これはリンゴ?それともバナナ?CNNのコマーシャルが話題【木村太郎のNon Fake News#13】

保守派は総攻撃。

カテゴリ:話題

  •  CNNが「アメリカ・ファースト」をもじって「事実ファースト」の新CM
  • 保守派は、「CNNはリンゴをバナナだと言ったことが10回はある」と攻撃 
  • 「事実」と言わず、「民主党支持、トランプ政権反対」を標榜した方が分かり易いのでは

画面には、よく熟れた真っ赤なリンゴが、白い背景の中にポツンと置かれている。やがて男性の声でナレーションが始まる。

「これはリンゴです」
「これをバナナだと言う人もいるかもしれません」
「彼らは、バナナ、バナナ、バナナと大声で何回も、何回も、何回も叫ぶかもしれません」
「彼らは、BANANAと大文字で強調して書いて見せるかもしれません」
「貴方は、ひょっとするとこれはバナナかもしれないと信ずるようになるかもしれません」
「しかしそうではないのです」
「これはリンゴです」

ここでナレーションは終わり、画面は「ファクツ(事実)ファースト(第一)」という文字に代わり、CNNのロゴが現れる。

「アメリカ・ファースト」をもじって「事実ファースト」

23日から放送が始まったCNNのCMで、ユーチューブでも見ることができる。

トランプ米大統領から「フェイク(偽)ニュース」と再三批判されているCNN放送だが、ここへきて「事実」を伝えているというキャンペーンを開始したのだ。
しかしキャンペーンのテーマが、トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」をもじって「事実ファースト」というのはやはり刺激的だ。

保守派は総攻撃

CNNは大統領戦選中は、ヒラリー候補をあからさまに支持する報道をして「クリントン・ニュース・ネットワーク」と比喩され、最近はトランプ大統領に最も批判的なメディアとして保守派から「コラプト(不正な)ニュース・ネットワーク」と頭韻を踏んで批判されてきている。

今回のCMも公開されるや保守派の総攻撃にあっている。
保守派のウェブサイト「ザ・フェデラリスト」には「CNNはリンゴをバナナだと言ったことが10回はある」というハルサニール編集長の論説記事が掲載された。

コミー連邦捜査局(FBI)前長官

同編集長があげたCNNの「バナナ報道」の多くは、私にも記憶がある。
例えば、今年6月コミー連邦捜査局(FBI)前長官が議会で証言する直前に、解説者が関係筋を引用して、「前長官はトランプ大統領がロシア疑惑の捜査対象になっていないと大統領に言ったことはない」と証言すると断言して番組が盛り上がったのに、直後の議会中継で前長官は「確かにそう大統領に言った」と証言して白けたことは忘れない。

「民主党支持、トランプ政権反対」を標榜した方が…

米国では「放送は公平、公正に」という規定が連邦通信委員会(FCC)の規則から削除されて久しい。それならば、CNNは「事実」などと言わず、むしろ「民主党支持、トランプ政権反対」という立場を公に標榜した方が分かり易いし、「フェイク・ニュース」などと言われないですむのではないか。

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