80歳以上のATM出金に制限…背景に「振り込め詐欺」手口の変化

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  • 三菱UFJ信託銀行が7月30日から開始
  • 80歳以上&1年間ATMで出金していない人の限度額を下げる
  • 「振り込め詐欺」被害は去年約390億円 だまされないために自分達でできること

7日、三菱UFJ信託銀行は、7月30日から80歳以上のATM出金に制限をかけると発表した。
その狙いは、特殊詐欺の被害から顧客の預金を守るためとしている。

特殊詐欺とは、いわゆるオレオレ詐欺などの「振り込め詐欺」と、それ以外の振り込め類似詐欺のこと。
警察庁の発表によれば、特殊詐欺は2009年(平成21年)から増加傾向にあり、被害額はピーク時より減ったものの去年は約390億円の被害があったという。

出典:警察庁【認知件数・被害額の推移】

出金制限の対象となるのは?

今回、制限の対象になるのは以下の2条件を満たす人となる。

1、今年3月31日の時点で80歳以上の人
2、過去1年間、ATMでキャッシュカードを使い出金していない

どちらも該当する場合は、施行日から次の制限がかけられる。
「ATMからキャッシュカードで出金する場合の、1日あたりの利用限度額が引き下げられる」
限度額を変えられたくない場合は、銀行に申し出る必要があるという。

※「出金」とは、引き出し・振り込み・口座振替のこと。
※ここでの「口座振替」は、公共料金やカード料金を支払う「自動引き落とし」は含まず、同行同支店の別口座に資金を移動することを指す。

申し出た人を除き、条件に合うすべての人を制限するのは、大手銀行の取り組みとしてはあまり聞いたことがないようにも思う。
振り込め詐欺を防ぐ効果はあるのか?周知が足らずに混乱は起きないのか?
担当者に聞いてみた。

背景には“手口の変化”

――今回の年齢による制限は珍しいのでは?

まず「振り込み」の制限をしている銀行は他にもあると認識しています。
また、引き出しを含めた「出金」制限も、地方銀行や信用金庫ではすでに実施されているところがございます。
日本初というわけではございません。

――しかし、まだ知らない人も多いのではないか。対象者にはどう通知するのか?

事前通知としては5月7日に発表したプレスリリースが最初でございます。
対象となるお客様については、これから順次「ダイレクトメール」でご案内をする予定です。

――「利用限度額」はいくらになる?

金額は防犯上の理由で公表を差し控えております。
ただ一律 同じ額に引下げさせていただきます。

最近では、奪い取ったキャッシュカードを詐欺グループのメンバーがATMを使って出金する事案(キャッシュカード手交型)が全国的に多くなっており、警察庁の統計にも表れています。
それを防ぐ手立てとして、出金制限を実施させていただくことになります。
ご不便をおかけするのは私たちも重々承知しておりますが、お客様のご預金をお守りするための措置でありと、なにとぞご理解を頂きたいと思っております。

出典:警察庁 平成29年の特殊詐欺認知・検挙状況等について

だまされないためにできること

警察庁が公開している「平成29年の特殊詐欺認知・検挙状況等について」によると、特殊詐欺の被害者のうち65歳以上の高齢者は72.3%。
オレオレ詐欺では、96.1%が高齢者だったという。

また、詐欺グループは「息子の名前」「同級生の名前」「卒業校」などは知った上で電話をかけてくるとして、次のような対策を公開している。

出典:警察庁サイトより

いつあなたや家族に不審な電話がかかってくるか分からない。
今回の銀行による取り組みだけではなく、今から家族で真剣に話し合い、だまされないよう対策を講じておくことも必要だ。