「ここではイヤ」社長と秘書の食い違い 財務省“セクハラ防止研修会”のDVDの中身

カテゴリ:国内

  • 福田淳一前事務次官が辞任したセクハラ問題を受けて研修会開催
  • 使われたDVDは、ドラマ仕立てで“セクハラのグレーゾーン”を紹介 
  • 最高裁までもつれる裁判となった事例も…

財務省で、5月9日に行われた“セクハラ防止研修会”。

大臣官房や主計局、理財局などの幹部ら約80人が参加した。

女性記者にセクハラをしたとして、福田淳一前事務次官が辞任した問題を受け、初めて開催されたというこの研修会。

講師を務めた菅谷貴子弁護士は、参加した幹部らに対して「財務省の感覚・常識と世の中の常識が非常にズレている。大きくかい離がある」と主張した。

そして、麻生財務大臣が「セクハラ罪という罪はない」という発言をしたことについては、「今のタイミングでああいう発言をするのは、セクハラ問題の重要性をどこまで認識しているのかな?」と話した。

菅谷貴子弁護士

研修会で上映されたDVDの中身

この“セクハラ防止研修会”で使用された、『判例・事例から学ぶセクハラ・グレーゾーン』DVDは、実際に起きたセクハラ事例をもとに、ドラマ仕立てになっているという。

会食の下見のために、部下を誘ってバーにやってきた上司の男性と部下の女性。

上司は「なかなかいい感じのお店だね」と嬉しそうにするが、お店の雰囲気に部下の女性は「接待にはちょっと厳しくないですか?」と指摘。

上司は部下の女性に対して「他人に対して遠慮しすぎるんだよ、もっとクライアントに対して自分を出していくべきだ。素質はあるんだから」と、仕事のアドバイスの合間に太ももをタッチ。

しかし、部下の女性にとっては明らかな“セクハラ行為”となる。

さらに、職場での女性の服装をめぐるこんなやりとりもあった。

上司の男性が女性社員に対して、「スカートが短すぎるんじゃないかな?」と指摘すると、女性社員は「ずっと見ていたのか?」「それって完璧セクハラですよ!」と怒ってしまう。

ほかにも、このDVDには「容姿をほめる」や「お酒の席でのお酌」など、いわゆる“セクハラのグレーゾーン”を紹介している。

財務省の研修会では、福田前事務次官を引き合いに出して、セクハラ認識のズレについて解説。

菅谷弁護士は「パワーに対する自覚が足りなかったのではないかと思います。認識のズレがいかに大きいかということと、立場のある人というのはセクハラがどうかという事だけではなく、モラル・品性の問題も問われる」と話した。

キスを迫って「ここではイヤ」に解釈の食い違い

一方で、判断に迷いそうな事例もあった。

2人きりのドライブに出かけた社長と秘書。

社長は秘書が自分に気があると思い、キスを迫るも、秘書から「ここではイヤ」と拒否される。

しかし、この一言の解釈に双方の食い違いが生じてしまう。

裁判にもなったこの事例だが、社長は「私の確信は彼女のその一言でゆるぎないものになりましたから」と主張。

その後、関係を迫った社長だが、実は秘書から誕生日にネクタイをもらったり、腕を組まれることもあったなど、秘書側にも好意があったと認識していたという。

一方秘書は、「『ここではイヤです』といったのは『他の場所ならいい』という意味ではありません、遠まわしに断りたかったんです」と社長への“好意”を否定した。

この事例は最高裁までもつれる裁判となるも、社長が秘書に関係を迫ったことが“力関係を利用したセクハラ”と認定され、社長が敗訴した。

財務省は再発防止に向けて、女性職員に対する聞き取り調査も行っていくといい、今回開催された研修会をきっかけに、世間とのセクハラに対する認識のズレが修正されるのか注目される。

(「めざましテレビ」5月11日放送分より)

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