余った部分を魚のエサに活用!「くら寿司」赤字覚悟の“フードロス”解消

プライムニュースα
国内

  • 魚の骨や内臓などで餌を製造。この餌で寿司ネタとなる魚を養殖
  • 「漁師さんからいただいた魚を余すところなく使いたい」
  • まだ赤字の見通しだが、将来的にはフードロス解消とビジネスの両立へ

「さかな100%プロジェクト」

大手すしチェーンの「くら寿司」が9日に発表した「さかな100%プロジェクト」。
ネタとなる魚は、魚をさばく際に出る骨や内臓などのアラを餌として養殖されたもので、エコで、かつ、おいしさも抜群のすし。

くら寿司…「さかな100%プロジェクト」

魚を100%無駄なく活用しようという、その仕組みは…

まず、加工の途中で出た、すしネタに使われなかった頭や骨などを集め、餌のもととなる魚粉の製造工場へ。

そこで細かく粉砕し、粉状にして、さらにそれを加工し、魚が食べられる餌の形にする。そこへ、独自の風味となるみかんのオイルや皮を加えて餌は完成。

魚の頭や骨などを使って製造した餌

この餌で育った魚をネタにした、くら寿司特製、みかんブリとみかんサーモンは、店舗にすでに並んでいるブリと見た目は変わらない。

“もったいない”という精神

くら寿司がこの取り組みを始めた背景にあったのが、まだ食べられる食品を捨ててしまう、「フードロス」への対策。

日本で年間に出されるフードロスは、推計646万トン。
食品廃棄物の約4分の1が、まだ食べられるのに捨てられている。

国をはじめ、自治体や一般企業でもさまざまな取り組みが進められているが、くら寿司が始めた狙いについて、くらコーポレーション購買本部・大濱喬王氏は、「“もったいない”という精神で、漁師さんからいただいた魚を余すところなく使いたい。現状に関しては、コストアップもありえる状況。最終的には餌代を安くすることで、当社に入ってくる魚価も下がっていく見込み」と話す。

現在は採算が合わず、まだ赤字の見通しとのことだが、餌代が高騰する中、将来的には自社で作る餌の割合を増やし、コストカットにつなげたいとしている。

“フードロス解消とビジネス”は両立できる

経営コンサルタント・森田章氏

この新たな試みについて経営コンサルタントの森田章氏は、「消費者の意識が変わってきているのでコスト面とビジネスが両立するようになってきている。『Responsible消費』という言葉があり、フードロスを減らすなど環境に優しいというだけではなく、ナチュラルとかオーガニック、公正な取引などといった「『社会的責任を果たす消費』を指している。アメリカではすでに消費の15%がこういった商品が占めている。企業にとっても高く売れるので相当儲かる。投資家も企業のこうした動きを評価するようになってきているのも大きい」と話す。

ブロックチェーンの活用

そして、今後日本でもこの仕組みを広める方法については、「海外ではブロックチェーンを活用して原材料がどこで生産されて、どういう加工をされたかが追えるようになっている。日本の先進企業もこれを取り入れていくことが重要だと思う」と指摘する。

(「プライムニュースα」5月9日放送分

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