嘆く長老「総理が天を仰いで2時間無為に…」審議拒否の野党に自民反発「猛省しろ」

中西孝介
カテゴリ:国内

  • 野党の審議拒否に自民の派閥幹部から批判続出
  • 「空回し」で時間空費を嘆く長老
  • 空転で問われる与野党の「道義」

野党の審議拒否に自民の派閥幹部から批判続出

国会では野党側が、麻生財務大臣の辞任や、加計学園問題に関しての柳瀬元首相秘書官の証人喚問を求めて、審議拒否を続けている。野党が、安倍首相が出席しての集中審議までも欠席した4月26日、自民党の各派閥の会合では野党側の姿勢に批判の声が相次いだ。

1週間前に竹下派の会長に就任した竹下総務会長は、翌日に行われる南北首脳会談や、その後の米朝首脳会談など「世界史に残るような動きが出ている」と指摘した上で、「総理がアメリカの大統領と10時間以上話した。この外交報告をやろうという集中審議に欠席した野党の諸君に対し、私は大変違和感を覚えますし、猛省をしてほしい」と批判した。そして「歴史の曲がり角に来た時に、そういう態度(審議拒否)を取ることはいかがなものかと言わざるを得ない」と、野党は国益よりも政局を重視しているとの観点から疑問を呈した。

「空回し」で時間空費を嘆く長老

また、議院運営委員長や国対委員長も歴任した麻生派の佐藤会長代理も「国会に来て色々な議論をし、追及すべきだというのが基本姿勢ではないか。なんとなくパフォーマンスに徹しているきらいがある。原点に返って国会の議論をすべきだと思う」と、言い分が通らないからといって野党側は審議拒否するのではなく、国会審議の中で政府を追及すべきだとの考えを示した。

さらに、この日、衆議院の予算委員長として、欠席している野党側の持ち時間の間、ただただ座って時間が過ぎるのを待ついわゆる「空回し」を行った二階派の河村会長代行は「1時間、2時間弱、(野党席が)空席のまま空転。総理大臣もずっと座っておられる状況。この貴重な時間をという思いがした」と、総理大臣らが何時間もにわたり、野党の出席を待ち続けていたことを嘆いた。

この「空回し」については、野党の審議拒否を印象付けるための、与党側の戦術という面もあるのだが、二階派の長老である伊吹元衆院議長も「所在無げに日本国の総理大臣と副総理が腕を組んで天を仰いで2時間無為に過ごしているのが本当にいいのか」と野党を批判。派閥所属議員に対し、「連休になって皆さんが選挙区に帰れば、そういうことを心ある人に伝えないといけない」と訴えた。
また、伊吹氏は一連の政府の不祥事について、「もちろん安倍さんに道義的責任がある」と指摘した上で、現在の安倍政権に関する一連の問題について次のように述べた。

「今、問われていることはエモーショナル(感情的・情緒的)な問題ですよね。日本は明治維新後、法治国家になったんだから、法律でしっかり物事を判断していくと。そして法律で許されていてもやってはいけないこと、法律で義務付けられていないけど進んでやらなければいけないこと、これが『道義』だ。ところが今は、この道義の部分に対して己の基準を振りかざして、その基準と違う者はとんでもない奴だといって騒いでいる」

空転で問われる与野党の「道義」

さらに国会の「立法権」、政府の「行政権」、「司法権」の三権分立が憲法の法理だと指摘した上で、「麻生財務大臣が辞職をしなければ立法府を動かさないということは、憲法に照らして、ちょっといくらなんでもいただけませんよね。これをどうするかということは、安倍さんが考えることであると同時に、道義の問題について麻生さん自身が判断すべきこと」と述べた。

伊吹氏は野党側が国会審議は拒否する一方で、連日のように省庁から官僚を呼び出してヒアリングを行っていることについても「国会の委員会には出てこないけど、(役所の)課長なんかを沢山集めてテレビを入れて、記者を集めて1つ1つ麻生大臣はこういう発言をしているけども、おかしいと思いませんかなんて言って、課長に聞いて答えられるわけがないわね。
それは麻生さんに聞かないといけないんですよ」と、国会で聞くべきことを国会外で聞く野党の手法に疑問を呈した。

ただ伊吹氏は最後にこう述べた。
「野党を一方的に批判するもんじゃなくて、なぜこういう状態になったのかを一番最初に考える。内閣も(問題の)種を、病原を取り除いていくことを国民のためにやらなければいけない。」

果たして伊吹氏が言うところの『道義』を与野党が理解して、国会は正常化に向かうのだろうか。
国民は少なくとも、不毛に時間だけが経過している国会の現状を望んでいないのは確かだ。

(政治部 自民党担当キャップ 中西孝介)

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