が及ばないよう、引き続き、米国を含む関係国としっかり協議をしていきたいと」と述べた。

イラン産の原油の輸入停止について、日米間で協議中としたうえで、結論を出す時期については、明言を避けた。

現在、日本が輸入する原油のうち、イラン産の原油が占める割合は5.5%。

日本がアメリカの要求を受け入れ、イランからの原油輸入をストップした場合の日本経済への影響について、日本貿易振興機構(ジェトロ)は、「原油輸入量に占める割合は5.5%で影響は軽微だが、楽観視はできない」としている。

中国の動きに警戒 “人民元の国際化”の思惑も

経営コンサルタントの森田章氏は、「一時的には供給不安ということもあり原油高に振れることがあると思うが、長期的に見れば、他の国から調達できれば影響は限定的。アメリカは他の産油国に増産を求めていく方向になる」と話す。

また、今回のアメリカの要求の背景については、「OPECもこれまでは原油の供給を減らすことで価格を上げる施策をとってきたが、22日の総会で方針転換し、供給を緩和する方向に来ている。アメリカもこの潮流の変化を織り込んで今回の各国に対する石油取り引きの停止を求めているのでないか」と指摘する。

そして、イラン制裁の強化で注目するのは中国の動きだという。

「中国外務省はすでにイランからの輸入を継続すると表明しているが、注目は、中国が輸入量を増やすかどうか。継続したり、増やす場合は、“人民元の国際化”を狙う思惑があるのではないか。
原油の取り引きはドル建て。これによってアメリカのドルは広く貿易に使われ基軸通貨として支えられてきたという側面がある。中国がイランとの取り引きを大幅に増やして、見返りに人民元で決済するよう求めていくとドルの地位が低下し、人民元の地位が相対的に上がり国際化につながる」と指摘する。

(「プライムニュース α」6月27日放送分)

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