アクセス集中!東京の交通網を可視化した「HEAVY 4D TOKYO」がスゴイ

カテゴリ:国内

  • 「東京公共交通オープンデータチャレンジ」 準最優秀賞は"4次元"地図
  • 「動く交通情報」 開発のきっかけは外国人観光客
  • 五輪に向けて期待される“スムーズな交通”

世界一複雑といわれる東京の交通網が4Dで見られると、アクセスが集中している話題のソフトをご存知だろうか。
しかも、ずっと見ていられる中毒性もあるという。


それが「東京公共交通オープンデータチャレンジ」で、準最優秀賞を受賞した「HEAVY 4D TOKYO」。
オギクボ開発株式会社が開発した、鉄道やバスなどの公共交通網の動きをPC・スマホ上で動く3次元地図に表示するソフトだ。
操作はカンタンで、マウスひとつで地図の移動・拡大・回転などができるようになっていて、シンプルに言えば「動く交通情報」。現在一般無償公開されている。

「東京公共交通オープンデータチャレンジ」

2017年12月から今年3月にかけて行われ、JR東日本や東京メトロはじめ計22社局の協力により公開された、路線や時刻表情報、電車やバスのリアルタイムな位置・運行情報、航空機の発着データなどをもとに「東京」を応援するアプリケーションやアイデアを募集する、という企画。
約100件のアプリやアイデアが集まった。

従来の交通情報は「駅の場所」「路線図」「時刻表」などが別々にあり、利用者はそこから必要なものを抜き出して使用していたが、「HEAVY 4D TOKYO」は、それらを結び付けてまとめ「現実世界に忠実な動作を再現」したという。
さらに「時間」の要素も。画面に映し出される乗り物の動きは実際の時刻表に秒単位で合わせてあるため、いわば「動く時刻表」となっている。

つまり、あらゆる交通情報を統合して可視化・3D化し、時間経過も追えるようにしたものなのだ。


時間をさかのぼって検索も可能

さらに、「HEAVY 4D TOKYO」のウリは臨場感!
電車が行き交う様子を眺めているだけでもワクワクできるソフトになっている。

開発したオギクボ開発株式会社は「実用性と趣味性を兼備した本作品は、国内外問わず、日常生活により大きな楽しみと可能性を提供できると信じております」と語っている。

オギクボ開発株式会社に、今後の展望を聞いてみた。

3年前に発売したアプリの1000倍以上のデータ

――そもそもなぜ4D地図の開発を?

「渋谷駅に行きたい」と新宿駅の地下道で迷う外国人観光客に対して、英語で説明したところ、列車が渋谷駅に到着した後のサポートが全くできなかったことです。
3次元駅構内の構造の説明に加えて、時刻に沿って動く列車やバスの視覚的な説明が必要であることを悟り、4次元地図の開発を開始しました。


――「HEAVY」「4D」 のネーミングが目を引きますが、意味は?

東京には、全容を把握するには荷が重たすぎるほど多くの公共交通機関が走っていることを、このたびの開発を通じて理解し、HEAVY(重たい)4D(4次元地図)と名付けました。


――今までに開発した4D地図との違いは?

最大の違いはデータ量の規模です。例えば2015年に私たちが発売した東京駅アプリ「Tokyo Ogiqvo」と比較すると、「HEAVY 4D TOKYO」は1000倍以上のデータを使用しております。


――路線図も複雑ですが、駅の構内も複雑で困りものだと思います。駅構内図の3D化などの予定は?

多くの駅構内図は3D化が完了しております。未完了の駅については逐一3D化を進め、昨今のバリアフリー化を考慮しエレベータやスロープ等の可視化も進める予定です。


――「時間を巻き戻して見られる」という機能にはどんな意味が?

「決定的瞬間」を再生してしまった後に時間を巻き戻すことで、何度でも「決定的瞬間」を再生できます。これによって、列車やバスの乗換のリハーサル道具としてご利用になれます。

「乗り換えまであと〇分!」という情報は時刻表などからわかっても、実際に駅のどこを通ってどの位置にある電車やバスに乗ればいいのか迷ってしまった末に乗り換え失敗…なんて経験、一度はあるのでは?
そんな時、たとえば前日の同時刻の電車の動きを見て予習…なんてこともできる。これは便利!

今後は遅延情報にもリアルタイムで対応したい

――今後「こんな情報を4D地図に盛り込みたい」というアイデアは?

現行は時刻表通りにのみ動く列車・バスに対して、遅延・混雑状況等のリアルタイムなデータを適用することを検討しております。


――東京五輪に向けて、これからさらに鉄道アプリのニーズは増えると思いますが、今後はどういったソフトの開発を?

五輪の設営作業を行うに際して、各員の行動指令を視覚的に伝達するツールなどが考えられます。大規模災害が発生した際の避難誘導などにもご利用いただけると確信しております。

東京五輪控え、期待される"スムーズな交通"

「東京公共交通オープンデータチャレンジ」を開催した公共交通オープンデータ協議会は、東京の公共交通を誰もがスムーズに乗りこなせるようにすることを目指し、公共交通関連データのオープン化を進めているという。

ちなみに「東京公共交通オープンデータチャレンジ」の最優秀賞に輝いたのは、「Tokyo Trains」。
東京の主な路線の、リアルタイムな電車の位置と遅延情報、列車と駅単位で調べられる時刻表、 のりかえ情報が一括で検索できるアプリだ。

2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックでは、世界中から多種多様な人々が東京を訪れる。
「HEAVY 4D TOKYO」はアクセスが集中したため、残念ながら一般無償公開は5月25日で終わってしまうが、“世界一複雑”な東京の交通網が、新アイデアで「世界一カンタン」になることを期待したい。