【W杯】決勝トーナメントは赤! 日本は"ハイテクボール"と友達になれるか?

  • 2018W杯公式試合球の性能は格段にアップ
  • 正確なパスとシュート助ける構造
  • 日本の追い風になるか?技術の結晶ハイテクボール

白熱のW杯 ボールも進化中

選手から最高のパフォーマンスを引き出すため重要な「道具」。白熱するFIFAワールドカップでも、各国のユニフォームデザインやスパイクのブランドにも注目している人はいるだろう。
選手がそれぞれ自分に合った道具を選ぶ中、逆に選手が合わせなくてはいけないものが公式試合球

1970年のW杯メキシコ大会以降、サッカーW杯の公式試合球はアディダスが手掛けている。
今年の公式試合球「テルスター18」がこれだ。

アディダスの初代・公式試合球「テルスター」から13代目になる「テルスター18」。
初代のテルスターは"Star Of Television"をコンセプトに、モノクロ放送でもボールが目立つよう、それまで茶色のものが多かったボールを白黒カラーに。
最新作のテルスター18は初代の名前を継ぎ、カラーも白黒に原点回帰しつつも、正方形をちりばめたドット画のような柄でデジタル感を演出している。

大会のたびに話題になる公式試合球。今大会のこのボールはどう進化しているのか、どう使いこなせばいいのか?アディダス フットボールの担当者にお話を伺った。

バランスに優れたボール

――「テルスター18」の特色、持ち味は?

サーマルボンディング製法を採用しています。熱接合技術により縫い目のない表皮構造を可能にし、どこを蹴っても同一の反発力が生じ、その結果、正確なパスやシュートを実現することが可能になっています。


「サーマルボンディング」とは、熱接合のこと。糸で生地を縫い合わせるのではなく熱を加えて接着することで縫い目がなくなり、蹴った場所で反発力が変わらないボールができるのだ。
この熱接合技術は、2006年ドイツ大会のボールから導入されているという。

――以前のボールから進化したポイントは?

2014年のブラジル大会で使用された公式球「BRAZUKA(ブラズーカ)」の6枚均一パネルを継承し、「テルスター18」では新たなパネル形状「アーバンパネルシェイプ」を採用することで、高いボールバランス、飛行安全性を両立しています。


2014年のブラジル大会で使用された、オレンジ・青・緑のデザインが鮮やかなボールを覚えている人も多いだろう。6枚の同じ形のパネルを組み立てる構造はこのボールから引き継いでいる。
テルスター18は前大会から"6枚パネル構造"を引き継いだうえで、パネル1枚1枚の形を改良することで、ボールのバランスと飛行安定性を高めることに成功したという。

――どういった点を重視して改良している?

選手が思い通り蹴りたいところに蹴れるボールに近付けていくことです。
同じ状態で同じ力で蹴れば同じようにボールが飛んでいくことが理想です。

25日のセネガル戦で乾貴士選手が魅せた、斜め45度からの大胆なシュートは記憶に新しいが、もしかしたら狙った場所を正確に撃ち抜く、テルスター18の持ち味が生かされたシュートだったかもしれない。

そしてこのテルスター18、とても“デジタル”なボールでもあるのだ。
NFC(Near Field Communication ニアー・フィールド・コミュニケーション=近距離無線通信)タグがボールに埋め込まれており、専用アプリをダウンロードしたスマートフォンやタブレットを近付けると情報が読み取れるようになっている。

現在、ボール側から受け取れるのは製品情報やキャンペーン情報だが、これから様々な機能の拡大が期待される。

決勝トーナメントは赤いボール

ちなみに、決勝トーナメントから使用されるのは、白黒カラーのテルスター18の色違いの「テルスター・ミチター」。
「ミチター(Mechta)」とは、ロシア語で「夢」や「野望」などの意味だ。

ポーランド戦は敗れたものの、フェアプレーポイントの差でセネガルを上回り決勝トーナメント進出を決めた西野ジャパン。
ボールの特徴をつかんだ速いパス回しや狙い通りのFKで、「夢」のベスト8をつかみとってほしい。

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