サッカーでも起こる「脳震とう」は要注意!2度目の衝撃で致死率50%超!!

カテゴリ:暮らし

  •  コンタクトスポーツで頻発
  • 『セカンドインパクト症候群」の恐ろしさ
  •  特に子供や女性は注意!

「脳震とう」後に試合復帰は絶対NG!

ロシアW杯の初戦で、日本代表は見事に結果を出しましたね!
今後も激戦が続くと予想されますが、選手たちがケガをしないことも勝利のためには重要です。
日本代表の中村航輔選手は、代表選出前のJリーグの試合で負傷、「脳震とう」等と診断され、一時は大事を取って入院しました。

前回のブラジル大会の決勝戦では、ドイツの選手が相手選手と激しく衝突。「脳震とう」を起こしたと思われた後もプレーを続行してしまいました。途中交代したものの、試合後には、衝突した後の記憶があまりないと語っています。
このことは専門家から厳しく批判されました。
というのも、「脳震とう」を起こした後は、非常に慎重な対処が必要だからです。

「脳震とう」は、サッカーをはじめ、アメリカンフットボール、ラグビー、アイスホッケー、柔道など、頭部を強打しやすいコンタクトスポーツに好発します。
しかし、アマチュアスポーツを含め、一般的には、「脳震とう」の怖さが、まだまだ認知されていないと感じます。
ドイツのプロ選手同様に、小中高生が試合中に「脳震とう」を起こしても、そのまま試合・競技に戻るということも今だに少なくありません。
しかし、それは極めて危険なことです。子供や若年者ならなおさらなのです。

24時間は1人にしない

「脳震とう」は、転ぶ、激しくぶつかる等の衝撃により、脳の組織に細かい傷がつく病態で、一時的な脳機能障害を引き起こします。
“立ちくらみ”と混同されることがありますが、その重症度は全く異なります。
「脳震とう」で、以下の症状が出た場合は、直ちに受診する必要があります。

・ひどい頭痛
・記憶の消失
・嘔吐
・手足のけいれん、しびれ
・ふらつき
・ろれつが回らない

これらは、24~48時間以内に起こりやすいので、少なくとも24時間は選手を1人だけにしてはいけません。
また、テレビゲームやインターネット、携帯端末などの集中力や注意を要するような活動は、症状の悪化や回復の遅延を引き起こす可能性があるので控えるべきです。

2度目の「脳震とう」のダメージは深刻!

そして、「脳震とう」で最も怖いのは、1度目の症状が残るうちに2度目の「脳震とう」=『セカンドインパクト症候群』を起こすことです。
というのも、一度「脳震とう」を生じてから完全に回復するまでは、次の衝撃によるダメージが、非常に深刻なものになりやすいのです。

『セカンドインパクト症候群』の死亡率は50%以上にも上るのです!
生存しても、重い神経学的後遺症を残します。(急性脳腫脹がその原因とされていますが、未だに仮説の段階です)
しかも「脳震とう」を一度起こすと、2回目の「脳震とう」起こす危険性は、3~5.8倍以上とも指摘されています。
ですから、症状が残存している場合には、絶対に競技に復帰するべきではありません。
もちろん、プロ選手に限ったことではなく、むしろ子供や若年者はより注意しなければなりません。
少年のアスリートの方が「脳震とう」になりやすいのです(例えば高校生は大学生の3倍と言われています)。

2週間はスポーツを控える

『セカンドインパクト症候群』になるのは、1回目の「脳震盪とう」から30日以内(平均1~2週間)の時期とされます。
そのため、たとえ軽度であっても「脳震とう」を起こしたら、最低でも2週間は安静にし、運動などを控える必要があります。中度や重度であった場合は、2週間以上の休養が必要です。
柔道やラグビーの競技団体では、『たとえ脳震とう後に症状が残存していなくても、2〜4週間練習を禁止すること』が推奨されています。
特に子どもや若年者、女性は回復期間が長引くことが指摘されているので、スポーツに復帰する時期も遅めに設定する必要があります。

スポーツを安全に楽しむためにも、アマチュアスポーツや教育現場で、こうした「脳震とう」の怖さが広く認知されることを期待します。

(医師:小林晶子)

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