世界初の「水素ホテル」誕生。家庭のプラスチックごみがエネルギー源

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  • 客室の電気やシャワー、大浴場などホテル全体のエネルギー約30%を水素で賄う
  • 最近注目されているのは、再生可能エネルギーを水素に変換し、貯蔵すること
  • 政府は2050年をめどに水素社会を目指すが、課題はコストダウン

6月1日オープン予定の東急REIホテルが報道陣に公開された。
 
川崎市などが研究開発施設の誘致を進める国際戦略拠点「キングスカイフロント」に開業予定で、 多摩川の対岸には羽田空港がある。

プラスチックごみから“水素”

東急REIホテル

このホテルでは家庭などから出た「使用済み」のプラスチックから作られた「水素」がエネルギー源として使われている。 
ホテルがプラスチックごみから作られた水素を活用するのは世界初だという。

外に置かれた巨大な燃料電池に蓄えられた電力で客室で使用する電気やシャワー、大浴場などホテル全体で使用するエネルギーの約30%を賄うことができる。 
 
水素はホテルから約5キロ離れたところにある昭和電工内のプラスチックリサイクルセンターで製造され、 パイプラインで直接ホテルまで送られる。

プラスチックリサイクルセンター(昭和電工)

もともと川崎市の臨海部では、工場から工場にガスを送るためのパイプラインやプラスチックごみから水素を製造できるプラントが整備されていて今回はこれを活用した形だ。

今回のプロジェクトを担当した 大和ハウス工業・東京本店建築事業部の竹林桂太朗部長は、「パイプをひいてくればここで水素が使える。環境にも優しいということをPRしようということで、世界初の水素ホテルを作る事業を始めた」と話す。

再生可能エネルギーを水素に変換して貯蔵

森田章氏

経営コンサルタントの森田章氏は、「今回は使用済みプラスティックから水素を取り出しているが、石油などの化石燃料、バイオマス、製鉄などの工業プロセスの際にも水素は出てくる。その中で最近注目されているのが再生可能エネルギーを使って水素を作ること」と話す。

「太陽光や風力といった再生可能エネルギーは天候に左右されるので供給が不安定なうえ、電力は貯めておくことができないという難点がある。しかし、余った再生可能エネルギーを水素に変換すると貯蔵ができる」と指摘する。

課題はコストダウン

政府は2050年をめどに水素社会を作ろうとしているが、問題はコストの高さ。
森田氏は、「今回のような取り組みが実証実験として成長していくとコストダウンに繋がっていくのではないかと思う」と期待を寄せる。

川崎市では水素を活用する取り組みを以前から積極的に行っていて、今後もより幅広い分野での普及を図りたいという。

「プライムニュース α」5月30日放送分

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