中国が台湾海峡で実弾演習! “最前線の島”「金門島」を取材

台湾をめぐり揺れる米中関係

  • 中国中央テレビ「台湾の幹部による独立の言論発表に対して行った」
  • アメリカは中国との貿易戦争において、台湾をカードとして使おうとしている
  • 中国にとって台湾は“核心的利益”

実弾演習の狙いは台湾か

中国軍は18日、台湾海峡で実弾射撃演習を実施した。
福建省泉州市の港では「外では今ドンパチやってるだろ、怖くて出られないよ」「命の危険があるから怖いし、軍の人にも言われたよ」と漁師が語り、きょうは漁に出ないようにとの通知が出ているという。

中国中央テレビは「今回の軍事演習は台湾の幹部が、最近次々と台湾独立の言論を発表していることに対するものだ」と報じた。

番組では、中国と台湾が対峙する“最前線の島”「金門島」を取材した。

中国が実弾演習を行った海域のすぐそばには、かつて中国、人民解放軍の砲撃から台湾が死守し、現在も統治している金門島がある。

中国本土からわずか2kmの場所に位置しており、現在はフェリーが運航され、中国との民間交流が行われている一方で、海岸線には5kmにわたって、中国軍の上陸を阻むおびただしい数の杭が打たれている。

周囲には、かつて使われた戦車や塹壕がそのままになっていて、当時の軍の司令部の建物にはいたるところに銃弾でできたと思われる穴がそのまま残っている。
戦闘の痕跡が観光資源ともなっている金門島。一方で、現在も台湾の軍、数千人が駐屯し、今回の中国の軍事演習に対抗し、実弾演習が行われるなど緊張状態が続いている。

この台湾海峡をめぐっては、1996年にも危機があった。
台湾初の直接投票による総統選挙が行われると、独立を警戒した中国が軍事演習に踏み切ったのだ。しかし、アメリカが空母2隻を派遣すると、その圧倒的な軍事力を前に、中国は撤退するしかなかった。

その時から22年もの歳月が流れ、中国は初の空母「遼寧」を擁するなど、軍事力を増してきている。そのため、今後さらに台湾への軍事的圧力を強めていく可能性も出ている。

中国にとって台湾は“核心的利益”

今回の中国実弾演習を受けて、中国事情に詳しい政治学者 朱建栄(シュ・ケンエイ)さんにお話を伺った。

ーー実弾を使った台湾海峡における大規模な中国海軍の演習、何が狙いなんですか?

第一に最大の狙いというのは、間違いなくアメリカへの政治的メッセージだと思います。

ーーアメリカへの政治的メッセージというのは、トランプ政権が台湾旅行法を成立させました。これはアメリカ政府の高官が自由に台湾に行けるようになると。これは対中国から見たら、何がいけないんですか?

中国から見れば、中国とアメリカの国交樹立の時に、台湾はあくまでも文化・経済の交流だけで政府としては認めない。そうすると、アメリカからの高官、特に閣僚クラス以上は台湾に行かない・行けないというのは30年以上続いたわけですね。

この旅行法によってアメリカの閣僚級、一説に言われているのは6月にアメリカ大統領の安全保障補佐官ジョン・ボルトン氏が行くかもしれない。そこへ中国は今回、最大限の警告を送ったのではないかと思います。


――そのために台湾海峡に軍艦を入れて実弾射撃をする。これは台湾に対する武力的な威圧・プレッシャーをかけるんじゃなくて、あくまでも意識しているのはアメリカなんですね?

今回は、私はやっぱり主にアメリカだと思います。トランプ氏はどうしても中国との貿易戦争で、台湾をカードとして使おうとすると。中国から見ればこれは火遊びだと。絶対使っちゃいけないというところのメッセージだと思います


――中国から見たら、台湾に手を出すというのは火遊びになるんですね?

中国にとってこれはまさに、台湾は核心的利益だと言っているわけですね。核心的利益というのはネゴシエーション、交渉の余地がない。絶対に守るもの。

それを中国は主には台湾・チベットと新疆を指しているんです。実は他のことについては、相手の立場もあって、交渉してもいいと。

中国が絶対容認しないこと

――一応、4つ用意しましたけど、南シナ海とか尖閣が、中国から見たら台湾・新疆・チベットほど、絶対に譲れないものとはちょっとグレードが違う?

もちろん立場はあるんです。しかし日本も立場は知っていると。その上で棚上げに持っていこうというところと、台湾は絶対にアメリカにですね、正式に交流して台湾が国として認められるということは、中国は絶対容認しない。そこの違いはハッキリ。


――今回、アメリカ政府は、台湾と交流を深めようとしている。それに対して、中国も実弾演習を行っている。これエスカレートする可能性は?


私は今回ですね、演習そのものは空母も参加していない。それから場所は、海峡とはいえ、主に大陸の沿岸でやっているということで、そのまま例えば今すぐ実戦に繋がる可能性はアメリカも判断していないので、やっぱり、中国の政治的なメッセージだと。
なので、今回はこのまま緊張が高まるということはないと一般的に見られています。

(「プライムニュース イブニング」4月18日放送分より)

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