85歳以上のドライバーは全国に60万人!高齢者運転の事故は他人事ではない

カテゴリ:国内

  • 死亡事故の数に占める割合は、高齢になるほど上昇
  • 85歳以上の免許保有者は全国に約60万人もいる
  • 自主返納者数は過去最高。しかし地域をあげた取り組みが必要

85歳以上の事故件数は、75歳未満の4倍!

1年間で418件。

これは昨1年間に起きた75歳以上の高齢ドライバーによる死亡事故の件数。
まさに1日に1件以上起きていることになり、全ての死亡事故に占める割合は12.9%にのぼる。

警察庁が、ドライバーの年齢層別に分けて死亡事故件数の平均を調べた結果、免許保有者10万人当たりで75歳未満が3.7件だったのに対し、75ー79歳は5.7件、80ー84歳は9.2件、85歳以上に至っては14.6件と、75歳未満の4倍近くにも達している。

高齢ドライバーによる事故が社会問題となっているのは、データからも裏付けられている。

90歳が運転する車が暴走 4人をはね1人死亡(神奈川・茅ヶ崎市 5月28日)

85歳以上の免許保有者は約60万人も・・・

昨年末の時点で運転免許を持っている人は8225万5195人。
このうち、65歳以上は1818万3894人で全体の22.1%を占め、免許を持つ人の5人に1人以上が65歳以上ということになる。

75歳以上では539万5312人(全体の6.6%)が保有していて、そのうち85歳以上は59万164人(全体の0.7%)を占める

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認知症検査を強化・・・必死の取り組み

相次ぐ高齢ドライバーによる事故をどう防ぐか?
そのひとつが「認知症対策」だ。

警察庁の昨年の統計でも、死亡事故を起こした高齢ドライバーの49%が「認知症の恐れがある」、もしくは「認知機能低下の恐れがある」に該当するという特徴が出ている。
こうした背景から、道路交通法が改正され、昨年3月施行された。

75歳以上は免許更新の際の認知機能の検査で、認知症の恐れがある「第一分類」と判断された場合、医者の診断を受けることを義務化
もし認知症と診断されると、各自治体の公安委員会による最終的な判断で運転免許が取り消される。

つまり、認知症に対して〝広い網〟を張ることで、事故を防ごうという取り組みなのだ。

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自主返納すると公共交通機関割引も

ふたつ目は「免許の自主返納」

警察では、運転に不安を抱えるなどの高齢ドライバーに対し、免許の自主返納を呼び掛けている。
返納することで、バスやタクシーなどの公共交通機関を利用する際、割引を受けられるなど、様々な支援も充実してきた。

自主的に返納する人は右肩上がりに増え続け、75歳以上で返納した人は昨年1年間で25万3937人となり、制度導入以降、最多となった。

免許返納・事故減少は「地域全体の課題」

たしかに、免許を返して車を運転する高齢者が減れば事故は減少するかもしれない。
一方で、地域によってはマイカーは暮らしに欠かせない移動手段で「手放せない」という人も多くいるのが現状だ。

「高齢ドライバー問題」は個人・家族だけの話ではなく、地域全体で考えていく課題と言えそうだ。

(社会部 警察庁担当 山下高志)