教室の冷房「30度」→「28度」以下に これで日本の教室は涼しくなる?

  • 1964年以来初めて、教室の望ましい室温を「30℃以下」から「28℃以下」に引き下げ
  • "涼しさ"は湿度によって違う 制服の影響も
  • 冷房の普及率は地域によって大きく違う 「トイレ改修」とどちらを優先するか検討中の自治体も

4日、北海道の帯広市で最高気温34℃、東京都心も29.1℃を記録し、全国800地点以上で夏日となった。今年の夏も全国的に暑くなりそうだ。

そんな中、文部科学省は、これまで「30℃以下」が望ましいとしてきた小中学校や高校、大学の教室の室温を「28℃以下」に変更した。
1964年以来初めての見直しだ。

街の人に聞いてみると、「夏は暑くてしんどかった」(20代男性)、「温暖化になったりとか、いろいろ環境がちがうので当然だと思いますよ」(60代女性)などの声が聞かれた。

「涼しさ」は温度を下げるだけで得られるか?

では、室温の上限が30℃から28℃に下がることでどれだけ快適に過ごせるようになるのか。
ダイキン工業フーハ東京の高橋聡さんは「30℃であっても、湿度によっては涼しく感じることがあるかもしれません。逆に28℃でも湿度が高ければ蒸し暑いということがあると思います」と指摘した。

では、湿度によって、どれだけ体感が変わるのか。2つの部屋を使い、実験してみた。

(1)温度27.0℃・湿度49.2%の「温度が高く、湿度が低い」部屋
(2)温度25.3℃・湿度62.3%の「温度が低く、湿度が高い」部屋

実際に2つの部屋に入ってみたところ、
(1)の湿度が低い部屋の方が、室温が高いにも関わらず、涼しく感じられる結果となった。

今回の見直しについて、教育評論家の尾木直樹さんは「制服が暑いというわけですね。経済的な負担を考えると、7割か8割ぐらいですかね、冬服のままです。暑さにやられて熱中症に近い症状で倒れる子も多いです」とも指摘している。

教室に冷房があった世代に聞くと、「冷房が効きすぎて寒かった」「体が弱くなった気がする。夏に風邪をひくようになった」などの声もが聞かれた。
一方、冷房がまだ普及していなかった年配世代からは「暑すぎて勉強ができないというなら別だが、少しくらいは耐えることを学ぶのがいいのではないか」「今の子は至れり尽くせりで、逆に生意気になっている」などの意見も聞かれた。

冷房の普及率は地域でバラバラ

室温の上限は変わったものの、そもそもすべての学校に冷房が設置されているわけではない。
全国の小中学校の冷房設置率を見てみると、設置率1位の東京都では、99.9%の学校に冷房があった。設置率97.7%で全国2位の香川県は、2010年の猛暑をきっかけに冷房を増やしたという。
一方、福井県は設置率86.5%となっているが、すぐ隣の石川県では設置率44.6%と、全国的にばらつきが見られた

反対に冷房の設置率が低い都道府県を見てみると、北海道や東北地方といった寒い地域が中心となっている。
しかし、7月の平均最高気温が33度と全国6位の暑さの奈良県でも、設置率はわずか7.4%にとどまっているという。
奈良県教育委員会に、なぜ冷房の設置が進んでいないのか聞いたところ、

(1)設置する初期費用が高い
(2)トイレ改修の要望があり、トイレと冷房のどちらを優先するか検討中

とのことだった。
男子生徒からは「冷房の設置」、女子生徒からは「トイレ改修」を優先してほしいとの声があがっているという。

(「プライムニュース イブニング」6月4日放送分より)

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