声が変われば人生が変わる!?"カリスマ"から学ぶ超人気レッスンを体験

カテゴリ:ビジネス

  • 声は表現における最大の武器!
  • 人は自分の声を聞いて自己を認識するため「自分の声が嫌い」は危険
  • 今日からできる!短時間で変わる「声」の出し方、6つのポイント

会議での発表や営業交渉などでコミュニケーションを取るとき、人は話のネタ、言葉の選び方、話し方などに気を配りがちだ。

しかしこれまで自分の「声」そのものに注目したことはあっただろうか。

今年5月、「声」に注目したビジネス書『姿勢も話し方もよくなる声のつくりかた 自然とみんなを惹きつける43のレッスン』(ダイヤモンド社)が発刊された。

著者はメディアトレーナー、ボーカルディレクターとして多くのスター育成に関わり、「カリスマをつくるカリスマ」と称される中西健太郎さん。

メディアトレーナー/ボーカルディレクターの中西健太郎さん

セミナー内で即席レッスン!短時間で変わるのか?

中西さんいわく、パワポの資料作成や話す中身を気にしがちだが、相手は声の印象から、話を聞くかどうか無意識の内に判断しているという。

「人間の無意識に働きかける情報のうち、95%は聴覚の情報を処理する小脳から得られるといわれています。音の情報がなによりも強く無意識に残るので、エンターテインメントではいかに人の無意識にアクセスするか、に重点を置きます。

相手が心から受け入れてくれる声を発して、聴覚を刺激していくことがなによりも大事なのです」(中西さん、以下同)

ではどのように、相手を惹きつける声に変えるのか。

今回、出版記念セミナー『アナウンサーが学ぶカリスマメソッド ビジネスに活かす“声のつくりかた”』に参加し、その極意を実際に体験した。

登壇者は、著者の中西さん、フジテレビアナウンサーの佐々木恭子さんと榎並大二郎さん。

二人もかつて中西さんから学び、いま、現場で活かしているという。

セミナーでは声、姿勢、緊張のコントロールという3つの観点から表現力について解説。

さらにモニター3人に即席レッスンを施し、実際にメソッドを活かすと人はどのように変わるか検証していった。

なにを隠そう、そのモニターの一人が筆者。

緊張すると声が上ずり、頭の中が真っ白になってしまうため、本当に短時間で克服できるのか…。

考えただけでも過呼吸が起きそうになった。

まずは「姿勢」から

最初のトピックは「姿勢」。

声を出す準備として、まずは自分の姿勢を正し、勢いを着こまなければいけないと、中西さんは話す。

姿勢という言葉に“勢い”の字が入るのは、“あなたの勢いが姿になって表れる”からと解釈しています。

強い、弱い、元気、落ち込んでいるなど、その人の勢い、エネルギーは姿から相手に伝わります。ビジネスでは、話す人が自ら商品となって売り込みます。

商品の機能も大事ですが、デザインが悪いものは売れません。売り込むために、デザイン、つまり人の外見や姿勢を意識して変えてみると、それだけで相手の聞く体勢が変わってくるのです。

エネルギーは自由で、温かくも包み込むようにも変えられるので、どういう風に相手にアプローチしたいのかを考え、場にあった勢いを選ぶといいでしょう」

ちょっと多めが嬉しい「声」の出し方

声は、表現における最大の武器。人は声にその人のエネルギーを感じ、聞いた声から多くの情報を無意識に読み取っています。

相手を気持ちよくしよう、感謝を伝えようとすると自然に音色が変化してくるのです」

では、どのくらいの声の大きさなら人は心を開いてくれるか。

「例えば、3万円だろうと思っていたご祝儀袋に、5万円入っていたら嬉しいですよね。同じようにエネルギーも相手に多めにあげると喜ばれます。

だけど2000万円入っていたら…?量が多すぎると相手は引いてしまうので、ちょっと多めにあげるくらい、相手の一列後ろまで届けるくらいがちょうど良く感じられます」

佐々木さんは朝の情報番組『とくダネ!』で、最初の3年間は出演者同士の掛け合いに入れず悩んでいたところ、当時のプロデューサーに「自分の声に負けてる」と指摘されたという。

それからは最初の挨拶を元気よく発することで、自分を奮い立たせて克服したと明かした。

「声はセルフイメージをつくるには大事なツール。人は自分の声を誰よりも多く聞くため、聴覚を通して自己を認識するため、自分の声が嫌いというのは危険な状態です。

セルフイメージを上げていこうとなると壮大なテーマで大変ですが、自分の声を好きな声に育てていくのはできそうですよね。心をコントロールするのは難しいので、行動をコントロールし、行動から心にアプローチしていくのです」

緊張をコントロール

表現のプロであるアナウンサーと並んでの登壇に緊張していたという中西さん。

しかし身体を動かし、「久々の緊張がちょっと楽しい」とポジティブに捉えたようだ。

「緊張をなくすことはできません。しかしコントロールすることはできます。緊張はただのエネルギーで、本当は自分の味方になるもの。

しかし、大きすぎるエネルギーを受け止める器がなければ振り回され、アガッたり、身体が震えたりしてしまいます。そんなときは、緊張のエネルギーを使う方向性を変えてあげてください。

身体が固くなったら動く、天のカーテンを開けて気持ちを落ち着けるなど、身体に必要のない緊張はリリースし、必要な緊張はステイさせてあげます。

そして器を徐々に大きくして、緊張に耐えられる度合いを増していけば、たくさんのエネルギーを使うことができます。まずハードルの低いところから緊張に慣れていき、場数を重ねていきましょう」

即席レッスン!ガチガチな緊張を克服できるか

トークの合間に行われた即席レッスン。メモをとるペンも震えていた3人だが、果たして魅力的な声を出せるのか。

セミナーでは実践向けに、どうしたら緊張を克服して「声」を出せるか教えてもらった。

1)【緊張】勢いを姿して、エネルギーを高めておく

人の感情を動かすのは大変なこと。

重いものを持つときに心の準備をするように、しっかり“大変だ”と意識して、お客様のほうにしっかり流れていくようにエネルギーを高める。

2)【緊張】どう緊張しているか知り、体を動かす

知らない人や場所に向かい合うと緊張し、悪い想像をしてしまうもの。

相手、その場をよく見て、知っている人に変えること。硬くなった身体は動かしてほぐしておくとベター。

3)【姿勢】目線を上げる

緊張すると目線が下がって、暗く見えてしまうので、顔を上げて表情を明るく見せること。

4)【姿勢】正中線を意識する

身体の真ん中に突き刺す線、正中線がまっすぐ天から伸びて、自分の身体を通して地面に刺さっていると想像して意識する。

5)【姿勢】自分自身が気持ちよくなり、前向きに

相手が声に気持ち良さを感じてもらうために、まず自分が気持ち良くなること。

天を見上げて『天のカーテン』を想像し、手で開ける動作をする。カーテンを開けたら、青い空が広がり、日光で自分がキラキラしているように想像して、手を広げる。

6)【声】フォーカスをとる/一段後ろまで届ける

脳は具体的な司令がほしいため、ただ大声を出そうとしても脳が拒否してしまう。

そのため、声を向ける対象のフォーカスを取るのが大事。声を届けたい人の後ろ側にフォーカスを設定すると、声が身体を抜けていくのでより深いところにメッセージを入れられる。

この短時間で、緊張で狭くなっていた視界がだんだんと広がっていき、最後には自然な笑顔を壇上で披露することができた。

マイクを通して、しっかりと地声の低音を出すことができたのは初めてかもしれない。

声による表現力があれば日本は鬼に金棒!

なぜ、中西さんはエンターテインメントからビジネスへと世界を広げたのか。

初となる書籍刊行の裏側について聞いた。

「実はスティーブ・ジョブズがきっかけ。音楽業界ではアップル製品をよく使うので、つくった本人が気になり、講演の様子を見ていたところ、あんなかっこいいプレゼンを日本の社長ができたらいいのに!って思ったんです」

そして、スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションの知識を中西さん自身が持っていることに気付き、広めれば日本のビジネスがもっと強くなるのではと考えたそうだ。

「日本は、精神性、製品力、独自の発想力など海外から賞賛される部分は多いはずなのに、表現力とかプレゼンテーション能力が低いばかりに、海外に負けてしまっています。それはすごく悔しい。

でも我々がもつ表現力を一般の方々に還元したら力になれるんじゃないかと。すごくワクワクするような、力強い、豊かな日本をつくる手助けをできるんじゃないかと思いました」

表現は生きていく上で必要なものであり、表現、コミュニケーションに悩んでいる人、ひとつ上のレベルに挑戦したい人に、書籍やセミナーはぴったりだと中西さんは話す。

身体の特徴だから変えられないだろうと諦めていた「声」。

上ずった声にコンプレックスを抱えていた筆者だが、このセミナーを通して、自分の声で表現することに興味を持った。

良い声よりも、もう一度聞きたくなる声を目指すことで、今の仕事をレベルアップさせる機会を手に入れられるかもしれない。

取材・文=小林有希