ばい菌やカビが気になる梅雨の季節、あなたは正しい食中毒対策をしているだろうか?
カビキラーを販売しているジョンソン株式会社が、一般家庭の食中毒リスクを検証して公表した。

食中毒を起こす食品は見た目が変わる?

まず、まな板などに食中毒菌がついていたら、そこで切った食品はどう変化するのか見た目で食中毒を防ぐことはできるのか
衛生微生物研究センター主席研究員の李新一氏監修のもとで、そんな疑問を検証する実験行われた。

出典:ジョンソン
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実験では、食中毒リスクのある黄色ブドウ球菌をつけた「包丁」・「まな板」・「タッパー」を用意。
それらを使って、火を通した鶏肉を切り分け、タッパーに入れて冷蔵庫で7日間保管した。
今どきよくありそうな「作りおき」状態なのだが、なんと鶏肉には初日から食中毒が発生するレベルの菌が付着し、7日間経過しても見た目やニオイは変化しなかった

今回の実験では、時間とともに加速度的に菌が増加するわけではなかったが、見た目やニオイに変化がなくても食中毒に気を付けなければならないことがわかった。
 

まな板など毎回除菌する人は10%以下

予防策としては、まな板や包丁などの調理器具に菌を付着させないことだが、皆さんどんな対策をとっているのだろうか?

ジョンソンは、20代~40代の働く主婦1,000名の中から、梅雨時期に「作りおき」料理をする際に、何か食中毒対策をしている人の具体的な方法を集計している。

出典:ジョンソン
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今回の調査では、「肉、魚、卵などを取り扱うときは、取り扱う前と後に必ず手指を洗う」という人は73.9%いたが、それに比べて「使用後の調理器具は洗った後、毎回アルコール除菌剤をかけて除菌する」という人は9.9%と、調理器具の除菌や殺菌をしている人はまだ圧倒的に少ない。

この調査結果についてジョンソンの担当者に聞いてみた。

ーー下4つの項目は、どんな違いがあるのか?

上位の29.4%と21.4%は、生肉・生魚を調理した後に「熱湯」か「アルコール」で除菌する人です。
赤枠をつけた9.9%と8%は、何を調理した後でも「熱湯」か「アルコール」で除菌する人です。

生の肉や魚は菌が繁殖しやすいイメージがあるので消毒する人は多いのですが、生もの以外でも包丁やまな板を使うたびに消毒する人は10%に満たないということです。


――野菜を切っても消毒する必要があるのか?

もちろん野菜にも食中毒の原因菌がついていることはあります。
そこまで気を配られている方は本当に一握りしかいません、というのが私どものメッセージなんです。
 

アルコール除菌の最も効果的な使い方は

スプレーするだけのアルコール除菌は手軽だが、どんなタイミングでまな板などにシュッと吹きかけるのがいいのだろうか?

食中毒対策でアルコール除菌をしている人の使い方を調べたところ、多かったのは下の二つ。
・「料理後、調理器具を洗った後に吹きかける(器具が乾いた状態)」…42.5%
・「料理後、調理器具を洗った後に吹きかける(器具が濡れた状態)」…28.8% (ジョンソン調べ)

しかし、次に調理するまで時間が空くと、器具に菌が付着してしまうかもしれないし、濡れた状態ではアルコールが水分で薄まる可能性があり、除菌効果が低くなる恐れがあるなど、使うタイミングによって効果に差があるという。

そこで李新一氏は、最も効果が高い使い方を「使用直前に調理器具が乾いた状態で吹き付ける」としている。
ジョンソンの公式サイトでも、アルコール除菌剤は食器にかかっても安全で、二度拭き・洗い流しも不要としている。
 

 
 

そして、除菌や殺菌の効果については、アルコール除菌と煮沸消毒のどちらも、検出不可能なレベルまで除菌できるという検証結果も公開している。

梅雨どきの食中毒対策は、調理器具にいつも以上に気をつかうことも大切なようだ。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。