新潟県・米山知事辞職へ…“援助交際”は違法か?弁護士に聞いた

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  • 援助交際が売春防止法上の「売春」に該当すれば違法
  • 米山知事に「買春」の認識があった場合は違法
  • ただ、当事者の男女に刑事罰はない

歓心を買うため金銭のやりとりがあった

新潟県の米山隆一知事は18日、緊急の記者会見を開き、出会い系サイトで知り合った女性との金銭をともなう関係を認め、辞職願を提出したと話した。

米山知事の辞職願は27日に開かれる臨時議会で審議され、27日付で辞職となる見通しだ。

米山知事は「自由恋愛のつもりだった。私としては落選中の中でお付き合いする人にも恵まれない中で、お付き合いする人を探す。その中で相手の方の歓心を買うというかプレゼントであったり、金銭の授受があったりということがあった。」と釈明。
違法性の認識などについては、「売買春と言われる可能性はあると思っていた」と話している。


そもそも「出会い系サイトで知り合った女性との金銭をともなう関係」は法的に問題はないのか?

弁護士法人L&Aの伊勢田篤史弁護士に聞いた。

援助交際が売春防止法上の「売春」に該当すれば違法

ーーそもそも援助交際は違法なのでしょうか?

相手が児童(18歳未満)ではないことが前提ですが、援助交際が「売春」(対償を受け、又は受ける約束で不特定の相手方と性交すること)に該当すれば、売春防止法に反し、違法となります。

ただし、罰則は存在しません。

米山知事に買春の認識があった場合は違法

ーー米山知事のケースは違法と言えますか?

米山知事の行為が、売春防止法上の、いわゆる「買春」(売春の相手方になる行為)に該当するかどうかが問題となります。

米山知事にその認識があった場合には、売春防止法違反となる可能性があります。


ーー買春の認識があったかどうかは、どうやって証明するのでしょうか?

買春の認識があったかどうかは、基本的には客観的事実等から判断することになるかと思います。

例えば、相手方の女性や米山知事の「ハッピーメール」内でのプロフィールや両者のメールのやり取り、会ったときの状況や会話等のやり取り、会った後のメールのやり取り等から、当時「買春」の認識があったかどうかを判断していくものと思われます。


ーー米山知事は「自由恋愛のつもりだった」と釈明し、金銭を渡していた理由について「好きになって欲しくて、歓心を買おうとした」と説明しています。こうした認識で行った今回の行為は「買春」に該当しますか?


米山知事の「自由恋愛のつもりだった」などという釈明については、一つの参考にはされると思いますが、正直、何とでも説明ができてしまうところではあるので、一概に判断することはできません。

上記のような客観的証拠と照らして「買春」の認識があったかどうかを判断されることになるでしょう。

売春は違法でも、当事者の男女に刑事罰がない理由

ーー売春は違法ですが、当事者の男性と女性に刑事罰はない。これはどうしてなんですか?

法律の名称自体も、売春「防止」法とされているだけで、売春「禁止」法とされておりません。

売春防止法は、元々、「売春をせざるを得ない状況等におかれた者は、福祉の救済を必要とする者(保護の対象)である」という考えに立っており、その趣旨も、売春行為そのものを罰するのではなく、売春行為につながる行為を処罰することで、結果として売春行為を防止しようとする点にあります。

そのため、売春行為が処罰対象とされておらず、買春行為も処罰対象とされていません。

伊勢田篤史
弁護士法人L&A パートナー弁護士・公認会計士 
慶応義塾大学経済学部卒。大学在学中に公認会計士試験合格後、大手監査法人勤務を経て2014年弁護士登録(67期)。東京弁護士会所属。法務と財務の両面から、企業経営に関するコンサルティングを行っている。