「あの人、逮捕されたらしいよ」痴漢撲滅ポスター 批判殺到で撤去

  • 6月から掲示を始めた痴漢撲滅ポスターに、Twitter上で批判が殺到
  • 裁判で有罪確定されるまで犯罪者とはいえないが、このフレーズでは逮捕=犯罪者のよう
  • 愛知県警はこれまでにも物議を醸すポスターを作成していて、今年度の分は早くも撤去が決定

批判相次ぐ“痴漢撲滅ポスター”

「あの人、逮捕されたらしいよ」

爽やかな男性のイラストに添えられた“ショッキングな見出し。

6月から掲示しているポスター、痴漢撲滅を訴えるもので、愛知県警が作成したものだが、さらに左側には女性同士の、こんなやりとりが…

「気持ち悪、軽蔑だわ」
「性犯罪者じゃん」
「仕事もクビになるよね~、家族も悲しむだろうなあ・・・」

この表現が、逮捕された段階で既に有罪が確定したかのようだとして、物議を醸しており、Twitter上では批判ツイートが投稿されている。

「逮捕=犯罪者扱いするのは一線越えすぎじゃない?」
「誤認逮捕、冤罪がある現状からこういうポスターは偏見しか生まないな」

「逮捕=犯罪者」ではない

この表現について、あおい法律事務所の太田賢志弁護士は
「犯罪撲滅の立場から、抑止力のあるポスターを作成したいという考えは理解できるが、逮捕された人を性犯罪者と決めつけるのは“推定無罪”の原則からすると問題がある」

としている。

推定無罪の原則とは、逮捕された段階では、犯罪が立証されているわけではなく、裁判で有罪が確定されるまでは無実と考えるという、刑事裁判の大原則だ。

街頭インタビューでは賛否両論

このポスターについて、渋谷でインタビューをしてみたところ、否定的な意見が多くあがった。

ーー20代女性
「やりすぎかなと思います」
ーー30代女性
「ポスターとしてのインパクトは弱い。関西のチカン、アカンみたいな方が分かりやすい」

一方で、新橋の多くのサラリーマンは肯定的な意見を多くあげていた。

「痴漢撲滅のメッセージとはちょっと違うかなと思います」
「今、情報の時代ですから非常にいいんじゃないですかね」
「啓発するにはいいんじゃない」

愛知県警が作成したポスターは、これまでにも…

痴漢撲滅キャンペーンのポスターをめぐる賛否両論だが、実は愛知県警は2014年度から毎年、攻めたポスターを作成しており、どれもインパクトのあるイラストを使用している。

2014年度は、婦警のイラストが、ネット上では「可愛すぎる」との声。
2015年度は、構図・アングルが盗撮を助長するということで、批判の対象に。
2017年度は「痴漢発見次第、即通報系女子」というフレーズ。流行の〇〇系女子を使用しているが、下には「痴漢=即通報でワンランク上の女子に」と書かれており、この文言により冤罪が増えるのではという批判。

愛知県警は6日午後、今年度のポスターについて下記のようなコメントを発表した。

「犯罪をおこさせないという趣旨、コンセプトだった。推定無罪の原則を無視しているなどの批判を受けている中で、ポスターを使用しながらのキャンペーン目的は達成できないため、撤去の判断に至りました」

今回は法的な観点から批判が殺到しているため、500部撤去することが決定している。

(「プライムニュース イブニング」6月5日放送分より)

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