2017年は、トランプ大統領就任や北朝鮮のミサイル、天皇陛下退位の決定や眞子さま婚約、働き方改革や小池旋風、衆議院議員選挙など様々なことがあった。

2018年は一体どんな一年になるのか。

今回は、フジテレビ政治担当の解説陣による座談会、第3回目。

小池旋風を巻き起こした小池百合子都知事の影響と今後は?

小池都知事は地道に五輪の仕事をしている

反町解説委員長
反町解説委員長
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反町理:
小池さんは終わりですかね?

平井文夫:
終わりでしょう。

反町:
終わりかなぁ、2019年の参議院選挙を希望の党で何か仕掛ける、ないしは2020年の7月に任期切れで、そこでもう1回都知事選に出るか出ないか、もしくは出ないでその年の暮れにあるであろう総選挙に向けて何か仕掛けるのか。
そういう話、将来の政治日程に関しては彼女はすごく敏感ですよね。「参議院選挙ありますよね?」と聞くと「んっ?その話はまだしないで」とか。常にポジティブに夢を追いかけるというか、ターゲットをセッティングしてそれに向かって走る人だから。
客観的に見ると希望の党所属の前原(誠司)さん、小池さん、この2人はこれから先、非常に厳しい局面になるとは思いますね。
小池さんは仕掛けるのがとても好きな人だから終わらないんじゃないのかな。

平井上席解説委員
平井上席解説委員

平井:
小池さんがいなくなると政局がつまらないですよね。

反町:
今本当にオリンピックの仕事をこまめにコツコツ地道にやってるって東京五輪の組織委員会の人が言ってましたよ。以前のようなスタンドプレー的なものは一切なくなったって。
まあ森(喜朗)さんとは相変わらずあまり口をきかないみたいですが。

平井:
嘘だぁ、地味にやってる小池百合子は小池百合子じゃない(笑)!

小林泰一郎:
スタンドプレーでやるのが小池百合子でしょう(笑)。

「ヒラリーだって70歳だったでしょ」

岡野俊輔:
私が思うに、小池さんの狙いが正しかったっていうのは、前はみんなの党とか日本維新の会などの第三極って出てきていたじゃないですか。
でも小池さんは最初から自民党と希望の党の二極だと。それで、公明党の奪い合いを自民党とやったわけじゃないですか。自民と希望が同じだけ取れば、公明さんどっち選びますかっていうので、公明党に選んでもらおうということを一生懸命やっていたと思うんですよ。

その時に小池さんに付いていく人は、福田峰之衆院議員だけなく自民党からもいるだろうと見られていたし、民進党の中にも多かったわけじゃないですか。民進党の中で左と右が一緒にやってるのは嫌だって、長島(昭久)さんや前原さんとか。

昔の政界再編もそうですけど、自民党のいわゆる左寄りの人と野党が一緒になって二極作るような、その構図は正しかったと思うけど、でも排除した中に岡田(克也)さんや野田(佳彦)さんとか、そういう取るべき人間を取らなかったわけじゃないですか。

だから結局また揺り戻しで、昔と同じ結局右と左の与党と野党に戻っちゃいましたよね。
もし小池さんがもう一回出てくるのであれば、構図をどうやって作るのかって、作り直すのか、それとももう一回同じ構図でやるのかっていうのが、小池さんが再浮上するかどうかのポイントなんじゃないのかなって思いますね。

小林:
何かを作るっていう力は、小池さんはあまりないと思いますよ。

平井:
安倍首相が2021年9月に任期満了じゃないですか。2018年の総裁選は勝つからね。その時に世の中は安倍ロスになるわけですよ。
安倍さんの後は岸田さん?そんな流れになりますよね。石破(茂)さんや野田(聖子)さんなどもいますけど…この人たちで大丈夫かなあと。小池さんは、その時69歳くらいですけど。

反町:
そうですよ、年齢なんですよね。

平井:
本人は「ヒラリーだって70歳だったでしょ」と言うくらいやる気はあるんです。だからもしかしたら小池待望論みたいなのが出るかもね。

岡野:
出るのは自由ですけど、ヒラリーは大統領になれなかった(笑)

反町:
そのためには2020年の東京オリンピックは綺麗に仕上げないといけない。だから地道に地味にやっているっていうのはそういうことですよ。
組織委員会の人たちも要するに小池さんが真面目にオリンピックに取り組んでいるのは、このまましっかりやらないと次がないからなって、地道にやることに心を砕いているんだなという風に、みんな冷ややかに地味な仕事ぶりを評価しているという形です。

岡野解説委員
岡野解説委員

もしかしたら小池首相になっていたかもしれない

岡野:
小池さんの手法から考えると、誰を敵に祭り上げるかっていうのを見つけられるかどうかだと思うんだけどね。森さんがいるからこその小池さんだったり。

小林:
要するにマグロみたいに泳ぎ続けてないと死んじゃうのよ。だから戦い続けてないとダメだろうから、戦い続けるってね。

岡野:
だから何か見つけてこないと、石原さんを悪者にしたり、森さんを悪者にしたり。結構その辺は、小泉(純一郎)さんの時の“抵抗勢力”じゃないけど、何かしら敵を作っていないと、あの人は地道にやって浮上する感じが全然しないんですよね。

平井:
小池さんの話って盛り上がりますね(笑)。

岡野:
そうですね(笑)。

反町:
僕は、小池さんが都知事をやめて衆院選で立候補していたらどうだっただろうかって、そこのシミュレーションが気になるところです。
希望の党の看板を掲げた時に、「いろいろみなさん仰るし、世論調査では7割が続けろって仰るけど、私はやっぱりここは勝負をしたいんだ」と、看板を手に持って「知事をやめます、選挙を出ます」って言った時に、どういう現象が起きたのかっていう。
ここで勝負しきれなかったところがね。

平井:
だけどどうせ“排除”はしなきゃいけなかったんですよ。

小林解説委員
小林解説委員

小林:
僕は小池さんの敗因は、“排除”よりそっちだったんじゃないかって思うよ。
やっぱり大将が戦いの先頭に立たなきゃ無理ですよ。

平井:
それはだから勝てないから出なかったんですよ。

反町:
様子見をしたんですよね。でも希望の党の看板を出した日だったら勝負は一気に変わってたかもしれないですよ。

平井:
そうですよね、あの日、9月25日に。

反町:
それは彼女の愛読書である『失敗の本質』がいう限りでは、戦力も逐次投入ではダメなんですよね。

平井:
だけど9月25日には民進党がどう転ぶかまだわかってなかったんですよ。
枝野さんがどう動くかわからなかったわけでしょ。そこが読めなかったから小池さんは出なかった。そこは勝負です。もしあそこで勝負してたら首相になっていたかもしれないですから。

反町:
官邸は本当に怯えていたと思いますよ。

 
 

イラスト=さいとうひさし

政治部
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総理大臣、官房長官の動向をフォローする官邸クラブ。平河クラブは自民党、公明党を、野党クラブは、立憲民主党、国民民主党、日本維新の会など野党勢を取材。内閣府担当は、少子化問題から、宇宙、化学問題まで、多岐に渡る分野を、細かくフォローする。外務省クラブは、日々刻々と変化する、外交問題を取材、人事院も取材対象となっている。政界から財界、官界まで、政治部の取材分野は広いと言えます。