1日8500人が訪れるセネガルの魚市場は日本政府が作ったものだった 

カテゴリ:話題

  • セネガルにはおもてなしという意味の”テランガ”という言葉が根付いている
  • 漁師のお宅に招かれて”チェブジェン”をご馳走に
  • タコ漁が盛んなセネガルの魚市場でタコは販売されていなかった

日本からはるか1万5千キロ西アフリカにある国セネガル。
ワールドカップで対戦するまで、あまりなじみのなかったこの国を取材した。

セネガル国民に根付く”おもてなしの心”

この国には、国民の心に根付いた「テランガ」という言葉がある。
地元の言葉、ウォロフ語で「おもてなし」という意味だ。

外国人にも優しく、その証拠に漁村を歩いていると、早速ジョンヌさんという漁師の自宅に招かれた。

6家族が暮らす家

ジョンヌさん宅を訪れると、なんと6つの家族が一緒に暮らしていた。洗濯や食事の準備などを協力して行っているという。
ウミちゃん(7)は算数のお勉強中だ。

7歳のウミちゃん 算数のお勉強中

取材当時はラマダン中だったことから、夜になると6家族揃っての食事。
ただ、男性と女性は別々に食べるのだ。

この日は「チェブジェン」という、魚と米を煮た料理。テランガ精神に溢れたセネガル人、日本人の私にもご馳走してくれた。

この料理、唐辛子のピリ辛さがあるものの、日本の炊き込みご飯に似ていてとても美味しい。日本人好みの味と言っても、過言ではないだろう。

魚と米を煮たチェブジェンという料理をご馳走してくれた

カラフルな漁船で賑わう漁港

カラフルな漁船で賑わう漁港

大西洋に面するこの国は漁業が盛んだ。
漁港に行くとカラフルな漁船が目立ち、漁師たちで賑わっている。
ジョンヌさんの船も、もちろんあった。早速、乗せてもらった。

港を出て15分、沖では既に他の船も漁をしている。一体何を獲っているのか見せてもらうと、そこには重さ5kgはありそうなタコがあった。
漁師たちは皆、タコを狙っていたのだ。

1匹1000円で売れたタコ

一方、ビーチには一般客含め多くの仲買人が詰めかけ、例のタコは1匹およそ1000円で売れた。
魚を積んだトラックを追いかけていくと、セネガルで一番大きな市場に到着した。1日の利用者は約8500人もいるという。


日本政府が作ったセネガルで一番大きな魚市場

日本政府が1992年に建築した市場 ”JAPON"の文字が

驚いたことに、この市場で日本の国旗を見つけた。日本政府がセネガル政府の要請を受け、1992年に19億円をかけて建築したものだという。
市場の人も、日本が建築したことは知っていて、「清潔で働きやすい」と口を揃える。

ところで、市場には数十種類の魚が並んでいるものの、タコは販売されていない。
不思議に思った私は、市場長に話を聞いてみた。
すると「セネガル人はタコを食べない。私が漁業大臣として日本にPRに行ったときに初めて食べたよ」という意外な答えが。

数十種類の魚はならべどタコは見当たらず

実は、セネガルで獲れるタコは、日本などへの輸出用だったのだ。
セネガルでは、隣国モーリタニアに習い、タコの輸出をビジネスチャンスと捉えはじめているという。
日本のスーパーでも、セネガル産のタコが見つかるかもしれない!

日本人ラッパーも活躍

セネガルで活躍する日本人に、今回のW杯で対戦した日本VSセネガルの非公式テーマソング、その名も「Omotenashi&Teranga」という曲を作った日本人ラッパー、山田一雅さん(アーティスト名:セネガル山田 feat.晋平太, Mr Nùr)がいる。
この日はスタジオで収録作業ということで同行させてもらった。
実はこの曲がセネガル人の間で人気となり、山田さんは何度も地元テレビに出演しているのだ。

日本人ラッパー セネガル山田 feat.晋平太, Mr Nùrさん

作曲の理由を尋ねると、この曲を聴いた日本人に「セネガルってどんな国?という興味を持ってほしい」という答えが返ってきた。「誤解されがちだが、セネガルは治安が良く、人々は本当に優しいということを知って欲しい」とのことだった。

「アフリカの貧困問題改善が、将来の夢」と、山田さんは熱く語ってくれた。

ワールドカップで俄然注目を集めたセネガル、この国は日本と同じおもてなし精神であふれる温かい国だった。

(取材:FNNロンドン支局 小堀孝政カメラマン)

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