”悪質タックル問題”の根本は? 下村元文科相が語る

カテゴリ:国内

  • ”日本版NCAA”なぜ必要?
  • 「教育のためにスポーツがある」と強調
  • 金正恩氏にも言及「したたかで外交手腕ある」

下村氏「日大だけで解決できることではない」

6月3日のフジテレビ「報道プライムサンデー」は、討論ゲストとして下村博文元文部科学相を招き、日大アメフト部の選手による悪質タックル問題などについて議論を交わした。

冒頭、下村氏は「アメフト問題と日大のガバナンスの問題は別に議論する必要がある」と指摘した。

その上で「日大のアメフト問題は、ここまで極端ではないかもしれないが、今の大学の特に強豪校や伝統校の体育会系で、似たような体質のあるところも結構あるのではないか」とした上で、こういう体育会系的な、まさに日本独特の、今までは良しとされてきた伝統文化は、これからの時代は通用しない。しっかり対応していく必要がある」とコメントした。

ファシリテーターのパトリック・ハーラン氏が、日大の田中英寿理事長によって、日大全体のガバナンスが体育会系になっている可能性はないのかと問いかけたのに対して、下村氏は「中学や高校は、中体連(日本中学校体育連盟)や高体連(全国高等学校体育連盟)があるが、大学にはない。アメリカでは全米大学体育協会(NCAA)がある。個々の大学ではなく、大学全体の体育を考えた時にどう対応していくか。日大だけで解決できることではない部分もある」と述べ、スポーツ庁が年内設立を検討しているとされる、大学スポーツ振興のための横断的組織「日本版NCAA」設立の必要性を訴えた。

体育会系の体質は変える必要があるとも指摘

さらに、パトリック・ハーラン氏は「日大の田中理事長は絶対的に逆らえないような存在。内田監督もコーチから見て絶対的な存在。悪質タックルを指示されたら、選手は盲目的にその指示を守る。こういう体質が一貫しているようにも見える」と指摘した。

これに対し、下村氏は「体育会系は大学問わず、似たような問題があるところがある。体育会の人から『4年生は神様、3年生は天皇、2年生は平民、1年生は奴隷』と(聞いたことがある)。それほど特に伝統校、強豪校の体育会は、学校を問わず、そのような体質がある。これはアメフトだけの問題ではない」と述べ、日大だけの問題ではなく、日本の大学の体育会全体に潜む問題だと強調した。

また下村氏は、往年の大ヒット漫画「巨人の星」を例に挙げ、「今考えると、星飛雄馬のお父さん(星一徹)が、筋肉を鍛えさせるため、小学生の星飛雄馬に強制ギプス(=大リーグボール養成ギプス)をつけさせたことはDV(家庭内暴力)やパワハラにあたると思う。だが当時は、親子の愛情(の表れ)で美しいとされ、根性でスポーツに取り組むことが美化された」と指摘。

「大学の体育会系でも、監督・コーチからすると、パワハラでも暴力でも体罰でも命令でもなく、選手に対する愛情だと。選手を育てるためにやっているのだと。特に世界でトップになった監督やコーチだと、絶対的に自分の力、指導方法を信じている部分があり、盲目的にそれに従うことが強くなることなのだというところがあったのだと思う。今の物差しとは違う」と述べた。

下村氏は「教育のためにスポーツがある」と強調し、旧態依然とした大学体育会の体質を変える必要性を訴えた。

金正恩氏は「外交的センスある」

番組ではさらに、今月12日に開催予定の米朝首脳会談について議論が及んだ。

下村氏は、北朝鮮の金正恩委員長について「想像以上にしたたか、外交手腕があるのではないか。想像以上の外交的なセンス、才能をもっていることを認識して、日本は対応を考え、進めていく必要がある」と述べた。

そして、過去に国際社会が北朝鮮に対する経済制裁を緩めたことが、現在の状況を招いているとした上で「今回は経済制裁が厳しいからこそ、自ら(北朝鮮が)核廃棄を言い始めた。制裁を緩めたら元の木阿弥で、金正恩の掌で動く外交になりかねない」と指摘。

核・ミサイルだけでなく、拉致問題の解決の重要性にも触れ、日本政府は安易な経済制裁の解除には応じてはならないと強調した。

下村氏は、安倍首相がトランプ大統領との会談などを通じ、日本の立場を米国に明確に伝えているとして、米朝首脳会談を経て北朝鮮の核・ミサイル・拉致問題が解決へ向かうことに期待感を示した。


(「報道プライムサンデー」6月3日放送分より)


報道プライムサンデーの他の記事