卓球ロボット!“匠の技術”を伝承するAI! 世界のIoT技術がドイツに集結

  • ドイツで世界最大規模の製造技術展「ハノーバーメッセ」 開催
  • 「インダストリー4.0」…ドイツが進めるIoTやクラウド化による“工場のスマート化”
  • 低コストIoT技術など日本企業も数多く出展していた

ドイツ北部の商業の街、ハノーバー。
ここで、世界最大規模の製造技術展「ハノーバーメッセ」が開かれた。

「ハノーバーメッセ」

製造業の最新技術が披露されるこの展示会で数多く出展していたのが日本企業。
そこには、世界で戦う日本の製造業の未来があった。

取材をしたのは、「IoTニュース」の代表で、IoTコンサルタントの小泉耕二氏。

「IoTニュース」代表・小泉耕二氏

「インダストリー4.0」…ドイツが進める“工場のスマート化”

今、世界の製造業が取り組んでいるのが「インダストリー4.0」。

インダストリー4.0は、ドイツが進めるIoTやクラウド化による工場のスマート化の総称で、製造業の効率を劇的に上げるといわれていることから「第4次産業革命」とも呼ばれている。

このインダストリー4.0の進展をいち早く体験できるのが、ハノーバーメッセ。
まず最初に向かったのは、日本の電子機器大手「オムロン」のブース。

工作機械が自動で部品を運び、また別の工作機械が製品を組み上げていく。これだけでも十分にすごい技術だが、さらにすごいのは製品を1つ1つカスタマイズできること。
一般的な工作機械は、決まったパターン1種類のものしか生産できないが、オムロンの工作機械は、複数のパターンの製品を作ることができる。

製品1つ1つをカスタマイズ

従来の工場では大量生産が主流だったが、消費者のニーズが多様になった今では、個人個人に合わせた商品が必要。
オムロンは、フレキシブルなニーズに応える工作機械で、工場自体を変えようとしている。

さらに、工作機械の中にもAIを取り入れ、機械自身が自分の不具合を感知し、動きを制御することも可能になった。

コストをほとんどかけずにIoT化

一方で、全ての工場が最新工作機械を導入することはできない。

そこに目をつけた会社があった。
「i Smart Technologies」の木村哲也社長は、「古い設備でも簡単に使えるのが特徴で、このおもちゃにも磁気センサーと光センサーの2種類がついています。実際の設備でも同じセンサーで生産個数や時間、動いてる割合などが簡単に見えるようになります」と話した。

「i Smart Technologies」…簡単なセンサーを組み合わせて従来の機械をIoT化

インダストリー4.0で重要なのは、機械をIoT化し、データを取ること。
i Smart Technologiesは、資金のない町工場でもインダストリー4.0を実現できるようにと、秋葉原で買えるような簡単なセンサーを組み合わせることで、コストをほとんどかけずに、従来の機械のIoT化を実現するという。

木村社長は「われわれは現在、IoTは縁遠いものだと思っている中小企業の皆さんにお使いいただきたい。それによって、中小企業の生産性を向上させることのお役に立ちたい」と話した。

匠の技術を伝承するAI

「LIGHTz」…職人の感性を言葉によって見える化

さらに、匠(たくみ)の技術を伝承するためのAIも。

例えば、作った製品の表面がうまくいったかどうかは、職人の目と勘が必要なケースがあるが、このAIは、職人がどう感じたかという感性を言葉によって見える化し、さらに新たな人材を育てようというもの。

「LIGHTz」の乙部信吾社長は「日本人が得意とする『すり合わせ』といわれる領域ですね。そこに職人の思考がたくさん眠っているというふうに思われますので、それをどんどん掘り起こしていって、さまざまな不具合の減少を、このIoTという新しい分野の技術と結び付けていくということに役立てていきたいと思っております」と話した。

バーチャル工場で製造…シミュレーションで効率アップ

現地を取材したIoTコンサルタントの小泉耕二氏は、
「『インダストリー3.0』というのは“高速化、自動化”で、今回の『インダストリー4.0』は様々な産業機械のデータを吸い上げてデジタル化するというもの。そうするとバーチャル空間上に工場のラインがあるような形になる。
例えば、ロボットアームがあって、その動きのデータをバーチャル上で再現することができる。ドイツのe.GOという電気自動車の会社は、工場のデータをインターネット上に上げて、シミュレーションできるようにしている。さらに設計データもあるので、それもあわせることで、バーチャル工場で実際に製造してしまう。

本来は、設計したものを工場に持っていって製造し、ダメだったらまた設計し直すことを繰り返すが、それをデジタル上で試せているので、概ね出来るだろうという段階からスタートするので効率化が進んでいる。消費者のニーズは多様化しているので、それに応えるために工場もフレキシブルにならなきゃいけない」と話す。

変わりゆく製造業。
しかし、支えるのは人という点は、今後も変わることはなさそうだ。

(「プライムニュース α」5月23日放送分)

なんでもAIの他の記事