“タトゥーOK”温泉の理由にネット上で賛否…その施設に実状を聞いてみた

カテゴリ:国内

  • ある温泉施設が“タトゥーOK”の理由をホームページに掲載
  • シールなど使わず誰でも同じように入浴できる
  • 「今ではクレームも減りトラブルは1度もない」

「刺青があるのですが利用できますか?」

こんな質問に対して、刺青(タトゥー)がある人の利用をOKにしている温泉施設が、ホームページ上に掲載した回答が話題になっている。
答えのポイントをざっくりまとめてみた。

・昔はよくないイメージがあったが、最近はファッション刺青が若者や運動選手の間にも流行している。
・刺青を入れてもまじめに働いている人もいれば、逆の人も大勢いる。
・人を見かけで判断しないことが、新しい世代に向けて開かれた温泉の姿である。


このQ&Aを公表しているのは、千葉県成田市にある「大和の湯」という温泉施設。

Twitterでは回答に対し「タトゥー=危険って考え方自体が危険」「やっぱりタトゥーしてる人ちょっと怖い」など賛否両論が出ている。

タトゥーと「温泉」

かつての日本では、タトゥーというと反社会的勢力のイメージが強かったため、社会から排除する意味で利用を断る温泉や銭湯が多かった。
しかし最近、外国人観光客の増加に伴い、ファッションや文化的な意味などでタトゥーを入れた人々が観光地の温泉施設に続々と足を運び、たびたび物議を醸している。

出典:観光庁

観光庁が2015年に発表した資料によると、タトゥーを入れた人に入浴を断る理由で最も多いのは「風紀・衛生面」で全体の6割近い。
この結果を受け、同庁は翌2016年に入浴施設での対応の例を示す資料を公開した。

出典:観光庁

それを見てみると、外国人旅行者の入浴に際し留意すべきポイントとして、「宗教、文化、ファッション等の様々な理由があること」とともに、「入れ墨があることで衛生上の支障が生じるものではない」としている。
またタトゥーを入れた人が入浴するときの対応として、(1)シールなどで覆う(2)入浴時間を工夫する(3)貸切風呂を勧める、ことを例として挙げている。

それでは、タトゥーをOKにしている温泉「大和の湯」ではどんな対応をしているのだろうか?
担当者に聞いてみた。

――タトゥーをOKにしたのはいつから?

リニューアルオープンしたときからOKとしました。

「大和の湯」は1998年にオープンしたが、当時は建物が小さかったため予想をはるかに上回る来客で混雑が続いた。
そこで2005年に、和風モダンの要素を取り入れたデザイナーズ日帰り温泉施設としてリニューアルオープン。
大人のためのリゾート」として、大小合わせて4つの内湯、8つの露天風呂、サウナ、体温より1~1.5度高い室温で体をじっくり温めるラディアントバスなどを備え、入浴料は平日800円・土日祝1000円となっている。
(他には別料金で、個室露天風呂や、セラピー、ジム、プール、レストランなどの施設がある。営業時間は年中無休で午前10時~午後10時)

――タトゥーをOKにした理由は?

外国からの観光客も急増し、ファッションタトゥーが流行していることも含めて、刺青そのものが問題視される時代ではないということが大きな理由です。

成田は日本の玄関として海外からのお客様が大勢来られる場所なので、日本固有の価値観を海外のビジターにまで押し付けることはできません。
例えば、著名サッカー選手や、カナダの大統領が大和の湯に訪れたら、入れ墨があるからということで入場をお断りできるでしょうか。


――観光庁は「シール」などを紹介してるが、タトゥーをした人にどう対応している?

タトゥーをしたお客様も、他のお客様も、同じように利用していただいています。

――外国人や日本人でタトゥーをした人は多いのか?

外国からのお客様は、ここ数年でかなり急増しています。
問い合わせは海外だけでなく、国内からも多いです。
ただ、入館者数の全体と比べればタトゥーをしたお客さまの割合はごく少数です。

タトゥーOKでトラブル・クレームは?

前出の観光庁アンケートによると、タトゥーを入れた人が入浴してトラブルが起きたことは8割近くのホテル・旅館が「ない」と回答。

一方、クレームは「ある」と「ない」がほぼ半数となっている。

――「大和の湯」ではクレームを受けたことはあるのか?

正直言うと、タトゥーOKにした当初は批判的な声もいただきました。
でも、そういう声は年々減って今はほとんどないですね。
「何で刺青の人がいるんだ」という声はほとんどなくなりました。

――トラブルはあるのか?

ケンカのトラブルなどは、今まで一度も起きていません
タトゥーのお客様でも、ごく普通に良いマナーの方がほとんどではないでしょうか。


ちなみにこちらの温泉では、喫煙と小学生未満の入館をお断りしていた。
その理由は、タバコに関しては「お客様の体と心を癒していただくため」で全館禁煙。
子供は、「大人のためのリゾート」を目指した結果で、安全管理や他者への迷惑防止などの観点から苦渋の決断で遠慮していただいているという。

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