午後6時にパソコン強制終了。寝屋川市の職員に評判上々のワケ【残業対策】

カテゴリ:国内

  • 導入前には疑念の声があがっていた
  • 試行実験では残業が約1割減少
  • 残業の減少以外にも、職員に“変化”があった

政府が「働き方改革」を推し進める中、全国各地の自治体で残業時間を強制的に減らすための取り組みが始まっている。

大阪府寝屋川市役所は4月26日から、事前承認をせずに残業した場合、午後6時にパソコンが強制終了するシステムを導入した。正職員約1000人が対象となる。

また、愛知県大府市は6月1日から同様のシステムの実験を開始。滋賀県大津市でも9月から同様のシステムの導入が決まっている。それぞれの自治体に話を聞いた。

寝屋川市のパソコン強制終了システム

大阪府寝屋川市の職員の通常の勤務時間は午前9時から午後5時半までで、残業の事前申請をしていない場合、午後4時にパソコン画面に「残業するには承認が必要」というお知らせが表示される。

その後、このお知らせは30分ごとに表示され、午後5時50分になると、1分ごとの表示へと変わり、午後6時には強制終了される、という仕組みだ。

残業の申請はいつでも可能で、申請を上司が許可すれば、申請した時間まではパソコンが強制終了するシステムが解除されるのだという。

また、強制終了されても、作業中のデータは保存され、災害が起きたときにはシステム自体が解除される仕組みになっている。

強制的なシステム導入の背景

寝屋川市がこうした対策をとった背景には、やはり長時間労働の問題があった。
全職員、約1140人の残業時間を調べたところ、2017年12月から2018年2月までの1ヶ月平均で、80時間以上の残業が約30人、100時間以上は約10人に上った。

毎週水曜日と金曜日を「ノー残業デー」とするなど、残業を抑制しようと促していたが、なかなか残業時間が減らなかったため、「強制的なシステム」の導入を決めたという。


このシステムの導入後、職員にはどのような変化があらわれているのか?

大阪府寝屋川市人事室の担当者に聞いた。

導入前は疑念の声があがっていた

――このシステムの導入を決めたときの職員の反応は?

去年7月3日~8月31日までの約2か月、約50人を対象にこのシステムの試行実験を行ったのですが、実験前には「業務の根本的な削減にはつながらないのでは」「ただちに長時間労働の抑制にはつながらないのでは」という声が聞かれました。

こうした声がある中、試行実験が行われ、その結果、前年に比べて残業が約1割減りました。

――システムの導入後、職員の残業時間は減った?

現在、未集計ですが、残業時間の減少が見込まれます。

限られた時間で仕事を終わらせる意識が生まれた

――システムの導入で変わったことは?

職員が時間を意識するようになり、業務の効率化が進みました。
限られた時間で仕事を終わらせるという意識が芽生えたのだと思います。

――業務上の弊害は?

今のところ、とくに聞いていません。

――このシステムは今後も続けていくつもり?

続ける方向で考えています。

愛知県大府市「仕事を終えるきっかけになった」

愛知県大府市は6月1日から、職員のパソコンを午後10時から翌日午前7時までネットから遮断し、業務システムやインターネットを使えなくする実験を開始した。
約600人の職員が対象で、残業できなくすることで職員の健康管理につなげる狙いがあるという。

実験開始から1週間がたつが、職員からはどのような声があがっているのか?
大府市秘書人事課の担当者に聞いた。


――実験開始から約1週間がたちますが、職員の反応は?

業務多忙の中でも、仕事を終える一つのきっかけになった、効率的に業務を行うよう改めて意識したという反応がありました。

――ネットの遮断に例外はない?

突発的な事故、災害、選挙、やむを得ない電算処理は、一部例外としています。

――実験後は正式に導入する予定?

実証実験は8月31日までで、実証実験の結果を検証し、9月以降、本格的に運用する予定です。

滋賀県大津市「時間の意識が高まると期待」

滋賀県大津市は残業時間削減に向け、9月から、午後6時以降、市庁舎や保健所のパソコンを業務時間外に強制終了するシステムを導入する。
対象となるのは、管理職を除く、正規、臨時職員約3000人で、事前に残業を申請すれば、システムが解除されるという。

システム導入までは約3ヶ月あるが、反対する声はあがっていないのか?
大津市人事課の担当者に聞いた。


――システムの導入に反対する声はあがっている?

残業時間が月30時間を超えた職員がその日から業務内容を1時間単位で書き込む「タイムシート」など、これまでも時間外労働を減らす制度を導入してきたこともあり、反対する意見は聞いていません。
このシステムの導入により、仕事を終わらせる目標ができ、時間の意識が高まると期待しています。



話を聞いた自治体それぞれが、パソコンの強制終了による残業時間の減少の手ごたえを感じていた。
慣れてしまった仕事のスタイルを急激に変化させるには、こういったやり方も必要なのかもしれない。



変わらなきゃ!働き方改革の他の記事