日中が北でバトル 韓国オロオロ……日中韓会談の舞台裏

カテゴリ:話題

  • 北“擁護”VS“圧力”維持……中国と日本が水面下で激突
  • やっと日本の出番のはずが、3か国の“溝”浮彫り
  • 拘束のアメリカ人3人解放……米朝首脳会談への影響は?

やっと日本の出番のはずが ・・・

2年半ぶりに東京で日中韓首脳会談が開催された。韓国の文在寅大統領、中国の李克強首相はいずれも就任後初来日となった。
3首脳は揃ってブルーのネクタイを着用。
安倍首相は韓国の文大統領の右手を、中国の李首相の左手を取って握手し、連携をアピールした。

北朝鮮の非核化をめぐって、ようやく巡ってきた日本の出番。
日本は議長国として、北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄」を合意文書に盛り込むことを目指した。
しかし、調整は難航し結局、朝鮮半島の「完全な非核化」との表現に留まった。

金正恩と習近平は何故再び会う必要があったのか

最大の難敵は中国だった。
日中韓会談の直前、金正恩委員長と習近平主席は大連で2度目の首脳会談を実施した。会談は北朝鮮側の強い要請で開かれたとされる。今年3月の首脳会談からわずか40日で、なぜ再び会談する必要があったのか。

最大の理由は、トランプ政権が5月に入り北朝鮮に求める非核化のハードルを上げたことだ。
これまでは「完全な非核化」としていたが、これを「恒久的核廃棄」に強め、大陸間弾道ミサイル(ICBM)だけでなく、北朝鮮が宇宙の平和利用と主張している“衛星”の発射についても禁止を求め始めた。

金委員長は習主席に改めて非核化の意志を示した上で、「段階的かつ同時並行的な措置を講じ非核化を実現させる」と主張した。
要するに、完全な廃棄が実現するまで制裁の解除には応じない姿勢のアメリカを説得してくれ、と中国に泣きついた訳だ。

中国が北朝鮮の最大の“擁護者”

これを受けて習主席は早速、トランプ大統領と電話会談した。

「北朝鮮の合理的な安全保障上の懸念を考慮して欲しい」
「(米朝が)相互信頼を打ち立て、段階的に行動すべきだ」
北朝鮮の主張を代弁し、トランプ大統領に訴えた習主席。
中国は再び、北朝鮮の最大の“擁護者”の役割を果たす姿勢を鮮明にした。

北擁護の姿勢は日中韓会談の場でも遺憾なく発揮され、合意文書は「厳しい言葉を全部そぎ落とす」しかなかった。
会談関係者はこう解説する。
「北をいい子、いい子する宣言を出したい中国と、まだまだ説教したい日本がガチンコで、間に立った韓国がオロオロしてこうなった。」

3か国の足並みは揃わず

これ以外に、歴史に関する表記を巡っても、日中の激しいバトルが展開された。
意外にも韓国はこの時、日本の立場を支持したという。
実は、韓国の思惑は全く別のところにあった。

今回の会談では、先の南北首脳会談で発表された板門店宣言を歓迎する特別声明が出された。
韓国の文大統領は合意文書が出る前の共同記者発表の場で「3か国首脳が特別声明の採択を通して板門店宣言を歓迎し、支持してくれた」と述べ、成果を誇示した。
韓国にとっては日中韓でこの特別声明を出すことが最大の目的で、他のことは「どうでもよかった」と見られている。
北朝鮮の非核化に向けた「具体的な行動」の進め方や、経済制裁解除の時期を巡っても3か国の足並みは揃っていない。

3人の解放 米朝首脳会談への影響は?

こうした中、アメリカのポンぺオ国務長官が北朝鮮を訪問し、金委員長と会談。北朝鮮に拘束されていたアメリカ人3人が解放された。トランプ大統領は「大きな成果」と歓迎し、北朝鮮の対応を評価。
一方、金委員長もポンペオ氏との会談で「満足する合意」を得たとしている。
最大の焦点である非核化をめぐって、どちらかが何らかの譲歩をした可能性が考えられる。

今週末にも日程や開催場所が発表される見通しの米朝首脳会談。周辺国も巻き込んで活発な外交駆け引きが続く。

(執筆:フジテレビ 報道センター室長 鴨下ひろみ)

 

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