返還50周年を迎えた『東洋のガラパゴス』 小笠原諸島が抱えるさまざまな問題

カテゴリ:国内

  • アメリカの統治から返還され、50年がたった小笠原諸島
  • 船便は6日に1便しかなく、空路の新設が望まれている
  • 中国が小笠原諸島に与えた恐怖とは?

「東洋のガラパゴス」が返還されてから50年

小笠原諸島・父島のココペ海岸

硫黄島や沖ノ鳥島など、日本の南海に散在する大小30あまりの島々から成り立つ小笠原諸島。

「東洋のガラパゴス」とも呼ばれるほど自然に溢れる小笠原諸島は、世界自然遺産にも登録され、本土から1000km以上離れているが、2500人以上の住民が住んでいる。

イルカと泳いだり、ホエールウォッチングができる日本の中の南国で、旅行で訪れたことがある方もいるのではないだろうか。

しかし、この小笠原諸島は沖縄と同様に、戦後アメリカの統治下に置かれていた島々だ。


1968年6月26日に日本に変換されてから50年、本日30日、小笠原諸島では『返還50周年記念式典・記念パレード』が行われている。

返還50周年という節目を迎えた今、小笠原諸島の特殊な環境と抱える問題について、ジャーナリストの有本香さんに聞く。

(聞き手:ニッポン放送『飯田浩司のOK!Cozy up!』飯田浩司)

小笠原諸島に空路はできるか

小笠原のザトウクジラ

小笠原諸島で、返還50周年の節目に期待されているのが航空路だ。
東京都の小池都知事は6月の会見の中で、実現可能な航空路案が取りまとめられるように、勢力的に検討を進めていくと話した。


飯田:
6月30日、今週の土曜日に、小笠原諸島父島で式典が開かれるということです。
今は小笠原に行くには、基本的に船便しかないですよね?

有本:
6日に1便です。しかもほぼ丸1日船に乗ることになります。
今回話題となっている航空路の話は、石原都政の頃から検討されてきています。
生活の面で、病気など緊急時には自衛隊に搬送を依頼しているということですが、やはり大変でしょう。

飯田:
そうですよね。
取材をしたことがありますが、1度硫黄島まで行って、硫黄島にある長い滑走路を使って、今度はジェット機に乗り換えてという感じですよね。

有本:
この返還50周年を迎える節目の年に、海上保安庁の巡視船が小笠原にも配備されるというニュースもありました。
なぜ配備の計画が出たかというと、4年前に中国の漁船が多い時で200隻近く来て、サンゴを密漁するということがありました。
この時、小笠原村の森下村長が東京都に陳情に来られました。
当時は舛添知事だったのですが、舛添さんの外遊中にぶつかってしまった。
それでも国会議員も含めて、いろいろな人に陳情しているところを取材させていただいたことがあります。

迫りくる中国漁船の恐怖

小笠原諸島・南島の扇池

有本:
その時は2500人くらいの人口だということでしたが、小笠原諸島はこういう場所だというにも関わらず人口が減っていないのですよ。
終戦の頃から比べるともちろん3分の1くらいにはなっていますが、近年、少子化で過疎化していくほかの地域とはちょっと違うんですね。
子供もそれなりに生まれています。

というのも、ここでは子育てできるくらいのお金が稼げるのですね。
なぜかというと、持続可能性の高い漁業、それと観光という合わせ技で、それなりの所得が得られるのですね。

小笠原の海

有本:
そこに200隻の中国漁船が来た。
しかも目視できる10キロ圏内です。煌々と夜でも電気を点けて。
小笠原では漁業環境を守るために、集魚灯を点けるということ自体もやっていないわけです。
ところがそれをやられてしまい、サンゴを根こそぎ持って行かれるということが起きた。

これは、環境を壊されるということだけでなく、大きな恐怖があったんですね。
200隻の船が沖合にいるということになれば、1隻に10人ずつ乗っていれば2000人くらいになりますよね。
島の人口と同じくらいの人間が武装して上がってくれば、簡単に島なんて制圧されてしまう。
このあたり、いろいろな意味で小笠原自体をどう守っていくかということが、今まさに問われていると思います。

さらに、生活環境として空路が欲しいという住民の要望にどう対処するか。
空路で採算はとれないだろうと思います。しかし、インフラとして必要なものだからという位置づけで財政面を補てんしつつ、環境を壊さない形での航空整備ができるかですね。

飯田:
離島ということになると補助金も出ますしね。

返還50周年を迎えた今だからこそ、小笠原諸島が抱える問題について、しっかりと向き合わなければならないのではないか。

(FM93AM1242ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』6月26日放送分 )
http://www.1242.com/lf/articles/program/cozy/

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