庄司智春さん告白「鶏ササミで痛風」はあり得るのか?

カテゴリ:暮らし

  • 高い尿酸値の放置は危険!
  • 発作の痛みは激烈! 
  • ササミは「痛風」の原因になり得るか?

低脂肪・低カロリー・高タンパク…なのに?

品川庄司の庄司智春(写真:時事通信)

イベントの発表会見で、お笑いコンビ・品川庄司のツッコミ担当、庄司智春さん(42)が痛風になったことを明かし、「鶏のササミばっかり食べてたら、それがダメだったみたいで…」と嘆きました。
鶏のササミは、低脂肪・低カロリー・高タンパクで、且つコレステロールも低いことから、ダイエットや筋肉トレーニング中に重用する人は少なくありません。
その鶏ササミが原因で「痛風」になる…ことはあり得るのでしょうか?

耐えられないほどの激烈な痛み!

「痛風」は、一度発症すると、生涯にわたって治療が必要な病気です。
大きな特徴は、発作時の激しい痛み。
体の中にたまった尿酸が結晶になることで、激しい関節炎を引き起こします。
ですから「痛風」が起きる前には、血液の尿酸値が高い状態(高尿酸血症)が長く続きます。
「尿酸値なんて気にしたこともない」という方も多いかも知れませんが、実は尿酸が高めの人は現在、1000万人以上もいます。若い人にも意外と多いのです。
「高尿酸血症」を放置すると、ある日突然、関節が赤く腫れて痛みだします。それが痛風発作です。
最初の痛風発作の7割は、足の親指の付け根に起きます。
発作は、足の甲・ひざ・足首・アキレス腱などにも起こり得ます。
その痛みは激烈です。
成人男性であっても、「男泣きに泣く」くらいの痛さ
発作は夜中から明け方に起きることが多く、痛みのピークは発症後2~3日間も延々と続くのです。

意外な「してはいけないコト」

あまりの痛みに何とかしたくなりますよね。
しかし、痛風かどうかの判断がつかない場合は、勝手に〝治療“しないよう注意しなければなりません。
痛みに耐えかね、思わず患部をもんだり、さすったり…は、痛みがより強くなる危険性があるので注意が必要です。
また、痛みを抑えようと、市販の鎮痛薬を使うのも厳禁。アスピリンなどを飲むと発作がさらにひどくなり、痛みが増すことがあります。
この他にも、入浴や飲酒など、痛風発作の時に「してはならない」禁止事項がたくさんあります。

発症後、1週間~10日程度で痛みはなくなります。
しかし、油断は禁物です。
適切な治療を受けて生活改善しないと、痛風発作を繰り返すようになります。
そして次第に、骨や関節の破壊や変形があらわれ、関節の周囲に結節(こぶ)ができ、さらには様々な合併症が起きてきます。
食生活の変化から、「痛風」の患者数は増えており、この30年で4倍に。女性の罹患も増えてきています。

「プリン体」に要注意!

重い症状もある「痛風」ですが、良いクスリも開発され、早期に正しい治療を受ければ、健康な生活が送れます。
とは言え、30代~40代の患者さんにとっては、数十年という先の長い治療が必要ということにはなります。
「痛風のリスクを高める食事」と聞いて、「プリン体」という言葉を連想する人も多いのではないでしょうか。
先述したように、「痛風」の指標となるのは、高い尿酸値です。
そして、プリン体は尿酸の原料なのです。
体内にあるプリン体のうち、食事に由来するものの比率は20%程度と必ずしも高くはありませんが、プリン体と尿酸値の関連が深いことは明確です。
実は、プリン体はあらゆる食材に含まれているため、食事から完全に取り除くことはできません。そこで、プリン体の多い食品を避けることが食生活改善のポイントになります。
プリン体が多いか少ないかは、食品100gあたりの含有量で判断します。一般的な分類と、それぞれに該当する食材は以下の通りです。(1日当りの摂取量は400mgが目安)

●極めて多い(300mg以上/100g) ;鶏レバー、マイワシ干物、イサキ白子、あんこう肝酒蒸し
●多い(200~300mg/100g) ;豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、マアジ干物、さんま干物

部位によりますが、肉類や魚介類は一般的にプリン体を多く含みます。

鶏のササミ

ササミを多量に食べると…!

では、鶏のササミはどうなんでしょうか?
鶏ササミのプリン体含有量は153mgと、肉類の中では比較的高めです。極端に多いわけではありませんが、尿酸値が高めの方は食べる量に注意したほうがいいでしょう。
ササミ1本は約60gです。
4本半摂取すると、プリン体の1日当たりの摂取目安;400mgを越えてしまいます。
毎食で鶏ささみを摂っていた場合、この量を大きく超えていても不思議ではありません。
また、ササミは脂質が少なく、腹持ちが悪いため、多めに摂取してしまいがちです。ササミばかり食べていると、ビタミンB群が不足し、糖質や脂質が代謝されない太りやすい体質に変わってしまうとの指摘もあります。
庄司智春さんに限らず、やはりバランスの取れた食事が肝要です。

(医師 小林 晶子)

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