面接官も見られている!無意識に出たあなたの“日常”を就活生は見逃さない

カテゴリ:ワールド

  • 『変わり映えのない面接』に気付くべき
  • 面接では面接官の素もさらけ出している
  • 面接も仕事の一つとして挑むことが大事

最近、電車の中や町中でリクルートスーツに身を包んでいる学生たちを見かける。

そして、6月1日から経団連に加盟する企業や学生との面接や内定出しができるようになるが、5月1日の時点で内定率はすでに4割を超えていると、就活情報大手ディスコが発表している。

就活の面接では、場合によって一次面接や二次面接の面接官を若手・中堅社員がお願いされることもあるかもしれない。
万全の体制を整えてきた就活生に対して、面接慣れしていない社員たちが挑むということだ。

人手不足を背景に「売り手市場」が続く中、面接官も就活生から見られていることを忘れてはいけない。

「お願いされたから…」そんな軽い気持ちで臨んでしまうと、思いがけない穴に落ちてしまうかもしれない。それはどんな穴なのだろうか。

学生たちの就職活動を後押しし、内定指導以外にも社会で活躍できる人材を育成する就活塾 キャリアアカデミーの代表取締役・後藤沙織さんに聞いた。

突飛な質問の答えに就活生の『素』がある

数年前、あなたもきっと緊張しながら就活の面接に臨んだだろう。

それぞれの企業に合わせて考えた志望動機や自己PRなどを覚えて、面接のときに披露できるように練習したり、面接のマニュアルなどの本を読み、対策を考えたりした人もいるだろう。

志望動機…自己PR、学生時代頑張ったこと…そんな誰もが思いつき、マニュアル化された質問の数々は、今も変わらず繰り返されている。

その質問が決して悪いとはいえないが、後藤さんはルーティン化していることに気づいていないことが問題だと訴える。

「就活生が暗記してきたことを披露して、面接官がそれを聞く、この体制は過去ずっと変わっていません。『変わり映えのない面接』に気づくべきです。そこに気づいた学生はエントリーシート(ES)のこと以外の一歩先のことを面接で話します。一方で、面接官も『学生時代に何をやりましたか?』『どう困難を乗り越えましたか?』といった質問から一歩超えるような質問をすると、いい人材の発見につながるかもしれません」

一歩踏み出すような、突飛な質問の例として挙げられているのが『昨日の夜は何を食べたか?』や『今日、ここに来るまでにあったこと』といったもの。

こういった質問は、就活生の作られた面ではなく、彼らの本質がその答えに現れると後藤さんは言う。

「どんな本を読んでいるのか」も聞けない面接の現状

そうはいっても、今の時代、面接官からすると、とても肩身が狭い。

厚生労働省では公正な採用選考の基本として、本籍や出生地、家族や生活環境に関する本人に責任のない事項についてや、宗教や支持政党、人生観・生活信条など本来自由であるべき事項は応募用紙等への記載や面接で尋ねることを配慮すべきだとしている。

「『どんな本を読んでいるか?』も聞いてはいけません。思想に触れることになるからです。親がどんな仕事をしているのかもNGです。手足をもがれているような面接しかできない現状があります。これでは学生たちのことが何も見えなくなってしまうという意見もあります」

面接官に慎重さが求められる一方で、踏み込まなければ就活生の本質は見えてこないというジレンマ。

「面接官が最初から土足で学生たちに踏み込むような態度をとると、企業に対しても学生たちはいい印象を持ちません。一方で、学生たちも慎重な面接官に対して、胸襟を開いていることをアピールしなければなりません。そして、面接官は『この人は大丈夫』と思ったら踏み込んでみる。いまは、そういったやり方が必要です」

面接官の「日常」が無意識に出てしまう

しかし、ある日突然、面接官を任された若手・中堅社員は面接官という立場に慣れているわけではない。

自分の発言で就活生にネガティブな印象を持たれてしまう可能性もある。

「最近の事例では、帰国子女の方がグローバル企業の面接をしたときに『日本人的じゃない』と言われたそうです。学生はネガティブな感情を企業に対して持ちました。そんな考えを持つ人がグローバル企業にいるということを面接官自らが露呈させていることになります。さらに、面接官自身がその発言が、失言だと気づいていないことも問題です。それは悲しいことですし、自分の失言に気づいていない面接官は普段から同僚や部下らに対してそういった発言や態度をしていることが想像できてしまいます」

面接官の態度や言葉一つで、それが企業のイメージの一部になり、学生たちから「この企業はやめた」と見限られてしまう可能性もある。

面接で学生たちを吟味すると面接官が認識していたら、それは大きな落とし穴だ。面接官だって学生たちから「この企業で働いている人」の一人として見ているのだ。

面接を受けに来た学生は未来の部下。

あなたが普段、部下や同僚たちに対してどう接しているのか。
働くことにやりがいを感じていないあなたは、面接の場であなた自身の「日常」が質問や態度が無意識に出てしまう。
それを感じ取った学生たちは、就職先として選ばなくなるかもしれない。

結果として、優秀な人材を逃してしまうことになったら企業にとって損失だ。
では、人事ではない社員が面接を任された場合、どういった心構えで臨めばいいのか。

後藤さんは「当たり前のことですが、先人に学ぶこと」だという。
「まずは学ぶことです。書店には面接に関する書籍がたくさんあります。人事部採用担当でなくても、面接の場で何をやるべきか見えてくると思います。1冊でもいいんです。そうすると1冊分のアドバンテージができます。
そして、任された面接という仕事に真摯に望んで、良い面接ができたら、ほかの仕事にも同じ姿勢でつなげていけばいいんです。面接もお願いされたからやっている、のではなく、仕事の一つとしてよい仕事をしてやろうという姿勢で挑むことが大切です」

面接官も企業の顔の一つだ。

あまり丸腰で面接官として学生たちの面接を行ってしまうと、面接での会話の仕方や態度によって、あなた自身を学生たちにさらけ出すことになるだろう。

もちろん学生たちは「この企業に就職したい」一心で面接をしているかもしれないが、“未来の上司”がどんな人たちでどう部下に接しているのか、面接の場で見られていることも忘れてはならない。

取材協力:
就活塾 キャリアアカデミー
https://www.c-academy.co.jp/