1日1食 真冬のベランダに放置 5歳女児虐待死“最後の1ヶ月”

  • 東京の自宅に“軟禁状態” 水をかけたり真冬のベランダに放置
  • ご飯に味噌汁かけただけの食事…外食時は1人だけ置き去り
  • 虐待の連鎖なぜ? 問われる行政の対応の慎重さ

東京の自宅に“軟禁状態” 水をかけたり真冬のベランダに放置

「おねがいゆるして」という謝罪の言葉を書き続けた間も、虐待は続いていた。

亡くなる前の最後の1カ月、結愛ちゃんはどのような生活をしていたのだろうか?

今年3月、東京・目黒区で船戸結愛ちゃん(5)が虐待され、死亡した事件。
6月7日、母親の船戸優里容疑者(25)と義理の父親の船戸雄大容疑者(33)が、保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された。

毎朝4時に起きて、結愛ちゃんが書いていたというメモには、ひらがなで次のような言葉がつづられていた。


ママ もうパパとママにいわれなくても しっかりとじぶんから きょうよりか もっとあしたは できるようにするから

もうおねがいゆるして ゆるしてください おねがいします

優里容疑者と雄大容疑者は、2016年春に結婚。

その年に長男が生まれ、優里容疑者の連れ子である結愛ちゃんとともに、今年1月まで香川県で暮らしていた。
雄大容疑者は元勤務先で、結愛ちゃんについて、連れ子であることや「おとなしい子」だと話していたという。

2016年12月、結愛ちゃんが唇から血を流した状態で自宅前に放置されているところを発見され、香川の児童相談所が一時保護。

2017年3月にも再び外に放置され、2度目の一時保護となっていた。

この間、雄大容疑者は傷害容疑で2回書類送検されたが、いずれも不起訴処分となっていた。

そして、今年1月、家族は東京へ引っ越した。
一家の新たな家となったアパートの前で、近所の不動産業者は、ある場面に遭遇。その時の様子を語った。

「2月下旬か3月初めじゃないかな。寒い寒い、まだ寒い時期です。よく子供が言うことをきかないでぐずっているような泣き声じゃなくて、叫んでいるようなそんな感じでした。1歳(の長男)の泣き声ではない。あれはそんな小さい声じゃないから」

東京に引っ越してきてからの結愛ちゃんは、ほとんど家から出ることはなく、軟禁状態だったとみられる。
真冬にもかかわらず水のシャワーをかけられたり、裸足のまま自宅アパートのベランダに放置されたりしたこともあった

ご飯に味噌汁かけただけの食事…外食時は1人だけ置き去り

雄大容疑者は、「太っているからモデル体形にする」と言い、結愛ちゃんの食事を制限した。
1回の食事は、茶わん半分ほどのご飯に味噌汁をかけたものなどで、時には1日1食の日もあったという

そして、結愛ちゃんだけを自宅に残し、家族は外食をしていた。

船戸容疑者夫妻は、今年2月に近所の中華料理店で、ラーメンや餃子、チャーハンを注文。
1歳の長男は店に連れてきていたが、そこに結愛ちゃんの姿はなかった

店員によると、3人は本当に仲の良い家族に見えたという。結愛ちゃんについては、「友達の所に預けてるって聞きましたけど」と話した。

虐待の連鎖なぜ? 問われる行政の対応の慎重さ

家族が東京に引っ越して以降、香川での虐待情報は、東京に引き継がれた。

今年2月には、品川児童相談所が家庭訪問をしたが、優里容疑者に拒まれ、結愛ちゃんには会えなかったという。

しかし、船戸家側との関係構築を優先するため、警察には通報しなかった

「文書だけの引継ぎでは見落としもある」

香川から東京への引継ぎは適切だったのか?

「大阪二児置き去り死事件」子育てや親子問題について執筆活動を続けている杉山春氏に聞いた。

反町理キャスター:
過去2度にわたって送検されたという事実があるにもかかわらず、香川と東京の児童相談所の間の連携をどう見ますか?

杉山春:
困難を抱える家族が移動するということは、すべての環境が変わってしまうわけですから、香川の児童相談所が見ていたものよりも、東京に移動してからの方が虐待が重くなるということはあり得ます。
人間が健康であるためには、ある程度の他者とのつながりや、家庭の中に他者の目が入っていることが必要になりますが、そういったことも含めて、専門性をもってどれだけ情報のやり取りがあったのかをしっかりと見ていきたいと思います。

島田彩夏キャスター:
児童相談所はどう対応すべきだったかという話になってきますね。
昨日の番組では、「緊急性がある時は警察に連絡をするべきだ」という意見も出ましたが、どのような解決策が見えてくると思われますか?

杉山春:
起きてしまったことですから、“解決策”としては私からはなんとも言えません。
ただ、この家族が客観的にどういう危険性があったのかということをきちんと伝える方法が必要だと思います。
聞いた話ですが、ファックスや書類だけでのやり取りだったといいます。文書では見落とすこともありますし、具体的な情報をどうやって伝えるのか。
移動はこれからも多くあるでしょうから、その方法を構築していかなければならないと思います。直接会って話すということも必要になってくるでしょう

杉山春:
また、香川で何が起きて、どのような人間関係の中でどのようなケアがあったのか、それをきちんと伝えていたのかどうか。
そして、東京の児童相談所が受け取って、判断できていたのかどうかが問われています。
これからは、行政と行政の間で対象者が移動することへの対応の慎重さが求められていくと思います

(プライムニュース イブニング6月7日)

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