”民泊テロ事件”を防ぐ!全国初 警察と民泊業者が連携強化

カテゴリ:国内

  • 全国初のテロ対策 民泊業者と警察が覚書締結
  • 宿泊者名簿の作成やパスポートの提示を拒否したら警察へ連絡を要請
  • 警察だけでなく「官民一体」となったテロへの対応

全国初 警察と民泊業者の覚書締結

マンションや自宅などの空き家に旅行者などを有料で宿泊させる民泊。
通常のホテルや旅館よりも価格が安いため、訪日する外国人を中心に人気が高まっている。
ホテルなどの宿泊施設の運営に比べ比較的誰でも営業できるため、今後も民泊の増加が見込まれている。

しかし、都内では民泊が犯罪に使用された事件が発生しているほか、今年2月には大阪市で、民泊の部屋などで20代の日本人女性が切断遺体で見つかるという事件も起きている。

また、ホテルなどの宿泊施設を借りるよりも身分証の提示などが徹底されていない事から、民泊はテロリストの潜伏先や危険物の保管場所などに悪用される恐れがあると指摘されている。

このため、民泊で起きるテロや事件を防ごうと東京・大田区内の警視庁5署(池上署、大森署、田園調布署、蒲田署、東京空港署)が、今月15日に民間の民泊運営会社「MDI」(本社・東京中央区)とテロ情報の共有に関する覚書を締結した。

覚書では民泊運営会社「MDI」が、宿泊者の身元確認をすることや、不審な荷物を発見した際には、警視庁に通報することなどが規定され、今後警視庁と協力してテロ防止を進めるとしている。

締結式では池上警察署の舘川紀之署長が、「民泊をテロリストの出撃拠点にさせないためには、民間企業や区民から情報提供を受けるなど、警察との連携を強化していきたい」と語った。

警視庁公安部も注意喚起を呼びかけ

また、同じく警視庁の公安部も民泊がテロリストに利用されるのを防ぐため、運営するオーナーに対して、宿泊者名簿の作成や、外国人旅行者にはパスポートの提示などを求め、これらを拒否するような不審な宿泊客が来た場合は、すぐに通報してもらえるよう呼びかけている。

実際に警視庁公安部の訪問を受けたオーナーは「何か問題があった時だけでなく、日ごろから細かいところで気付くことがあれば警視庁に連絡していきたいと思う。」と話している。

警察だけでなく「官民一体」となったテロへの対応

2012年6月 東京・蒲田の漫画喫茶

17年以上逃走を続けていたオウム真理教元信者が2012年6月に東京・蒲田で逮捕されたのは、漫画喫茶の店員からの通報であった。

「似ている男がいる」と通報を受けた捜査員がすぐに駆け付け、元信者は店内で逮捕された。当時、警視庁は積極的に情報を公開し、社会の関心を高め、市民から情報を集める捜査手法を取っていた。

それが功を奏し17年以上逃走を続けていたオウム真理教元信者の逮捕につながった。警視庁は同様に2020年に向けて警察だけでなく、民間事業所、都民などが「官民一体」となり、テロを許さない街作りとなることを目指している。

警視庁の幹部は「どこに潜んでいるかわからないテロリストを警察官だけで見つけ出すのは正直難しい。しかし、普段から民間事業者や都民の方々と連絡をとり、不審な人物が訪れた時は、すぐに警察に連絡をもらえる体制を作っておくことが大切だ」と話している。

2020年東京オリンピックに向けて、警視庁の取り組みが成功するかどうかは、周囲の人たちにどれだけ「テロに対する意識」をもってもらえるかにかかっている。


(執筆:社会部 警視庁担当 河村忠徳)


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