銀婚式を迎えられた皇太子ご夫妻、即位への覚悟と家族への想いを綴る

カテゴリ:国内

  • これまでの25年間に点数をつけるとしたら“銀婚式に因んで銀メダル”
  • 即位に向けて「国民の幸せを願い、1つ1つの公務に取り組んでいきたい」
  • 「家族に感謝すると共に、お互いへの信頼・尊敬・尊重を大事にしていきたい」

6月9日は皇太子ご夫妻の結婚記念日で、今回が25回目、銀婚式を迎えられた。
ご夫妻は、銀婚式に当たり、宮内記者会からの質問に文書で回答を寄せられた。
この文書回答には、来年即位をする覚悟、それを支えてくれる家族への想いが綴られていた。

夫婦円満の秘訣「笑いを生活の中で忘れないこと」

まず、お二人が歩んできた日々を振り返り、うれしかったことや戸惑われたこと、そして夫婦円満のために心掛けてこられたことなどと合わせ、点数を付けるとすれば何点を差し上げたいかという質問に、皇太子さまは

「この25年間、二人で一緒に多くのことを経験し、お互いに助け合って、喜びや悲しみなどを分かち合いつつ、歩んでまいりました。また、愛子が生まれてからは、愛情を持って子どもを育て、安らぎのある温かくて明るい家庭を築くことを心掛け、三人で日々を過ごしてまいりましたが、家族の絆と、家族がいることのありがたさを実感しています」

と、ご家族の存在のありがたさを綴られた。
そして、夫婦円満の秘訣の一つに、「笑いを生活の中で忘れないこと」とされた。

また、気になる点数については「雅子は、この25年間、大変なこともある中で、色々な努力を続け、また、私と愛子をしっかりと支えてくれており、ありがたく思うとともに、心から感謝しています。
点数を付けるのは難しいですが、今回は、結婚10年の折の「努力賞」と「感謝賞」のダブル受賞に加えて、銀婚式に因んで銀メダルも贈りたいと思います」と述べられている。

実は、天皇皇后両陛下が結婚満50年、金婚式を迎えられた際の記者会見で、陛下は「私どもの生活に、いつも笑いがあったことを思い出します」と述べられている。
皇太子ご夫妻も、両陛下のご生活から「笑い」がある生活、そして「笑い」の時間が持てる生活というものが大切だとお感じになられているのだと思う。

金婚式には金メダルを

皇太子妃雅子さまは

「25年前の6月9日、多くの国民の皆様に温かい祝福をいただいて結婚の日を迎えましたことを、昨日のことのようにも、また、はるか遠い昔のようにも感じながら、懐かしく思い出しております。この25年間は、短かったようでもあり、長かったようでもあり、沢山の喜びも悲しみもありましたが、皇太子殿下には、いつも傍らで私を支えて下さいましたことに感謝の気持ちで一杯でございます。
これ迄の25年間を振り返りますと、様々な出来事が走馬燈のように頭の中を巡り、感慨深いものがございます。皇室に入りましてから間もない頃、殿下からご助言をいただきながら、初めての公務の一つ一つに臨んでおりました頃のことも懐かしく思い出します」

と振りかえられている。

そして、点数については

「天皇皇后両陛下のご成婚25周年の折に、陛下に皇后様が差し上げられた「感謝状」という言葉以上に私の気持ちに相応しい答えが見つかりませんので、このお答えに私も倣わせていただいて、皇太子殿下にも「感謝状」を差し上げてもよろしいものでしょうか…。
そして、今回、殿下からは、身に余る賞や「銀メダル」までいただけると仰って下さり、その寛大なお気持ちを大変ありがたく思いますとともに、金婚式に「金メダル」をいただけますかどうかは心許なく感じますが、これからも温かい家庭を築いていくことができますよう、私のできます限り努力していきたいと思っております」

と記されている。

更なる25年間。
その間は、天皇皇后というお立場で過ごされることになる。
この25年間に金メダルを目指すという、天皇・皇后としてのお務めにむけての想いもふくまれたお言葉に思えた。

即位に向けてのお考え

続いて、即位に向けて、どのようなお考えかという質問に答えられた皇太子さま。

「国民の幸せを願い、1つ1つの公務に取り組んでいきたい」と綴られ、さらに…
「次の時代の皇室のあり方については、両陛下も大事にされてきた皇室の長く続いた伝統を継承しながら、現行憲法で規定されている「象徴」としての天皇の役割をしっかりと果たしていくことが大切だと考えています。そして、象徴としてのあり方を求めていく中で、社会の変化に応じた形で、それに対応した務めを考え、行動していくことも重要だと思います。私は、以前「新たな公務」について、自分自身も携わってきた水の問題や、環境問題、子どもや高齢者を取り巻く状況などについて触れましたが、今後も、そうした新たな公務に対する社会の要請は出てくると思いますので、そうした公務に真摯に取り組んでまいりたいと思っています。同時に、世界各国との相互理解を深めていくことも大切であると思いますので、国際親善や文化交流の面でもお役に立てればと思います。また、今後の日本や世界の将来を担っていくことになる若い人たちとの交流も大切にしていきたいと考えています」

皇太子さまは、天皇陛下がされてきたように、「象徴」というものを突き詰めるお気持ちを示されている。
そして、今という時代の中で、「水」「環境」「立場の弱い人たち」といった問題について、今後も取り組まれる考えも示されている。
特にこうした問題は、「世界」に広がる問題でもあり、国際親善を通し取り組まれていく思いも伝えられている。

皇太子妃雅子さまは、
「日本は、この25年の間に、阪神・淡路大震災や東日本大震災を始め、度々大きな自然災害に見舞われた他、多くの社会的な変化を経験してきました。
こうした中で、両陛下が常に国民の幸せを願われながら、お心を込めて1つ1つのご公務をお務めになり、国民と苦楽をともにされてきたお姿を間近に拝見させていただいてまいりましたことを、大変ありがたいことと思っております。
両陛下がこれまで大切になさっていらっしゃいましたことを常に心に留めながら、今後とも,広く人々の幸せを祈っていきたいと思います。」

「これからの日本や世界の人々にとって何が大切になってくるのかということについて、皇太子殿下とご相談しながら考え、世の中のことに関わっていくことができればと思っております」

雅子さまも両陛下の想いを受け継ぎながら、皇太子さまと共に新たな道を進む考えを示された。

家族の根幹はお互いの信頼・尊敬・尊重

最後に、家族のことを問われたご夫妻は次のように答えられている。
 
皇太子さまは、
「皇室に限らず、家庭や家族のあり方というものは、時代時代で、その姿が変わってくるものだと思います。私自身も、両陛下の下で家庭の温かさというものを味わいながら育てていただきました。これは、親子別々で過ごされた天皇陛下と皇后陛下のお心遣いによるもので、大変ありがたいことと感謝しております。
一方で、家族の根幹をなすもの、それを私はお互いへの信頼と尊敬・尊重の気持ちだと思っています。そういった幹の部分は、いつの世も変わらないのではないかと考えます。」

「家族とは、小さくはありますが、社会を構成する一つの単位だと思います。私自身も、天皇陛下もおっしゃっているように,家族と生活をともにすることによって、幾らかでも、人々やその家族に対する理解を深めることが出来るようになったと思います。
また、これまで私自身が様々な務めを果たす中で、家族の支えと協力がとても重要な要素であったと強く感じます。これまで公私に渡り自分を支えてくれた家族に改めて感謝するとともに、私自身も雅子と愛子に対する信頼と尊敬・尊重の気持ちを大事にしていきたいと思っています」

天皇陛下は、平成25年(2013年)のお誕生日に際し、行われた記者会見で、
「天皇という立場にあることは、孤独とも思えるものですが、私は結婚により、私が大切にしたいと思うものを共に大切に思ってくれる伴侶を得ました。皇后が常に私の立場を尊重しつつ寄り添ってくれたことに安らぎを覚え、これまで天皇の役割を果たそうと努力できたことを幸せだったと思っています」と述べられている。

皇太子さまにとっても、天皇という立場になられる中で、家族という絆が大きな支えとなることをお感じになられているのだろう。同じ境遇の天皇陛下のお言葉は、皇太子さまには大きな道しるべとなっているのだろう。
そして、ご家族の支えがあって、天皇のお務めが果たされるという、そうした思いの中に、ご即位への強い気持ちも感じることができる。

皇太子妃雅子さまは、「この25年の間、殿下と愛子と過ごしてきた日々を振り返りますと、私にとりまして家族とは、日々の楽しみを分かち合うことは元より、大変なことがある時には支え合い、また、うれしいことがある時には喜びを分かち合える、かけがえのない存在であると思います。そして、このような家族に恵まれましたことを、心から幸せなことと感謝しております。」

「最近の世の中では、時代の変化に伴って、家族のあり方も多様化してきているように見受けられますが、その中にあって、それぞれの家庭が幸せであり、中でも子ども達が、それぞれ自らの可能性を信じて、幸せに成長していくことができる社会でありますようにと、いつも願っております」

家族を大切にすることで皇太子さまをお支えする、そのような雅子さまの想いが伝わってくる。 

来年5月に、天皇・皇后となられる皇太子ご夫妻。
即位に向けて、さらに即位後に向けて、ご覚悟がどんどん強くなられている。


(執筆:フジテレビ 橋本寿史 解説委員)

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