おそらく初の試み…総務省がなぜか「SF小説」を発表

2030年~2040年ぐらいの世界はこうなる!?

カテゴリ:国内

  • 家庭にはAIロボット!仕事・学校はVR!というちょっと先の未来
  • 総務省の若手チームが素人だけで書き上げた
  • 小説の内容は「実現したい」未来像

今週公開される映画「レディ・プレイヤー1」や「いぬやしき」が気になるSFファンなら、ぜひこちらにも注目してほしい。
なんと、お堅いお役所のイメージのある総務省が、なぜか「SF小説」を発表したのだ。

タイトルは「新時代家族~分断のはざまをつなぐ新たなキズナ~」

作品の舞台は2030~40年ごろの世界。

父母と子供2人の家族を中心に、現在とは大きく様変わりした未来の生活が描かれていて、この4人家族に加えて田舎に住む祖母とロボット、それぞれの視点で6つの章にわかれている。

多機能AIロボットや空飛ぶタクシー

ちょっとだけ先の未来の設定だが、多くの家庭では、健康管理や洋服選びから、小さな子供の世話などもこなせる多機能AIロボットを導入している。


出典:総務省(以下の画像もすべて)

職場はVRで遠隔参加することが一般化。
学校では外国にいる先生がホログラムで教壇に立つようになる。

農業は人に代わってロボットやドローンが作業をする全自動農村が登場。
また電気は、人口衛星からワイヤレス給電することで、遠隔地だけでなく災害が起きた時でも安定供給が可能になる。

空陸両用の空飛ぶ無人タクシーや無人スーパー、配達ドローンが実用化され、過疎地のお年寄りの生活も楽になる。

小説を読むと、保育園に通う子供から補助ロボットを装着してハイキングに出かける100歳の老人まで、未来のさまざまな暮らしが疑似体験できる。
家の広さや学校の成績など今と変わらない悩みもあるが、暮らしやすそうな世界だ。

小説は全57ページで、書いたのはなんと総務省の若手職員だという。
どうしてこんなSF小説を作ったのか?

総務省に聞いてみた。

平均年齢29歳の若手26人で書きました

――なぜSF小説を制作したのか?

まず、総務省の若手職員を集めて2040年ぐらいの未来を検討してもらうという狙いがありました。
2040年ごろ行政の中心的な役割を担っているであろう世代に、自由な議論をしてほしかったんです。

政策文書のようなものではなく、小説のほうが若手の思いがダイレクトに伝わると思いから今回チャレンジしてみたということです。
若手の意見をまとめるというのが最大の狙いでございましたので、小説のクレジットは「未来デザインチーム」とさせていただいています。

未来デザインチームとは?
小説の最後にある紹介文によると「未来デザインチーム」は平均年齢約29歳の総務省の若手職員26名からなる集団だという。

――「未来デザインチーム」は小説の執筆経験がある文系集団なのか?

文系・理系問わず幅広い人材を集めています。
分担して執筆にあたり、一つのものに仕上げています。
本当はプロの作家先生から教えを乞おうかとも思いましたが、時間も余裕もなくて素人だけで書き上げたのが実情です。

「実現できる」ではなく「実現したい」未来像

――小説の内容は実現できるのか?

実現「できる未来」ではなくて、実現「したい未来」ですね。

若手から上がった実現「したい未来」を、情報通信審議会情報通信政策部会に設置している「IoT新時代の未来づくり検討委員会」にインプットして、委員会では実現「したい未来」に向かって、我々は何をしていくべきかということについていろいろお話をいただきました。

今回の小説と合わせて公表した【IoT新時代の未来づくり検討委員会 中間とりまとめ「未来をつかむTECH戦略」】という資料は、小説が原作になったようなイメージです。

若手の自由な発想でまとめた小説の中から象徴的なシーンを切り出し、イラストなどにして公表したということになります。

――総務省が小説を発表することは以前もあったのか?

私が知る限りでは初めての試みではないかと思います。

――「初版」とあるが、どんどん変わっていくのか?

今回初めて世の中にお示ししましたので、いろいろなご意見をいただく可能性があると思います。

それを踏まえたり、あるいは若手の中からもっとこうしたいという継続的な議論が出てくれば、第2~3版が出ることもあり得ます。

総務省のおそらく初の試みは受け入れられるのか。

そして、小説のような未来を実現するために私たちは何をしたらいいのか、詳しいことは総務省の資料をご覧になってほしい。
はたして2040年に私たちは空飛ぶ車に乗れるのだろうか?