アマゾン業績拡大でホームレス急増…格差対策として社員に3万円増税

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  • シアトルに移り住むアマゾン、スターバックスなどの社員が増加し、住宅価格が高騰
  • シアトル市議会は大手企業約600社に対し、市内に住む社員1人あたりに年間約3万円課税へ
  • 「企業と行政のこれからのあり方を問う試金石。均衡点をどう見付けるか」

住宅価格が高騰し、ホームレスが急増…

アメリカ・ワシントン州シアトル市

アメリカ・ワシントン州シアトル市では、ネット通販大手のアマゾンやコーヒーチェーンのスターバックスなど大企業の業績拡大により、市内に移り住む社員が増加。
その結果として、住宅価格が高騰し、ホームレスが急増している。

このため、シアトル市の議会は14日、ホームレス問題の対策費用捻出のため、大手企業に対して、市内に住む社員1人あたり年間275ドル(日本円でおよそ3万円)の税金を課す条例を全会一致で可決した。

条例は2019年1月から施行され、対象となる企業は600社近くにのぼる。
シアトル市は、日本円で年間およそ51億円の税収を得ることになるが、アメリカメディアによると、アマゾンは声明で「問題は税収ではなく、税金の非効率的な使い道だ」と反発している。

デジタル化で広がる格差

この対策について、経営コンサルタントの松江 英夫氏は、
「これは企業と行政のこれからのあり方を問う試金石と見ている。グーグルのような俗にいうプラットフォーマーは世界中から人、金、情報を集める力があり、利益も資本も集まってくる。一方で、地域社会との間では格差が生まれていく。
デジタル化によって利益は出るが、従業員や雇用に対して支払われる金額は高くならず、地域との格差はますます広がり、ここを誰がどう再配分するのか、政治・行政が企業・経済とどう折り合いを付けていくかが試される」と指摘する。

経営コンサルタント・松江 英夫氏

一方で、フィンランドやオランダはベーシックインカム、政府が均等に所得を保障していく政策を実験中で、さらに企業やNPOは地域の住民に自ら還元していく試みをしているという。

「今回のシアトルの件は、難しいが大きなトライアルだと思う。あまりにやり過ぎると企業は逃げていくし、一方で企業にとっても地域の住民を敵に回すと持続的に成長するのが難しくなる。どっちに振れても誰も幸せにならない。ここの均衡点をどう見付けるか、注目したい」と話す。

(「プライムニュース α」5月15日放送分)

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