“IT都市パリ”でヨーロッパをリード! 1000社収容“フランス版”シリコンバレーへの挑戦

カテゴリ:ワールド

  • フランスにベンチャー企業推進のための施設「Station F」が誕生
  • 政府も「Start-up Nation」=「ベンチャー企業国」として本腰を入れ始めた
  • もうソムリエはいらない! AIがあなたにぴったりのワインをおススメ

鉄道車両基地の跡地を利用した「Station F」

1000社ほどの企業を収容できるStation F

IT企業の聖地とも呼ばれる、アメリカのシリコンバレーを上回る日が来るかもしれない。
そんな気持ちにさせるのが、フランス・パリで昨年オープンした、ベンチャー企業推進のための施設StationF(スタシオン・エフ)だ。

鉄道車両基地の跡地を利用した、広大でユニークな空間。
フランスの通信事業大手Free(フリー)の設立者で企業家のグザビエ・ニェル氏が、2億5000万ユーロを投資して建てたものだ。
「パリ=IT都市」というイメージが薄い中、世界の中での遅れを取り戻し、ヨーロッパをリードしようという試みだ。

かねてから「イノベーション」に力を入れたいフランス政府も、これに便乗する形でプロジェクトに参加を表明。ベンチャー企業や大企業と政府を結ぶ機関FrenchTech(フレンチ・テック)を設立した。
FrenchTechは、会社の立ち上げから発展プロセスを補助する役割を担っている。
さらに、今年1月、マクロン政権はベンチャー企業に対して100億ユーロの資金を用意した。

去年から掲げていた「Start-up Nation」=「ベンチャー企業国」がようやく形となったのだ。
StationFは1000社ほどの企業を受け入れることができ、すでに8~9割が埋まっている。
大企業のアマゾンやフェイスブックも企業家たちの支援に参加、情報交換の面から「横のつながり」を重視したコンセプトになっている。

AIがあなた好みのワインをおススメ

依頼主とAIのチャット形式で好みのワインをアドバイス

この中には、いかにもフランスらしい内容でAIに挑戦している企業がある。

「StationFに入っているのは、5~10人の社員を持つ企業がほとんどで、仕事がしやすい環境となっています」
このように語るのは、去年からStationFで起業したトマ・デラスさん。
30歳でMatcha-wine(マッチャ・ワイン)という会社を設立し、政府系金融機関(BPI France)から投資を受け、ここで事業の拡大を進めている。

Station Fで企業したトマ・デラスさん

設立メンバーが大の抹茶好きであることや、消費者の好みとワインを「Match」させることの言葉遊びから、「Matcha-wine」と名付けられた。

「Matchaは、ワイン業界における新たなデーター化テクノロジーやワインアドバイザーとして存在しています。企業を対象に行うビジネスで、AI技術をベースとしています」
Matcha-wineは、企業向けのAIワインアドバイザー。現在は、依頼主とAIのチャット形式で展開している。その時の気分や予算、食べる料理にぴったりなワインを、AIが薦めてくれるシステムだ。

まるでソムリエと対話するようにAIでワイン選びが可能に

レストランでは、ソムリエが客の要求に合わせて複数のボトルを薦め、そこから客が選ぶのが通常だ。一方で、ソムリエの助けがないスーパーマーケットやオンラインショッピングでは、商品の多さに混乱して諦める人も多かった。

そこで、まるでソムリエと対話するようにリクエストを伝え、そのリクエストにぴったりな複数のボトルをAIに紹介してもらうという画期的なシステムを、トマさんの企業が開発したわけだ。
「我々の目標は、ワインの消費者と業者の関係を近くし、複雑な商品を単純化し、望むワインまで簡単に導くことです。すなわち消費者とワインをマッチすることです。」
トマさんはまた、「MatchaのAIプログラムを利用する業者を国内で拡大するだけでなく、海外への進出も視野に入れている」と話した。

“フランス産AI”で世界に挑戦

ワインはフランスのみならず、世界中で飲まれている。AI技術によって、より多くの人が簡単にワインを選べるようにするのが目標だ。ワインやチーズなどの食品文化で名高いフランス。
今後は、「フランス産AI」で世界に挑戦する。


(取材:FNNパリ支局 カメラマン 小林善)

なんでもAIの他の記事