“おっさん”に勇気を与えた! 西野朗監督の“ベテラン操縦”術

カテゴリ:暮らし

  • “おっさん”JAPANと揶揄された日本代表は大金星
  • 西野監督のある能力が日本代表の雰囲気を変えた
  • 西野流マネジメントで“おっさん”の底力が見られるか

始まる前は散々な評価だった西野JAPANの平均年齢は、過去最高の28.3歳。

香川、岡崎、本田のBIG3も入り、年功序列JAPAN、忖度JAPAN、おっさんJAPANと揶揄されたが、ふたを開けてみればコロンビアから大金星。

西野監督は一体チームをどう再生させたのか?
ベテランの操縦術を分析すれば、世の“おっさん”たちもまたまだ活躍できる!?

『言語能力』が重要

佐々木恭子アナウンサー:
赤い色の選手が30代、青色の選手が20代ということですが、今回の日本代表は平均年齢が過去最高でした。
“おっさん”ジャパンという名前、今となってはごめんなさいという名前ですけど、西野さんの采配は、何が良かったんでしょうか。

永島昭浩(サッカー解説者):
短期間で雰囲気を作らないといけない。
最終メンバー23人を選んだ後に西野監督は選手に「君たちは競争相手じゃない、共存なんだと一緒になって戦わないといけない」という言葉をかけたんです。
言葉の重要性、言語能力、これが重要ですね。
それに“おっさん”は、これ最後の大会かもしれないと思ったら、頑張るじゃないですか!

パトリック・ハーラン:
おっさんならではのモチベーションですね。

永島:
お前らナメるんじゃないぞ、おっさんの力を、というところはあるんじゃないかと思いますね(笑)。

佐々木:
力入ってますね(笑)
青島さんは、おっさんジャパンの頑張り、どう考えますか?

青島健太(スポーツキャスター):
メンバーが発表された夜にですね、メディアもサポーターも“おっさん”ジャパンと言っているときに、長友君が「年齢で物事判断する人はサッカー知らない人」とツイッターでつぶやいて、かなり炎上気味になったんですね。



しかしこれがメンバー23人の反骨心、見返してやるぞという思いが、みんなで盛り上がってチームが一丸となるきっかけとなったんじゃないかと思っています。
長友選手はそのあと、頭を金髪にしてアニメのヒーローのようにしましたが、よし、みんなでこの声を見返すんだという象徴のようになった。
彼自身は炎上隊長と自分ことを言ってそういった批判の声を引き受けた。

また西野監督は23人のメンバーを発表するときに、DFとかMFとかポジションがありますが、サッカー協会がポジションを発表に入れちゃったんですよ。
しかし、西野さんはポジションはなしで発表したいと言ってたんですね。
今までの実績、どこのポジションで活躍している、そういうこれまでの経歴をフラットにしたところから進めていきました。
今までのことにこだわらずに行こうというスタンスも、うまくいった理由の一つかもしれませんね。

古谷経衡(文筆家):
僕は5日前に知ったんですよ、ワールドカップやってるって(笑)。
僕は長谷部選手や川島選手と同じ世代ですけど、おっさんではないですよね?
サッカー的には高齢なのかもしれないけど青年ジャパンと呼ぶべきじゃないかな、おっさんではないですよ。

西野監督は友好的なマネジメント

奥寺健アナウンサー:
ここで西野監督の采配を掘り下げたいと思います。
青島さんの慣習で指導者を4つのタイプに、野球で例えて分けてみました。

感覚型は長嶋茂雄さん、主導型は星野さん、分析型は野村さん、友好型は栗山さんです。前監督のハリルホジッチさんや西野監督はどこに当てはまるでしょうか?


青島:
ハリルホジッチさんはやはり星野さんのような強いリーダーシップ、主導型。
ミーティングを選手だけで開くのは禁止だとか、お昼寝をするとか、食事の時間みんなでするとか全体を束ねて、規律を大切にする。

一方で西野さんは、友好的なマネジメントが目立っているんじゃないかと思います。
グランド上でいろんな選手と話し合っている場面もありますし、対話の中に和むような話題を入れ込んだりしています。

コロンビア戦の後には、ハリルさんの時だと無かったでしょうけど、12時間のオフタイム、自由時間を設けたり、コミュニケーションや選手間の対話を大切にしているチーム運営ですね。

佐々木:
こうしなさいという細かい生活習慣の指導があるよりは、自主性とか信頼してもらうほうが力を発揮する?

古谷:
ちょうどそういう教育を受けた世代だと思いますよ。
20代、アラサーの人たちって。

佐々木:
青島さん、第3戦のポーランド戦が決勝トーナメントに上がっていくためのキーとなると思いますが、いかがでしょうか。

青島:
闘争心と反骨心、あえて“おっさん”を使いますけども、彼らは経験がありますので、その分反骨心というものが出てきますし、このチームの原動力にしてほしい。
攻め続ける闘争心、反骨心これで戦い抜いてもらいたいです。
それでこそ、おっさんですよ!

パトリック:
本当は青年なんですけど、我々おっさんと一緒にしていただくことで、“おっさん”の底力を見せてほしいですね。

古谷:
多分選手の中に昭和生まれの人が混ざっているから、そこに同じものを感じる人がいるのかもしれないですね。


西野ジャパンの雰囲気は良好だ。
勢いに乗る“おっさん”ジャパンは、今夜のセネガル戦でどんな戦いを見せてくれるのだろうか。


(「報道プライムサンデー」6月24日放送分)

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