米朝首脳会談の成果は「10分の1」でもハリウッド風動画で“成功”アピール

カテゴリ:ワールド

  • 会談の具体的成果は「北の体制保証」だけ
  • アメリカ側は“結果の乏しさ”をPR動画でカバー?
  • 拉致問題の“ボール”は日本政府にある

今回の米朝首脳会談を前にして編集部では、アメリカ・北朝鮮それぞれの立場から優先事項を整理し、双方から5つ、計10のポイントを挙げておいた。

その結果は・・・

(FNN PRIME編集部)

さて、結果はどうか。

実現したのは10のうち1つのみだった。

北朝鮮にとって1番目の優先事項「体制保証」を北朝鮮は手にした。

双方にとって前進したと言えるのはそれのみである。
その結果、両国が対話に向けて動く事にはなった。それは確かに歴史的な成果ではある。

しかし、非核化については、アメリカ側が「完全に、常にチェック可能で、 二度と作れない」非核化を求めたのに対して、13日に北朝鮮側から示された認識は、「段階的に」つまり少しずつ、見返りを得ながら行うというもので、 北朝鮮側の主張が相当程度受け入れられた結果となったようである。
そればかりか、米韓合同軍事演習が当面中止の方向となるというオマケまで付いた。

北朝鮮が一歩半コマを進め、米側は進捗なし。
これが会談の評価と言えよう。

まるで政治ショー トランプ大統領の会見前に報道陣が見せられた動画

またトランプ大統領の会見場では、唐突に米側が作成したビデオが上映された。

結果は2通りしかない。
<過去に戻るか>それとも<未来へ進むか>。

新しい世界を今日、始められるのだ。
友情と尊敬と善意があふれる世界が。

世界中からの投資、医学の進歩、豊かな資源、技術革新、新しい発見・・・新しい扉はすぐそこにある。
歴史を変える事ができるのか?
世界はその変化を歓迎するのか?
そして、新しい歴史はいつ始まるのか?

それ問いは、今、この瞬間に、「選択」として目の前につきつけられた。
世界がその「選択」に目を見開き、耳をすまし、期待をこめて注目している。

この指導者(=金委員長)は、新しい世界に足を踏み入れ、自分の国を発展させヒーローとなる道を選ぶのか?
平和の手を握り合い、まだ見たことのない、繁栄を享受するか?
<素晴らしい人生>か?<更なる孤立>か?

どちらを選ぶか?
トランプ大統領と金委員長が歴史を作り直し、輝くために会談のテーブルについた。
いまこの瞬間、1つの「選択」を求めて。

未来は更新されるのだ。

北朝鮮のミサイルの発射画像が逆回転処理され、ミサイルが格納されていくかのように見える演出もあったが、それは、
かえって交渉結果の乏しさとビデオが求める“理想”とのギャップを際立たせる事になった。

北朝鮮がとる道は?憲法改正もあり得るか

では、北朝鮮は得をしただけなのか?

合意事項は包括的に平和への努力を唱っている。
これまでのようにミサイル発射実験などは慎む事になるだろう。
制裁もすぐには解除されない。

さらに、米国に対して直接、非核化を約束した以上、それなりのアクションを起こす必要もあるだろう。
事実、会見でトランプ大統領は、金委員長が帰国後すぐに行動を起こす事になると発言している。

大胆に推測すれば、考えられるのは憲法改正だ。
北朝鮮は2012年改正の憲法で、核保有国と明記している。
米国が敵視政策の旗をいったん振りおろした事を理由に憲法から削除する事も考えられるだろう。

実際の非核化に向けてはこれからロングランで交渉が行わる訳であり、北朝鮮がすぐに取りうる措置は多くはない。

拉致問題 解決に向けた“ボール”は日本政府にきた

さて、日本にとって最大に重要な拉致問題。
これについてトランプ大統領は日本側のメッセージを伝えてくれたようだが、共同声明文には影も形もない。

これには拉致被害者関係者から落胆の声もある。

しかし、横田めぐみさんの母、早紀江さんは今後に期待を寄せた。 
「ここまで来たという思いでいっぱい。本当に奇跡的な事が起きた。」と。

そして、付け加えた。

「あとは日本が必死でやるしかない。」と。

日本政府も「ボールは日本側に来た」との認識を示している。

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