会談成功に躍起 韓国の北への“すり寄り”が止まらない! 

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  • 会談場に金剛山の絵……観光再開への“布石”?
  • 統一旗に竹島……“反日” “領土”では南北共闘
  • 開催自体が“成功”……非核化進展は望み薄

会談場に金剛山の絵……観光再開への“布石”?

27日の南北首脳会談では、北朝鮮の金正恩委員長が南北の軍事境界線を越えて韓国を訪問する。
朝鮮半島が分断されてから、北朝鮮の最高指導者が韓国に足を踏み入れるのは初めてだ。
韓国側はこの歴史的瞬間を生中継で伝える計画だ。

首脳会談の場となる板門店の韓国側施設・平和の家は、会談に合わせて改装された。
会談が実施される2階の部屋には韓国・済州島の漢拏山の絵画が飾られていたが、改装後には北朝鮮の名勝地・金剛山の絵画に変わった。

金剛山観光は南北共同事業の中核の一つで、北朝鮮の貴重な外貨収入源となってきた。
現代グループの鄭周永元会長が牛500頭を引き連れて、徒歩で板門店を渡り、金正日総書記と会談したのがきっかけで、1998年に海路で観光ツアーが始まった。
その後、陸路での観光も加わり、2008年夏に韓国人観光客が北朝鮮兵士に射殺されて中断するまで約10年続いた。
この間、韓国からの訪問客はのべ約194万人。
北朝鮮側に入った観光収入は4億8669万ドルに上った。

事件を受けて北朝鮮側は一方的に韓国側所有の施設を凍結・没収。
単独での観光事業を始め、中国人観光客を中心に海外からの観光客を受け入れている。
韓国側は再開の条件として謝罪と事件の再発防止、観光客の安全保障を求めたが、北朝鮮側との交渉は難航し、再開には至っていない。

金委員長はこれまで、金剛山周辺を観光特区に指定するなど、観光業を経済再建の目玉にしている。
金剛山観光は細々と続けられているが、韓国人観光客でにぎわった当時に比べると、すっかり寂れてしまった。
非核化が進展し経済制裁の緩和が動き出せば、北朝鮮が真っ先に再開したいのは金剛山観光だろう。
見返りをちらつかせて非核化の前進で金委員長を少しでも動かしたい、韓国側のそんな思惑が垣間見える。

統一旗に竹島……“反日” “領土”では南北共闘

首脳会談を控え、韓国大統領府は「平和 新しい始まり」と題する特設HPを解説。
首脳会談を実現した文大統領の業績を大々的に宣伝し、歌手やスポーツ選手の動画メッセージを掲載するなど、気運の盛り上げを図っている。

ソウルの街中にはがっちりと握手を交わす両手のクローズアップに統一朝鮮の地図をあしらった大型の垂れ幕も登場。
そこには日本固有領土の島根県・竹島も含まれている。
晩さん会のメニューにも統一旗があしらわれたデザートが供される予定だ。
日本政府は提供しないよう申し入れているが、変更の気配はない。

竹島をめぐっては、北朝鮮も領有権を主張している。
平昌五輪の際には統一旗に竹島を含めることは控えたが、南北首脳会談では南北が足並みを揃えた形だ。
歴史認識や領土問題では韓国が北朝鮮にすり寄り、“反日”で結びつく構図は変わらない。

開催自体が“成功”……非核化で進展は望み薄

韓国大統領府が発表したスケジュールでは、金委員長と文大統領は、27日午前9時半に板門店の軍事業界線で対面し、握手を交わした後、徒歩で軍事境界線を越える。
北朝鮮側の随行員は9名。妹の金与正氏を始め、金永南最高人民委員会常任委員長、金永哲党副委員長、外交・防衛から台南担当の幹部ら最高指導部がこぞって同行する。
李雪主夫人が同行するかどうかはまだ協議中だという。

首脳会談の焦点は①非核化、②平和体制の構築、③南北関係、④拉致の4つだ。

非核化をめぐっては、金委員長が完全な核の放棄に言及するかどうか、また会談終了後に発表される共同宣言に「非核化」を明記できるかどうかが最大のポイントとなる。
この点については事前協議で調整がついていない。
金委員長の決断次第ではあるが、核問題はアメリカと話し合うとする北朝鮮の姿勢に変化はないと見られる。

②は北朝鮮が求める体制の維持に関わる問題だ。
休戦状態のままとなっている朝鮮戦争を正式に終わらせ、北朝鮮が最も望んでいるアメリカとの平和協定の締結につなげる必要がある。朝鮮戦争の休戦協定に署名したのは、アメリカ、北朝鮮、中国の国民義勇軍の3者で、韓国は含まれていない。
このため、南北に米中を加えた話し合いが必要だが、今回は朝鮮戦争の終結に向けた南北協力をアピールする可能性が高い。

もう一つ日本にとって注目なのが、拉致問題に対する金委員長の反応だ。
何らかの対応を示唆すれば、日朝首脳会談に向けて道筋が開ける可能性も出てくる。

いずれにせよ、今回の会談の最大の見せ場は金委員長が軍事境界線を越える瞬間に尽きる。
中身の面では大きな成果は期待薄で、米朝首脳会談の露払いにとどまる見通しだ。

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