キーワードは“感性工学” 「午後の紅茶」がより美しくリニューアル

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  • 3年ぶりに「午後の紅茶」シリーズをリニューアル
  • 味だけでなく、注目はクリスタルのようなカットが入ったボトルデザイン
  • 「感性工学」を活用し、0.1mm単位でカッティングの深さを調整

飲料メーカーのキリンビバレッジは12日、3年ぶりに「午後の紅茶」シリーズをリニューアルした。

味が進化したのはもちろんだが、注目すべきはクリスタルのような斜めのカットが入った新たなボトルデザイン。 

パッケージング技術研究所の田中いくみさんは、「お客様が感じる感性を正確にさらに緻密にボトルの形状デザインのデータと紐付けて、設計に活かしていきたいというところから開発を始めた」と話す。

人が感じることを“見える化”する「感性工学」

このデザインに用いられたのは「感性工学」という手法。
 今、モノづくりのキーワードになっている。

信州大学繊維学部の上條正義教授は、「モノは人間のために造るわけですから、人から見たときのモノづくりの仕組みを考えようというのが『感性工学』。人が感じていることを“見える化”して、それを製品開発に転換していく」と話す。

実際、午後の紅茶の新デザインは紅茶自体の透明さをいかにきれいに消費者に見せられるかにこだわり、0.1mm単位でカッティングの深さを調整したという。

この『感性工学』に基づいた製品開発は、すでに私たちの身の回りに存在している。

シャワー水や服の開発にも…

例えばシャワーの浴び心地。

上條正義教授は、「シャワーの水を粒にして皮膚に当てると、浴び心地は悪くならず、節水になるということで、実現して販売しているメーカーもある」 と話す。

このほかにも、色や使用する繊維素材などを細かく変更し、より着心地のいい服の開発にも感性工学は用いられている。

何となく感じてはいるが、明確に表現できない「感性」を商品開発に活かすための「感性工学」。 

まだ新しい研究分野だが、今後はより多くの消費者目線に立つ商品開発に活かされていくかもしれない。

『感覚的な経験価値』

松江 英夫氏

経営コンサルタントの松江 英夫氏は、「成熟している市場の中での差別化は、各社努力しているが本当に難しい」と指摘する。

商品の物理的な価値や機能面だけでは、なかなか消費者に受け入れられないという。

その上で、「最近注目されているのが、使った側が体験を通じて得た満足度『経験の価値』(customer experience)。五感に訴えて感覚的な経験の価値を上げていくのを『感覚的な経験価値』というが、味覚だけでなく、触った感覚、視覚など経験することでどう満足するのか、そこを狙ったマーケティングの流れがある」と話す。

(「プライムニュース α」6月12日放送分)

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