高円宮妃久子さまW杯日本戦を観戦 102年ぶり皇族のロシア訪問に込められた思い

カテゴリ:国内

  • 高円宮妃久子さまがロシアを訪問 日本対コロンビア戦、セネガル戦を観戦
  • 久子さまは2002年の日韓ワールドカップの開幕戦も韓国で観戦
  • 大正天皇の命を受けて帝政ロシアを訪問した閑院宮載仁親王以来、102年ぶりの皇族のロシア訪問

102年ぶりの皇族のロシア訪問

高円宮妃久子さまが26日、訪問先のロシアから帰国された。
今回は、FIFAワールドカップの日本対コロンビア戦、セネガル戦などを観戦するためのご訪問でした。久子さまは日本サッカー協会の名誉総裁を務められています。
このロシア訪問、実は、皇族がロシアの地を訪れるのは102年ぶりという歴史的なものでした。

102年前の大正5年(1916年)、閑院宮載仁(かんいんのみや・ことひと)親王は、大正天皇の命を受け、シベリア鉄道などを使いモスクワなどを訪問しています。帝政ロシアの時代で、ロシア革命(1917年)直前でした。
それ以降は、皇族がロシアの地へと足を踏み入れることはありませんでした。

6月18日 成田空港

6月18日、高円宮妃久子さまは、「応援してくださいね」と笑顔で記者たちに語り掛け、機上の人となられました。

翌19日にはサランスクで日本対コロンビアの試合をご観戦。みなさんご存知のように日本が勝利した試合を拍手で称えられていました。

2002年、韓国でも日本戦を観戦

久子さまは、これまでもワールドカップの日本戦は現地まで足を運び応援をされています。
平成14年(2002年)日韓共催のワールドカップでは、亡くなられた高円宮さまと共に韓国を訪問し、開幕戦をご覧になっています。皇族による韓国への公式訪問は初めてのことでした。

実は、その2年前、日本サッカー協会は、ソウルで行われる日韓親善試合へのご夫妻でのご出席を願い出たということですが、色々な影響が出る恐れがあり、実現しませんでした。
ご夫妻、特に高円宮さまは、韓国訪問の意欲を持たれていたようで、平成10年(1998年)のワールドカップ・フランス大会では、現地で日本戦のほか、韓国の試合もご覧になられています。

このように、以前から、高円宮ご夫妻は、ワールドカップの場で国際交流を積み重ねてこられたのです。

21日 ロシア・カザン

「日本人がロシアを知る、いい機会」

今回のご訪問では、試合観戦のほかに、美術館や大聖堂などへも足を延ばされています。

20日、コロンビア戦が行われたサランクスでは、大聖堂の視察後、外国メディアの取材を受けられ、英語で次のように述べられています。

「皇族として102年ぶりに私がロシアを訪問できたことは光栄に思います。日本に帰国したらロシアでの見聞を多くの人たちに伝えていきたいと思います」
また、「日本の人たちにとってロシアを知る、いい機会ですので、今後ともこのような友好関係が発展していけば素晴らしいと思います」

そして、もちろん、コロンビア人サポーターが大勢駆けつけるアウェーのような状況で日本代表が勝利を収めたことを称えられました。

日本代表キャンプ地も訪問

21日 ロシア・カザン

セネガル戦を前に、久子さまは日本代表のキャンプ地カザンも訪問されています。
西野監督へは、自ら手を伸ばされ握手。キャプテン長谷部選手や香川選手とも笑顔で握手をされていました。
そして、練習が始まると、久子さまはその様子をご自分のカメラで、パチリ!
いつの日かその写真を拝見する機会があると思われます。

21日 ロシア・カザン

セネガル戦の当日には、日露弓道交流演武会を視察されています。
久子さまは国際弓道連盟の名誉総裁も務められているのです。
体育館の中で行われた珍しいデモンストレーションに、ロシアの人たちも興味深げに観覧していました。

24日 ロシア・エカテリンブルグ

そして、引き分けとなったセネガル戦もご覧に。
日本代表が点を決めると、客席から大きな拍手を送られていました。

草の根交流への道

ロシアと日本は、戦後の領土問題をはじめとする戦後処理を行い、戦争終結を意味する平和条約は結ばれていません。
そのため、そうした国を久子さまが訪問されることに違和感を感じた方もいたようですが、今回のご訪問は、草の根交流へとつながり、将来は大きな花を咲かせる種となるものではないでしょうか。

2002年、高円宮ご夫妻のご訪問を機に、「高円宮記念日韓交流基金」が誕生し、今でも、日韓草の根交流に尽力した人たちを顕彰しています。
同じように、今回のご訪問は両国の未来にむけた一歩となるでしょう。

ワールドカップという場で、ロシアだけでなく各国とも交流を深められた久子さま。
皇族として102年ぶりの訪問を終え、25日、帰国の途に就かれました。

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