カメラマンが見た“奇跡の大藤”…年間来場者20万人から150万人に

中村 龍美
カテゴリ:国内

  • 前例のない大藤移植…あきらめない気持ちが成功に導いた
  • 来客数が伸びない…経営難の運営から今では
  • 春夏秋冬1年中楽しめる花のテーマパークに

前例がない…壮大な「移植プロジェクト」

藤の花で全国的にも有名な栃木県「あしかがフラワーパーク」
園内に入ると花の甘い香りが漂い気持ちが高鳴る。

見えてきたのは一面見渡す限りの大藤棚、樹齢150年のこの大藤、幅は約35メートル、枝を広げた大きさは約畳600枚分。
頭上に広がる一面の藤の花に言葉を失う。

花の房は長いもので190cmを超え、避けながら歩きみるほど。

この大藤、実は20年前に都市開発の為に移植されたもので、当時、樹齢130年の木の移植は前例がなく困難を極めた移植だった。

樹木医、造園家などが一丸となって、湿地帯だった土地に250トンを超える量の炭を敷き詰め土壌改良。
樹の気持ちになり、樹に何が必要なのか、樹の立場になって考えながら、傷つけないよう石膏の包帯で保護するなど足掛け2年…。
諦めない強い気持ちが成功へ導き、延べ2000人もの手によって進められた移植は、日本で初めての成功例となった。

当時、畳300枚程の大きさの「大藤」は倍以上の大きさまでに成長。
今でも枝を広げ続けている。

移植は成功したが・・・次の悩みが

移植当時、日本で初めての移植に多くのマスコミが押し寄せ取材に来たが、それ以降の取材はあまりなく、来場者数が伸び悩んでいた。

関和勝美営業部長は…
「見る者の心を奪う程の力を持つこの大藤、この素晴らしさを見てもらえばきっと感動していただく自信はある」

テレビ局、新聞、雑誌、観光会社、ライバルでもある関東の藤の名所3ヵ所にも「世界一の藤」を掲げたチラシを配りまわった。

成果は徐々に上がり始め、客足は伸びていった。

2014年には、アメリカのニュースチャンネルCNNの『世界の夢の旅行先10カ所』に、日本で唯一「あしかがフラワーパーク」が選ばれ、日本のみならず海外でも高い評価を得られている。

「世界一の大藤を見て頂きたい」

その思いで、来場者数は年間20万人から150万人までに増えた。

「冬も楽しめる花のテーマパーク」

季節ごとの花々を見せてくれる園内。
藤の花も、うすべに藤、むらさき藤、白藤、きばな藤など少しずつ開花をずらしながら楽しませてくれる。

冬には、光の花が園内を埋め尽くす400万球のイルミネーションを見る事ができ、シンボルツリーでもある「大藤」は花を知り尽くした担当者が手作業で取り付ける。

日頃から花を見ているからこそ、花の房が垂れ下がる様子など細かに調整する事ができ「大藤」を再現できるのだ。
全て手作業で飾られる光の花、花を愛でる者の気持ちがそこにある。

日本三大イルミネーションに選ばれ、2016年、2017年は、2年連続で全国の夜景鑑賞士が選ぶ全国イルミネーションランキングの「イルミネーション部門」で全国1位を獲得。

今年はどんな光景を見せてくれるのか楽しみだ。


(取材撮影部・中村龍美カメラマン)

<施設情報>
「あしかがフラワーパーク」
栃木県足利市迫間町607
TEL:0284-91-4939

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