歯磨き粉が海のゴミに? 『海洋プラスチック憲章』に日本がサインしなかったワケ

  • 『海洋プラスチック憲章』にサインをしなかった日本
  • 生活の必需品となったプラスチックを減らす難しさ
  • 「元来、海のゴミというのは街のゴミ」

海のゴミに日本はどう対応するか?

6月23日と24日の2日間に渡って行われた、日中韓3カ国環境相会合。
ここでは、プラスチックなどの海洋ゴミ問題の解決に向け、日中韓の3カ国がリーダーシップをとって連携して取り組むことで合意した。
これを受け、菅官房長官は来年のG20においても世界をリードできるよう取り組んでいきたいと、述べている。

一方で、先般行われたG7では、使用するプラスチック製品の具体的な削減量を盛り込んだ『海洋プラスチック憲章』にサインをしなかった日本。

その意図と現状とはどんなものなのだろうか?

海に散らばるプラスチックなどの海洋ゴミ問題について、ジャーナリストの有本香さんに聞いた。

(聞き手:ニッポン放送『飯田浩司のOK!Cozy up!』飯田浩司)

生活の必需品となっているプラスチック

飯田:
細かくなってしまったプラスチックが、海の中のゴミの大半を占める。
これが生態系に影響を及ぼすという問題ですね。

有本:
6月に行われたG7で、2030年までに全てのプラスチックを再利用できる素材にする、あるいは回収していくというようなことを目指そうという『海洋プラスチック憲章』が承認されたのですが、日本とアメリカはサインをしませんでした。
だから「日本は消極的だ」なんて言われていますが、実際に実行に移すのは現実的に難しいところがあります。

飯田:
ビニール袋とかプラスチックとかは、生活の必需品になっていますからね。

有本:
日本の場合は特に、過剰包装的なことも含めて、プラスチックの使用量が多いんじゃないかと言われています。
しかしそのプラスチックを、日本国内で全て生産しているのだったら減らすこともできるのですが、そうではなく海外でも生産しているという問題があります。
また、再利用が可能なものにしていくということになれば、製品のコストはみんな高くなりますよね。それに耐え得るかというところが課題になってきます。
産業界との調整ができていないという問題もありますが、市場としてもこれはどうなってしまうのか悩むところではありますよね。

飯田:
その辺りが理由で日本はとりあえずサインしなかったと。

街のゴミが海のゴミになる

有本:
ただこの海洋ゴミに関しては、ずっと言われてきていましたよね。
日本でも漂着のゴミなどが問題になりました。近隣諸国との共通課題として、相手方に対して要望していくことも必要です。

先日別の番組でゲストに来て下さった方が、ビーチクリーンの話をしてくれました。プラスチックゴミに限らないんですけどね。
そのときに、非常にいいことをおっしゃっていたのが、「元来、海のゴミというのは海のゴミなんじゃなくて街のゴミなんだ」ということです。

飯田:
確かに海がゴミを生み出すわけじゃないですもんね。

有本:
ゴミは街から出るわけです。ですから街で啓発をしないとダメな部分もあると。
対岸とか外国から流れ着いて来るのもあるけれど、そうではなくて、大部分をしめるのは街のゴミなんです。
だからこういう部分の啓発も、より一層やっていかなければいけないという話を聞いて、納得しましたね。
いろいろな角度から考えて行かなければいけないです。

あと以前聞いた話で、特定の製品に悪影響してはいけないのであまりハッキリ言えないんですが、プラスチックの粒が入っている製品や、歯磨き粉や、洗顔料などは、どうしても洗い流す時に細かいので、海に流れて出て行ってしまって、魚の体内に入りやすいだとかいろいろなことを言っていましたね。
だから企業が作る製品のなかにも、我々が使うには便利で良いものが、海のゴミになってしまうという問題もあるでしょう。

飯田:
そのへんをどう考えるかですね。


日本は海に囲まれた国家で、ここに住む私たちは海の恵みをふんだんに受け取っている。
だからこそ私たち一人一人が考えなくてはいけない問題ではないだろうか。

(FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』6月26日放送分 )
http://www.1242.com/lf/articles/program/cozy/


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